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アメリカの社会保障制度

ソーシャル・セキュリティー □年金を受け取るには □アメリカの医療保険 □アメリカの失業保険

ソーシャル・セキュリティー
ソーシャル・セキュリティー・カードソーシャル・セキュリティー(SS-Social Security)は、米国政府が行っている社会保障制度だ。基本的には、米国内で就労して得た収入からソーシャル・セキュリティー税を受給資格を満たす年数納めると、年金(Retirement)などの社会保障を受けることができる。加入するためにはソーシャル・セキュリティー・オフィスにてソーシャル・セキュリティー番号(SSN-Social Security Number)を取得しなければならない。

ソーシャル・セキュリティー・オフィスで、ソーシャル・セキュリティー番号申請書(SS-5)、パスポート、労働許可証など身分が証明できる書類を提出すると、ソーシャル・セキュリティー番号が記入されたカードがもらえる。交付は無料。カードを紛失した場合、必要書類を提出すれば再発行してもらえる。オフィスの総合インフォメーションはTEL:1-800-772-1213まで(ウェブサイトはwww.ssa.gov)。最寄りのソーシャル・セキュリティー・オフィスの場所を調べたい時は、www.socialsecurity.gov/locator/にアクセスし、ZIPコードを入力すると表示される。

数年前から就労許可のない外国人はソーシャル・セキュリティー番号が取得できなくなった。例えば学生は、学校内で働く許可と、雇用責任者の署名など必要書類がないと申請できないことになっている。ソーシャル・セキュリティー番号がなくて運転免許証を取得する場合は、ソーシャル・セキュリティー・オフィスで「ソーシャル・セキュリティー番号所得資格のないことを証明する書面」を発行してもらうと免許証の申請が可能になる。


年金を受け取るには
2004年2月に日米両国での年金加入期間を通算できる日米社会保障協定が結ばれ、2005年10月から発効している。これにより、日米両国での年金を納税する二重加入の問題と、米国での納税期間が満たないために受給資格がないという保険金掛け捨ての問題が解消された。アメリカの年金を受け取るためには、アメリカの年金加入期間(1年6カ月以上)と、重複する期間を除く日本の年金加入期間とを通算して10年あればよい。ただし、アメリカの年金加入期間は必ずしも就労期間と一致せず、収入額によって決まるので、個人ごとに確認が必要。退職年金を満額で受け取れる年齢は、2006年9月現在、段階的に67歳まで引き上げられることが決まっている。請求は最寄りのソーシャル・セキュリティー・オフィスで行う(オンライン申請もできる)。

日本の企業の駐在員などで、アメリカでの滞在期間が5年以内と決まっていれば、引き続き日本の年金と医療保険に加入している限り、ソーシャル・セキュリティー税を納める必要はない(ただし、派遣直前に日本で6カ月以上継続して勤務していること)。また、2001年から海外で受けた診療にも日本の医療保険が適用されるようになっている(証明書類の提出が必要)。ソーシャル・セキュリティー税の免除を受けるには、一時的滞在であることを証明し、日本の社会保険事務所で「適用証明書」を発行してもらう。申請により証明期間の延長も可能。社会保険庁のウェブサイト(www.sia.go.jp)で詳細を確認できる。


アメリカの医療保険
アメリカの公的な医療保険としては、65歳以上の高齢者や身体障害者向けの医療保険制度であるメディケア(Medicare)がある。入院用の保険の掛け金は、本人または配偶者がソーシャル・セキュリティー税を最低10年払っていれば免除されるが、外来診療用の保険は月々の支払いが必要。外国籍の者でも、合法的に5年以上アメリカに滞在していれば、どちらのタイプの保険も定められた掛け金を支払うことで利用できる。運営資金には、この掛け金のほか、会社員の給料から天引きされる連邦税やソーシャル・セキュリティー税の一部なども充てられている。保険控除額(Deductible)と被保険者負担分(Co-pay)の比率は年によって変動する。2005年3月には、喫煙を原因とした病気を持つ高齢者に限り、禁煙のためのカウンセリングや薬品も保険でカバーできるようになった。また、2006年1月から処方箋薬もカバーされている。低所得者向けには、連邦政府と州政府によって運営される医療扶助制度、メディケイド(Medicaid)や、ワシントン州居住者のためのベーシック・ヘルス(Basic Health)、オレゴン州居住者のためのオレゴン・ヘルス・プラン(OHP)がある。

それ以外の人は民間の医療保険に加入するしかない。保険によって、保障される病気の種類、医療機関の指定、加入者負担の割合、控除額など、内容は千差万別なので、自分の加入している保険の内容をよく知っておく必要がある。医療を受ける時には必ず加入した機関の保険証を持参。医療機関が保険会社に直接医療費の支払いを請求する場合は、保険会社からの支払いがあってからその差額が患者に請求される。患者が直接保険会社に請求する場合は、医療機関からの医療費請求書と保険会社専用の保険請求用紙を保険会社に送る。日本と違い、妊娠・出産に関しても医療保険が適用されるが、歯の治療はカバーされないので、別途歯科保険に加入する必要がある。医療保険、歯科保険のどちらも、会社や学校を通してグループ保険に加入するのが普通で、主なタイプは下記の通り。

Preferred Providers Organization(PPO)
医師や医療機関がひとつのネットワークになっていて、このネットワークに加盟している医師や医療機関にかかることで、低コストで診察・治療が受けられる。しかし、ネットワーク外の医師への医療費はカバーされない(されても負担額が大きい)などのデメリットがある。

Health Maintenance Organization (HMO)
保険会社と提携したネットワークの中から自分の指定医(PCP:Primary Care Physician)を決めるタイプ。専門医に診てもらうには指定医の紹介が必要で、ネットワーク以外の医療機関には保険が適用されない。

Indemnity Insurance Plan
基本的にどの病院・医師でも診察を受けることができるが、完全な補償(Indemnity)から、管理型補償までいろいろなタイプがある。前述の2つに比べて保険料は高額。


アメリカの失業保険

アメリカでの失業保険(UI:Unemployment Insurance)は、事業主が州に対して100%税金を支払う。失業した場合、ワシントン州では雇用保険局(Employment Security Department)内の失業保険事務所で手続きを行う。申し込みは、エ1-800-318-6022、http://go2ui.comまで。申し込みをした最初の週(Waiting Week)を過ぎると、最大26週、$112〜$496が、毎週小切手(Check)で支給される。
オレゴン州でも、最寄りの失業保険事務所に電話するか(ポートランド地域は
エ1-877-877-1781)、ウェブサイト(http://egov.oregon.gov/employ/ui/)で申し込むと、最大26週、$104〜$445が、毎週小切手または銀行振込で受け取れる。
支給額(Weekly Benefit Amount)は、必要事項を入力すると計算できるページが各ウェブサイトに用意されている。支給金にも課税はされるので、確定申告を忘れずに(本誌P166「税金と確定申告」を参照)。



監修:三木綾子/Asian Counseling & Referral Service


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