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家庭&学校での問題や親子の関係の改善法


現代の小中高生は今まで以上に学級集団の中で生じるピア・プレッシャー(仲間の圧力)を経験しています。さらに、ソーシャル・メディア(フェイスブック、ツイッターなど)の影響により、友達との交流の仕方が大きく変わってきました。個人と個人、個人と団体の情報交換が、ウェブ・サービスを経由することによって新しいコミュニティーができるのです。そのコミュニティーは親の目から隠れていて、年齢に不釣り合いな情報があふれている場所です。

以前は、いじめや友達関係などの問題は多くの場合、学校という限られた場所でのことでした。しかし、現代の子供達は携帯電話やインターネットを通して、家にいる時でさえこれらの問題から離れられないのです。さらに親の離婚、再婚、経済的困難、引っ越しによる転校など家庭の事情も子供達の情緒不安定に繋がっています。この、情報にあふれている環境で子育てをするには、今まで以上に親子間のコミュニケーションと信頼が必要になります。 子供達は自分が直接関わっていないことでも、友達が関わっている不適切な友達関係、異性交流、いじめ、ドラッグや未成年飲酒に心を悩ませています。子供が安心して親にこれらの話をできる環境を作ってあげるには、親自身が自分の不安や緊張感を乗り越えて、まず自分から子供に対してオープンになってください。

アメリカで子育てをする日本人は、学校やほかの親達とのコミュニケーション表現の違いに直面するかもしれません。子供の学校や友達関係で問題が生じた時、先生や子供の友達の親から細かい気配りや相談を受け身の姿勢で待つのではなく、積極的に話し合いをして問題を解決していきましょう。親が子育てのストレスを子供にぶつけてしまうことが多々ありますが、前向きな考え方の友達と話す、趣味を持つ、カウンセリングを受けるなど、親自身が健康的な精神状態を持ち、ポジティブな親子関係を培いましょう。

ソーシャル・ワーカー、カウンセラー 竹本ギラム百合香さん 話/ソーシャル・ワーカー、カウンセラー 竹本ギラム百合香さん

日本で老人ホームを経営する母の影響で社会福祉の道へ。ワシントン大学でソーシャル・ワークの学士号と修士号を得た後、シアトル周辺の各総合病院で入院病棟と緊急病棟のソーシャル・ワーカーとして経験を積む。以後独立し、子供から高齢者までの精神面のカウンセリングや高齢者と家族の介護計画を援助している

Yurika Takemoto Gillum, MSW, LICSW/ Mindful Therapy Group
tel 206-617-2071 www.mindfultherapygroup.com


子供の日本語力をキープさせるために必要なことは?


子供が小学校に入学すると英語での会話が多くなり、小学3、4年生にもなると母親が日本語で話し掛けても英語で返事が返ってくる、といったことをアメリカで子育てをされている多くの方が経験されていると思います。子供の周囲の環境はすべて英語、唯一日本語を話すのは母親だけとなると、子供の脳はだんだん「日本語を話す理由がない」と認識してきます。そのような環境下では、日本語力を保持するため意図的に「日本語を話す理由付け」をする必要があります。
高校生や大学生であれば「将来日本に留学する」など、目標をかなえる手段として日本語を勉強する理由付けができるようになります。しかし幼児期は、日本語を話すことと将来の夢を結び付けるのは難しいので、その場合は「そういうもんなんだ」と思わせるのがいちばん良いでしょう。「お母さんとは日本語で話す」というルールを幼いうちに作ってしまうことが大切です。それを家庭のルールにすることで、子供の脳にしっかりと日本語を話す理由ができます。理由があれば、子供の言語能力は自然に発達します。

もうひとつ「日本語を話すと良いことがある」ということも、理由付けのひとつになります。例えば「日本語を話すとお母さんに褒められる」「お母さんが喜ぶ」などは、子供にとってとてもうれしいことです。「日本語を話さないとつい怒ってしまう」こともあるかと思いますが、これだと日本語に対してネガティブなイメージを持ってしまうため、脳は日本語の言語能力を発達させようとはしません。

そういう時期をすぎて、日本語をあまり話さなくなってきたお子さんには、家庭教師など定期的に家族以外の人と日本語でしか話せない時間をつくり、理由付けをしてください。その場合、日本語を話す量ではなく、継続的に日本語でしか話せない時間を生活の一部にすることが大切です。そうすることによって、子供の脳は日本語を使う理由を再度見つけ出してくれるはずです。



海外子女オンライン・スクール運営 荒野浩克さん 話/海外子女オンライン・スクール運営 荒野浩克さん

コロラド大学を卒業後、三菱自動車にて勤務。2007年より、「世界の架け橋になる仕事を」と、世界中のどこからでも授業を受けることができるオンライン・スクール、ベスト・ゼミナールを設立。完全担任制による、マンツーマン指導を実施する。

Hirokatsu Arano / Best Seminar 
tel 206-965-8117 www.best-semi.com

*情報は2012年4月時点のものです