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デカンタして飲みたい赤ワイン

2008年10月掲載
ワインのある暮らし

2006 Sofia Blanc De Blancs
今月のワイン

Tilia Malbec Syrah 2006
Mendoza Argentina
価格$10
ポートランドのワイン専門店
「Mt Tabor Fine Wines」にて購入

■Mt Tabor Fine Wines
mttaborfinewines.com

ワインを飲み、いろんなことを知るにつれて、ワインをもっとおいしくしてくれる飲み方があることも知りました。そのひとつが「デカンタ」。赤ワインをボトルから三角フラスコのようなグラスに移し入れ、飲むまでに少し時間をおくことです。もともとのデカンタの目的は、ボトルの底にたまった澱などをほかの容器に移し替えることで、ワイン・グラスに入らないようにするためですが、その作業は、ずばりワインもおいしくしてくれます。ワインを大量の空気に触れさせることで、酸化を一気に進行させて香りを開かせ、タンニンを和らげる効果があるのです。つまりデカンタをすれば、まだ若いワインでも、覚醒させ味わいをふくよかにすることが可能です。デカンタ後の放置時間は、そのワインの種類にもよると思いますが、だいたい飲む数時間前から行うのが一般的です。休日に友人を呼んでおもてなしする時は、事前にデカンタしておくと良いですね。
さて、今回デカンタしたのはアルゼンチン産の赤ワイン。アルゼンチンで最も有名な赤ワインぶどう種のマルベック50%、シラー50%でできており、ベリー系のフルーツを思わせるアロマが印象的な、甘く濃い味わいの1本です。マルベックといえば、豊潤な香りでタンニンも強く、ほかの赤ワインに比べてポリフェノールも多いそうです。実は、デカンタする前にほんのひと口だけこのワインを飲んでみました。このままでもわりと飲みやすかったのですが、デカンタ後のワインは空気を含んでかなり和らかくなり、アルコールのにおいが良い具合に飛んでいました。
私は、デカンタして飲むまでの2、3時間を待つひと時もとても好きです。途中で飲みたい気持ちをぐっと我慢して、デカンタ・グラスの周りで放っているワインの、良いにおいだけを楽しむのです。飲む前の時間もまた、そんなふうにこれから飲むワインがおいしくなっていることを期待しつつ楽しんでみましょう。
私にとってワインとは、ビールのように一気にがぶがぶ飲むものでも、喉の渇きを潤すために飲むものでもなく、ゆっくりとその味わいと香りを楽しむためのもの。まろやかに変わってくれたワインは、デカンタに掛けた時間と同じくらいの時間を掛けてゆったり飲むのがいちばんです!

ChoCho:
オレゴン州ポートランド在住。ビールも甘いカクテルも好きだが、仕事から帰宅後にまったりと家で飲みたいと思うのはいつもワイン、という主婦兼OL。毎日飲むものだから安くておいしいワインが理想的と、ブランドや銘柄にこだわらず、気取らず気持ち良く飲めるワインを日々探し求めている。またワインと一緒に食べたいおつまみレシピも研究中。