子供が1年を通してアメリカでかかりやすい病気
子供を持つ親にとって、何より心配なのは子供の健康。急に具合が悪くなっても慌てないよう、子供が掛かりやすい病気を小児科医のルース真理さんに聞いた。
 季節の変わりめのアレルギー症状/気管支ぜんそく 
アレルギー性の鼻炎、くしゃみ、そして目の症状(目の痒みや充血)は花粉の多くなる春先から多く見られます。アレルギーとぜんそくを両方持つ子供達は、アレルギーの症状がぜんそくの発作を引き起こすことが少なくないため、日頃からアレルギーの治療を心掛けましょう。アレルギーの治療としては飲み薬、目薬そして鼻から吸入するスプレー・タイプの薬がありますが、主治医と相談のうえ、症状に合った薬を使用することをお勧めします。ぜんそくの発作も季節の変わり目にはよくあることですが、吸入治療でも改善が見られない場合は、症状が悪化する前に主治医の診察を受けましょう。
  手足口病 
手足口病は、ウイルスが原因の夏から初秋にかけて流行する病気です。子供特有の病気ではありませんが、唾液などからの接触が感染経路となるため、おもちゃなどを共有することの多い子供達によく見られる病気です。主な症状としては、痛みの強い口内炎、手のひらや足への発疹が見られます。大部分の発病者は軽い症状のまま数日で完治しますが、まれに脳炎その他の合併症が起こる場合もあります。ウイルス性の病気のため、特効薬はありません。
  中耳炎 
病院に連れて行くまでにできる、耳の痛みの緩和方法としては、痛み止めの飲み薬(AcetaminophenまたはIbuprofen)を飲ませるか、もしくは耳を蒸しタオルなどで温めてください。
  熱性痙攣 
ひきつけを起こした時は、飲み薬(AcetaminophenまたはIbuprofen)か下剤を使い、熱をできるだけ早く下げ、念のため主治医に連絡を取り、診察をしてもらうことをお勧めします。。
  シラミ 
子供の学校でシラミが発生し、我が子の頭にシラミを見つけて慌てふためく親御さんが意外に多いようです。シラミの治療に必要な液体薬は、ドラッグストアで購入できます。乾いた髪の毛と頭皮にたっぷりつけて10分程待った後、洗い流します。その後、目の細かいくしを使いシラミの卵を取り除くことも大切です。7〜10日後に再度同じ処置をすることが再発の予防となります。
  風邪/インフルエンザ 
熱のほとんどはウイルス感染と考えて良いと思います。3カ月以上の赤ちゃんが104.5度(摂氏40度以上)を超える熱を出した場合、発熱から5日経っても熱が下がらない場合は特に緊急を要します。3カ月以下の赤ちゃんが100.4度(摂氏38度)以上の熱を出した場合もすぐに主治医の診察を受けるか、近くのERや緊急病院を利用してください。2歳以下の子供が熱、耳の痛み、不眠、食欲不振などの症状がある場合は、中耳炎かもしれません。呼吸困難に陥った場合は、体温にかかわらず医師の診断が必要です。腹痛や嘔吐(下痢はなし)を伴う熱は、尿道感染症や扁桃腺の腫れが考えられます。また、首や頭を動かせない場合は、重度の髄膜炎である可能性があります。いずれにせよ、すぐに医師の診断を受けてください。



ポートランド 小児科医 ルース真理さん 話/小児科医 ルース真理さん

2010年、同じく小児科医である夫と共にオレゴン州、ビーバートンに日・英バイリンガルの小児科医を開院。2児(2歳と4歳)の母でもある。子供の健康に関する悩みや疑問にEメールや電話で相談に応じている。同じビル内にデイ・ケア施設もあり。

The Doctors Luce Pediatrics, LLC 
tel503-713-5330 www.thedoctorsluce.com



シラミ(Lice)は季節に関係なく発生し、たとえ清潔にしていても子供の間で感染するそうなので、パニックになったり恥ずかしがることはありません。と今は言えますが、私も当初、当時8歳の子供の髪の中から小さな虫が現れ、フケだと思っていたのがシラミの卵とわかった時は、卒倒しそうになりました。


▲シラミ駆除専用のクシがドラッグストアで見つからない場合は、ノミ取り用のクシをペットショップで買っても可
子供の頭がシラミ生息地と知り、取り乱してドラッグストアへ。棚にあるシラミ駆除の関連商品を全て購入したい衝動に駆られるも、ぐっとこらえて薬剤師に尋ねると「Permethrin」という成分が入ったものが効くんだとか。シャンプーは普段使っている物でOK。コンディショナーは使わず、タオルドライの後、薬の入ったシラミ取り専用トリートメントを目の細かい専用クシを使って頭皮と髪全体になじませ10分置いてからよくすすぎます。そして子供をテレビの前にでも座らせ(静かにさせるため)、子供の頭が見やすいよう自分のあご辺りに高さを調節。髪をブロックに分け、丁寧にとかして成虫と卵を駆除……のはずが、卵は全く取れず目の前は真っ暗に。1個1個が糊付けされたようにがっちりと髪の毛に着いており、クシで取れるのはせいぜいシラミの成虫といったところ。卵が小さ過ぎてクシの目に引っ掛からないので、卵の付いた髪を毛抜きでつかみ、しごくようにして取ってはウェット・ワイプで卵を拭き取り……の駆除作業が初日は2時間。とにかく骨の折れる緻密な作業ですが、取れた卵の粒を見ると妙な達成感が。1週間トリートメントと駆除作業を続けてもまだ卵があるようなら、さらに継続します。

卵が孵化するのに1週間。成虫は1日5個の卵を産む……ということは1カ月で150個! そう思うととにかくやるしかありません。「しらみつぶし」という言葉はここからきたのか、と納得したシラミ駆除体験でした。子供が頭を痒がったり、フケ症になったと思ったらよく観察を! 
(話/背筋が凍った母)
*情報は2012年4月時点のものです