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ハワイのおすすめ観光名所・レジャー情報

KIYOのアメリカ漫遊記

文・KIYO
希望に満ちた将来を模索してやまない現役女子大学生KIYOが、アメリカのさまざまな地を訪れては、自分自身を一歩いっぽ前進させる旅エッセイ。

KIYOハワイ

ポリネシア文化センター

私にとって初のハワイ旅行は、大学2年生になったばかりの春。カンカン照りの元気な太陽と青々としたエメラルドブルーの海の下、「南国のパラダイス」はゆっくりと流れる心地いい時と優しい風で、私を迎えてくれました。

ハワイへ行くきっかけは、チューターのアルバイトをしていた当時のアルバイト仲間との間で突如浮上した、初海外旅行計画。もちろん資金は私達がいただいたアルバイト料からだったので、出発日を決めてからというもの、私達の生活の大半はハワイを十二分に満喫するためのプラン作りに注ぎ込み、テレビで見たあの美しいハワイに思いを焦がしていました。この旅の最大目的であった「ハワイの大自然に触れる!」をコンセプトに、私達の練りに練った夢のハワイ・プラン。そんな寝ても覚めてもハワイ一色だった楽しい楽しい月日もまた、私にとってかけがえのない思い出の1ページです。

最高の収穫は、オアフ・ビーチからバスで30分程の場所に位置するポリネシア文化センター。その施設で日本人アルバイトの女性と出会ったことで、私は新しいハワイの顔を知りました。彼女に案内され、ポリネシア先住民の習慣や風俗、そして生活の知恵などを学んだり、彼らが編み出した工作に挑戦したり、伝統料理に舌鼓を打ったり。また、彼らの繰り広げるファイヤーダンスや民族ダンスのパフォーマンスも圧巻。訪問者へ先住民の誇りと名誉を伝えること、そしてこれらの貴重な文化を保護することを目的で創られた、体験学習型文化センターでした。

私の出会ったこのガイドさんは、この施設に隣接されている大学に通う現役大学生。彼女は私に、ここを訪れた人が払う入場料などの一部がポリネシア先住民達のために役立てられていること、ここでパフォーマンスをしている彼らの多くはポリネシア圏で育ち、そして毎日感謝しながら大学へ行っていること、この施設を訪れ見に来てくれる訪問者に披露しているパフォーマンスは彼らの誇りであることを教えてくれました。

私は、ポリネシア先住民、そして異文化交流の掛け橋となっているこの施設について彼女から知ることで、自分の国の文化や生活習慣の尊さ、そして同じ学生として輝いている彼らの姿から、とても素敵なエネルギーをもらうことができました。

キドキのスキューバ・ダイビング

ハワイでの最大の目的のひとつであったスキューバ・ダイビング。海の中を人魚のように、たくさんの魚と泳ぐダイバーの姿を目にして以来、潜らずには日本に帰れない!と思い続けていた私は、ハワイへ着くなり目をつけておいたツアーへ早々に申し込み、準備万端。日に焼けることを嫌い、海には行かないと決めていた私がルンルンで持参した水着と高価な水中カメラは、もちろんダイビングのため。

当日のピック・アップが早朝だったにもかかわらず、ホテルからマリーン・ショップへ向かうバスの中、私の気持ちは海、海、海。海中で出合うであろう色鮮やかな魚の群れ、そしてハワイに生息する巨大海ガメとの遭遇を想像しながら、目的地まで揺られて行きました。

潜る前にすべきこと。準備体操! と言いたい所ですが(もちろんしなきゃですが)、まずはウェア選び。いくら気温が高いとはいえ、酸素ボンベを背負って1時間弱海水に浸るため、自分に合ったサイズのウェアを装着するのはマスト! ってなわけで、装着用具(ウェア、ゴーグル、そして足ヘラ)をあーだこーだ言いながらようやく選び終わったかと思ったら、次に指導されたのが、基礎呼吸の仕方と合図の確認。会話ができない水中で、唯一頼りになるのがこの合図。水面に上がりたい時、もっと深く潜りたい時、そして調子がいいな時とそうではない時。この4つの基本合図と口から吸って鼻で吐く呼吸法。30分掛かったのか掛からなかったか、そんなこんなで講習会は終了~! この時の私には、まだ余裕がありました。

それもそのハズ、幼稚園から中学校くらいまで(特に小学生の時)水泳選手並みにバリバリ泳いでいた私。プールと海は変わらない同じ水の中だ、と思いこんでいた私は何も臆することなく、出発する小型ボートへと乗り込んだのです。

しかし事態は急変! 余りにも小さ過ぎたボートとひどい波の揺れ、そしてあまりにも興奮し過ぎた自分のコンディションがタダ事ではないと感知した私の脳からのSOSの指令。そしてトドメは、踏んだり蹴ったりの状況にあっても、今さら引き返すことなんて不可能だと言わんばかりに耳障りなうるさいエンジン音。沖からダイビング・ポイントへ行くたった20分の間に、私の異常なまでの興奮と喜びはすっかり消え失せてしまいました。

どうにかこうにかして着いたダイビング・ポイント。私の予想とは裏腹に、エンジンを止めてまでも波のせいで何となく揺れているボート。余裕をこいて受けた呼吸法と合図を確認する間もなく、ただボートに立ちつくしたままの私に装置を装着し始める2人の添乗員。そして次の瞬間、気付いたら私は海へと放り投げられていました。

恐怖に襲われたのは、水面でぷかぷか浮いている時。通常通りに鼻で息をしたいのに、口で吸うと大量に出てくる酸素。すっかり訳のわからなくなってしまった呼吸法にひとり焦りまくり、ますます呼吸困難!?に。ちょっと落ち着けば何てことはないことなのに……なんて言えるのは後になって振り返るからこそ。あの時の私にはそんな余裕なんてあるハズもなかったんですから。

私の足下には夢にまで見た魚の群れがいるのに~って半べそをこいてた私の足の裏に何かが触れたその次の瞬間、自然と水中に顔をつけていた私。そのあまりにもきれいで美しい色をした魚を見た瞬間、呼吸ができないとべそをかいていたさっきまでがまるで幻火のように、私はスイスイと海中深くまで潜っていったのでした。

海底でのことを表現するとすれば、それは神秘。出合うことができた幻の巨大海亀や、添乗員の方が割ってくれたウニを持ったと同時に群がった魚の数と華麗さ。浦島太郎の言っていた竜宮城に、私も巡り合えた瞬間でした!

マウナケア火山

ハワイで訪れた2つの神秘。それはビック・アイランドに位置するキャラクターの異なるふたつの山の存在。富士山よりも高くそびえ、無限もの星を支配しているマウナケア火山と、計り知れない高熱を持つマグマに真近で触れ合えるキラウェア火山。今回は、マウナケア火山についてご紹介します。

圧倒的な存在感を持つマウナケア火山は、たとえ地上が悪天候でも99%の確率で晴天が保証されている山の頂上はまるで、雲をも自分の支配下に留めているかのよう。高山なために起こりうる呼吸障害を制御するために、私の参加したツアーでは15歳以下の参加者への登上の制限と、万が一のために常備されていた酸素マスク。まるで天という名の別世界に行き、手に届きそうな無限の星を真近で観察できるこのツアー。高山に登ることが初挑戦だった私は、期待と不安を胸に参加しました。

高山病を避けるためにと、山の中腹で1時間ほどの夕食を兼ねた休憩を取って体を慣らした後、頂上に行くにつれて生じる気温の低下への対策として、ハワイには到底相応しくもないほど厚手で足の先まで覆われるほど大きなダッフル・コートと、十二分なほど大量の水の支給。どれほど本格的な登山だったか、ご想像いただけますよね? 

ワゴンに揺られること2時間弱。初めに頂上まで登り、オレンジ色に輝く大きな大きな夕日が沈むのを感動と共に見た後、下山の途中に位置するツアー・ガイドさんオススメの星を観察するのに絶好といわれるポイントで止まり、星が姿を出し始めるのをまだかまだかと待ち続けること……ついに一番星を発見! その後に続く溢れんばかりの星の結晶は私の目にはとても眩しくて、寝転がって何時間でも見入ってしまいまいた。

そしてもうひとつ感動的な出来事。私はこの日、初めて流れ星を(しかも5つも!)見られたこと! 一生のうちで、あんなにたくさんのキラキラした星に贅沢にも巡り合えたこと、私は体の中に本物の輝きを取り込むことができました。

キラウェア火山

今回は、現在でも数年に一度火柱を舞い上げることで有名な世界最大級の火山であるキラウェア火山をご紹介します。

ハワイの人に受け継がれている火山の女神「ペレ」伝説によると、1000℃以上の溶岩の熱とエネルギーを持つキラウェア・カルデラの山頂「ハレマウマウ火口」は、女神ペレの住む場所のひとつと言われており、噴火による激しい傷跡は、恋人を奪われて嫉妬した女神ペレが放った火であると語り受け継がれています。

ユネスコ世界遺産にも指定されているキラウェア火山を始めとするハワイ火山国立公園を訪れた時に、初めて感じる彼女の強烈な存在。優しくて穏やかと称されるキラウェア火山の持つ、激しくて活動的なもう一面の顔が記録された噴火の映像をビジター・センターで見た後、ついに溶岩近郊へ行き、驚異的なエネルギーを秘めゆっくりとしたスピードで動いているマグマと対面しました。

真っ黒でゴツゴツした溶岩の上をハイキング靴なくしては行けないため、サンダルを履きたい気持ちを抑えて靴下に運動靴を装着、そして大切な補給水にタオルを準備。活動しているマグマを見られるポイントへ行くまでに感じられた熱気のすごさと熱さ。それが自分の心拍数の高鳴りと合った瞬間は、まるで私の心臓が熱く、マグマの存在を感じ取ったかのような錯覚に。

黒い溶岩の下で赤黒く光り、ボコボコした溶岩の形を繰り出していたマグマの熱さは、普段の生活の中で感じるコンクリートの照り返しからのムシムシとした暑さの力量を優に上回っていて、数メートル離れている場所にいながらにしてその高温と熱力を、体と汗で感じることができました。