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日系人コミュニティーに嫁入り

アメリカの日系人家族に嫁いだ花子の目から見た、彼らの日常、不思議、感動を紹介するほのぼのエッセイ。

文/松乃井花子


第18回 夫とバイク

夫はバイクが大好きです。
車で外出して、帰って来て車庫入れする時に、車庫にある自分のバイク(いつも丁寧に磨かれていてピカピカ)に数秒見とれるくらいです。そのため休日の大半はバイクのメンテナンスに費やされます。タイヤ交換だのオイル交換だの、いろいろやることがあるそうです。バイク仲間も多いので、休日、花子家の車庫はとてもにぎやか。
ある夜、バイクの給油に行ったガソリン・スタンドで、バイクがパンクして困っていた男の子を家に連れて来てパンクを直し、仲良さそうに車庫で話していたのにはびっくりしました。また別の日には、モンタナからやって来ていた若い男の子達にガソリンを買ってあげたりもしていました。いつか誰かにだまされやしないかと、とても心配な花子です。
そんな訳で今回は夫とバイクの話です。

日本の白バイ
日本の、全国白バイ安全運転競技会のDVDを借りる機会がありました。
白バイ警察官が、男女問わず800ccのバイクを自由自在に操っている様子に夫は感動。言葉もわからないのに何度も黙々と見ていました。
夫のバイク仲間にも見せたのですが、
「女性警察官さん達、とてもかわいいなぁ」
と、全く関係のないところを見ている人もいました。

1,800マイルのバイクの旅
夫の祖父は自動車修理工でした。
戦前、祖父は修理工になるために、オレゴン州のポートランドから、ミズーリ州のカンザス・シティーまでバイクで行きました。
地図で調べると、その距離は1,800マイル。休まず車で走ると、約1日と2時間掛かるようです。その頃は、今ほど道もできていないはずだし、ガソリン・スタンドやホテルもなかったはず。それなのに、バイクで旅立った祖父はすごい!
 無事に修理工になり、ポートランドで修理工場を始めた祖父ですが、第2次世界大戦の時に強制収容所に連れて行かれてしまい、その時に修理工場も政府に取り上げられてしまいました。
夫は、その修理工場のマッチと、工場の前で撮影された祖父の写真を、今も大事に持っています。

心機一転、カリフォルニアで
強制収容所を出た後、祖父はカリフォルニア州に移り、祖母の弟と一緒にまた修理工場を始めました。
祖父が退職した後は、祖母の弟が修理工場を続けていました。祖母の弟も、今は修理工場を譲って引退したそうですが、現在もその修理工場は操業しています。
この、祖母の弟には、ファミリー・リユニオンで会ったことがあるのですが、その時は祖父と修理工場をやっていたなんて知らなかったので、今度会った時はその頃の話を聞けたらなと思います。

バイカーの血筋
私は、1度だけ夫のバイクの後ろに乗せてもらったことがあります。たった時速35マイルなのに、車で走るのに比べると数倍の体感速度! かなり恐かったため、もう2度と乗ることはないと思います。明らかに、私にはバイカーの血は流れていないようです。
祖父のバイカー魂を引き継ぐ夫には、安全運転を心掛け、末長くバイクを楽しんでもらいたいです。

 

松乃井花子:日系4世の夫との結婚生活3年目に突入。そうじもアイロンがけも裁縫も、ひとり暮らしが長かった夫のほうが上手。 趣味は、筋トレ命の夫と一緒にジムに行くこと。最近は二の腕を鍛えるのにハマっている。好きな食べ物はオムライスとナポリ タン(ケチャップが好きなんですよ!)。ちなみに夫は、ご飯やパスタにケチャップで味を付けるのが理解できないらしい。