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元気を与えるシラー(赤)

2007年05月掲載
ワインのある暮らし

Novelty Hill Syrah Columbia Valley
今月のワイン
Novelty Hill Syrah Columbia Valley 2003
$20
ポートランドのホーソーン・ディストリクトにあるワイン専門店「Mt. Tabor Fine Wines」にて購入
■Mt.Tabor Fine Wines
http://mttaborfinewines.com
■Novelty Hill
www.noveltyhillwines.com

今回はふらっと立ち寄ったワイン専門店で何気なく選んだ1本、ワシントン州産赤ワイン「NOVELTY HILL」のシラーを紹介します。シラーは、フランス・ローヌ地方生まれのスパイシーかつリッチな味わいが魅力のぶどう品種。ワシントン州では比較的新しい品種ですが、ここ数年で栽培面積が急激に増えていて、ただ今人気急上昇中の赤ワインです。

ワシントン州はカリフォルニア州に次ぐ、アメリカ第2のワイン産地。1日17時間も太陽が照り付ける夏、北極からの寒気が何カ月も続く冬、と独特の気象条件を持っています。州内にはワイン指定栽培地域が9カ所あり、中でも規模の大きいコロンビア・バレーに「NOVELTY HILL」のワイナリーがあります。フランスのワイン名産地、ボルドー地区とほぼ同じ緯度に位置し、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、そしてシラーの優良な産地として国際的にも評価が高いコロンビア・バレー。夏の長い日照時間がぶどうの果実味を増やし、夜間の急激な気温降下が糖分を高め、自然な酸を豊富に蓄えます。そんなぶどうから生まれるワインですから、どれも上質で注目を集めているんですね。

さて、この「NOVELTY HILL」のシラーをまずグラスに注いでみると、思わず見入ってしまうほどの深い、深い色合い。ワインというより、「ぶどう酒」という呼び名が似合いそうな色とつや感。そしてほんのりとブラック・ベリーとプラムのアロマがします。味は複雑で奥行きがあり、ぶどうの濃厚さを感じる少しパンチのある飲み口。それでいて後味はとてもスムーズ。まるで、朝いちばんにていねいに入れられたコーヒーを飲んだ時のような、爽快感と満足感を味わえるワインです。

ワインは人間と同じでいろんな個性を豊かに持った飲み物なんだなぁと、つくづく思います。だからこそ、その日の気分によって同じワインでも味が微妙に違って感じられるのかもしれませんね。うれしい時に飲むと、そのハッピーな気持ちをさらに盛り上げてくれるようなワインがあるように、この「NOVELTY HILL」のシラーには、人を元気付けるパワーがあるように思います。ちょっと気力のない時に背中をぽんっと押してくれるような、そんなワインなのです。       

ChoCho:
オレゴン州ポートランド在住。ビールも甘いカクテルも好きだが、仕事から帰宅後にまったりと家で飲みたいと思うのはいつもワイン、という主婦兼OL。毎日飲むものだから安くておいしいワインが理想的と、ブランドや銘柄にこだわらず、気取らず気持ち良く飲めるワインを日々探し求めている。またワインと一緒に食べたいおつまみレシピも研究中。