面白いほどよくわかる 2012 大統領選挙〜どうなる? アメリカ大統領選挙リターンズ〜
アメリカ建国以来、初の黒人系大統領が誕生して早4年。任期満了を迎える2012年、再び決戦の火ぶたが切られる! 政治学の専門家が米大統領選挙をわかりやすく解説。 文/佐々田博教 |
|
★ 第4回 財政赤字が選挙に与える影響 今回の大統領選挙の最も重要な争点として挙げられるのは、経済問題でしょう。世界経済が長期間不況に苦しんでいる理由のひとつに、ヨーロッパでの金融不安があります。ギリシャなどの国が深刻な危機に陥った主な原因は、これらの国が巨額の財政赤字を抱えていることです。財政赤字は、簡単に言うと政府による借金。政府の支出(公共事業費、社会保障費、国防費など)が収入(税収)を上回った場合に生じた財政赤字を穴埋めするために、政府は国債を発行し資金を調達します。 |
|
|
人種問題への関与 今年2月にフロリダ州で起きた黒人少年射殺事件によって、再び人種問題に注目が集まっています。2009年にオバマ大統領が、史上初の黒人系大統領に就任した際には、アメリカ社会に存在する見えない壁(Glass ceiling)が打ち破られたかと思われました。オバマ大統領はアメリカ社会の融和を訴え、不法移民が市民権を取得することを可能にすることや、犯罪捜査における人種差別の撤廃などを実現することを公約していました。しかしそれらの公約はいまだに果たされず、これまでオバマ政権において人種問題に関して目立った進展はありません。これはオバマ大統領が黒人などのマイノリティーに肩入れし過ぎると、白人層からの支持を失ってしまう可能性もあり、ある程度の距離をおく必要があるからとも考えられます。今後オバマ大統領が人種問題にどれだけ踏み込めるかが注目されます。
|