第20回「PMPH」
パートマン・パートホース(PMPH)は、2005年1月に結成されたシアトルのローカル・バンド。1月と言えば、テンペル第1彗星の調査のためにNASAの宇宙探査機「ディープ・インパクト」が打ち上げられた月だ。ディープ・インパクトのミッションが、彗星に子機を衝突させて情報を収集することだったなら、PMPHのミッションは彗星目掛けたサテライトのようなエネルギーと精神をもって、若者達に刺激や喜びを与えてしまおう!といったところだろう。
PMPHの音楽はというと、これがひとつのジャンルに抑え切れない。彼らの音楽はパンクとも呼べるが、普通のパンク・バンドやインディー・ロック系のバンドよりも冴えている。つまり、楽しくてセクシーなロックンロールが好きなら、きっとPMPHが大好きになるだろう。それというのも、PMPHはドラッグ、セックス、警察関連など現代の若者が直面する問題を歌っているからだ。もちろん、時折出てくる観客との“ハイ・ファイブ”も忘れちゃいけない。
PMPHのライブを見に行けば、ほぼ必ずと言っていいほどハイ・ファイブがある。そう、あの腕を上げてバチンと手を叩き合うあれだ。例えば、そんな風にPMPHはライブで、非常に惜しまれつつもなくなっている要素をステージに生き返らせてくれる。その熱烈さ。残念ながら、最近は「こんなライブを見に来るために、安くビールが飲めてトイレに行くのにも並ばなくて済む我が家をわざわざ出て来たのかぁ」と思わせるような、信じられないほどつまらないライブをしているバンドもいる。しかし、PMPHは壮観さをステージに戻してくれるバンドだ。特にリード・シンガー、ゲリーと観衆とのインタラクションがすごい。前列で見ている観客は、パフォーマンスの一部にならざるを得なくなることがよくある。そんなバンドと音楽と観客とのつながりが、ライブを見に出掛けること、そして音楽を感じるということなんじゃないかと僕は思う。
8月にはPMPHのデビューCDがリリースされるので、自宅でもチェックしてみるといいだろう。ココナッツ・クールアウツやアンナチュラル・ヘルパーズ、オールドタイマーズとのコンピレーション「Black Garfield」にもPMPHは参加している。
ウェブサイトでは、PMPHの詳細(www.myspace.com/partmanparthorse)や、リード・シンガーのゲリーが撮る見事な写真(www.smokyshots.com)が見られる。
kvn & june
ボストン出身で睡魔、シアトルでのライブ観賞、新しい音楽を探すことが楽しみのサウンド・アーティスト・kvnと、東京出身の翻訳家・juneのカップル。ふたりが飼う猫の大好物は、カツオブシとロック。 |
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