
アメリカ北西部、オレゴン州ポートランドはどんな特徴を持つ街でしょうか?ポートランドの特色や歴史、経済、治安、オレゴン州と日本の関係まで紹介します。(2026年1月更新)
オレゴン州最大の街、ポートランドの概要
ポートランドの特色など、街の基本情報を以下の表にまとめました。各項目のさらに詳しい情報やポートランドがあるオレゴン州については、この表に続いて記載しています。
| ポートランドの始まり | 1805年にメリウェザー・ルイスとウィリアム・クラークによる探検隊がこの地に足を踏み入れる。1851年に、市に昇格。 |
|---|---|
| ポートランドの愛称 | バラの街(ローズ・フェスティバルでも有名) |
| ポートランドの面積 | 約145平方マイル |
| ポートランドの位置 | 北緯45度で北海道北部と同じくらい。海岸から約130キロメートル東。 |
| ポートランドの人口 | 63万6958人(2024年) |
| ポートランドの気候・気温 | 海洋性気候。夏は平均最高気が温摂氏26.6度(華氏80度)程度。年間降水量の9割り近くが10月~5月に集中するが、霧雨が多い。 |
| ポートランドの経済 | 古くは農業と木材産業の街だったが、現在は機械、電子・電気機器、金属産業などが盛んで、インテル、IBM、GoogleやAppleなどがポートランドに進出し、IT産業が急成長を続ける。世界的に有名なナイキ、アディダス(アメリカ)、コロンビア・スポーツウエアがポートランド地域に本社を構える。 |
| ポートランドの文化 | リベラルな街で、DIY精神が根付き、個性的なショップやこだわりグッズを作る職人が多い。コンパクトシティで人と環境に優しいことでも有名。食に対する意識は高く、地産地消が尊ばれる。地ビールのメッカ |
| ポートランドの世帯収入中央値 | 9万1478ドル(2024年) |
| ポートランドの住宅平均価格 | 52万2300ドル(2025年10月) |
| ポートランドの姉妹都市 | 北海道札幌市(1959年より) |
ポートランドの特色
オレゴン州最大の都市であるポートランドは、全米最古の広大なバラ園を持つことから、“バラの街(City of Roses)”の愛称でも知られている。初夏には、オレゴン州最大級のイベント「ポートランド・ローズ・フェスティバル」が行われる。
ポートランド市内には大小合わせて200以上の公園があり、中でもフォレスト・パークは全米で最大の都市公園である。
雄大な山々と穏やかな気候に恵まれたこの美しい環境を保つことに対する市民の関心は高く、市民の手により「メトロ(Metro)」という都市計画機構が創設された。1978年に有権者の承認を得て以来、ポートランド・エリアを中心に3つの郡、24の市にまたがり、自治体を超えた都市開発及び交通機関、ゴミ処理の管理、公共施設の運営などが行われている。街全体で環境保全意識が高く、1971年にアメリカで最初に清涼飲料水の缶や瓶のデポジット制を始めたのも、オレゴン州である。
また、「ベスト・コーヒーシティー」第1位(WalletHub、2025年)、「アメリカ国内で住みやすい街」第10位(U.S. News & World Report、2021年)など、近年は全米から注目を集めていることに加え、日本でも関連書籍が刊行されたり、雑誌で特集が組まれたりするなど、注目されている。
住民の食に対する意識は高く、地産地消が尊ばれ、ファーマーズマーケットも賑わう。中でもポートランド州立大学で開催されPSU Farmers Marketが規模が大きく、米国内でも名が知られている。
オレゴン州全体では、豊富な自然を守るために計画的な土地使用法が制定され、太平洋沿岸地域を公共の土地として保護することが定められている。
ポートランドの歴史
ヨーロッパから移民が来る前のオレゴンには、約80もの先住民族がおり、現在のポートランドの場所はシヌーク族の本拠地であった。1805年にメリウェザー・ルイスとウィリアム・クラークによる探検隊がこの地に足を踏み入れ、1825年を過ぎたころからコロンビア川流域を舞台にハドソン・ベイ・カンパニーによる毛皮取引が盛んに行われた。
ポートランドの地名は1845年、土地の所有者エーサ・ラブジョイとフランシス・ペティグローブのふたりによって決められた。この地の命名に当たって、マサチューセッツ州ボストン出身のラブジョイは、「ボストン」を主張したが、コイン投げで勝ったメイン州ポートランド出身のペティグローブが主張する「ポートランド」に決まった。
その後も移住者は急速に増えていき、希望に燃えた開拓者たちがほろ馬車に乗り、ひたすら西を目指して、険しい山々、青々とした森林、白いしぶきを上げる川を越えていく姿が見られたという。これがオレゴン・トレイルである。
ゴールド・ラッシュの影響を受け、繁栄を続けたポートランドは1851年に、市に昇格。その後、地の利を生かして港湾都市、物流の中心地として発展した。なお、オレゴンが正式に州となったのは1859年のことである。
ポートランドの人口と住環境
2024年の米国勢調査(概算)によると、ポートランドの人口は63万6958人。人口の多さでは全米28位の都市となる。
ポートランド市の人口全体のうち「アメリカ国外生まれ」が占める割合は12.9%。マルトノマ郡では13.5%、オレゴン州では10.0%がアメリカ国外生まれを占める。なお、アメリカ国内平均値は14.8%(数値はU.S. Census Bureau 2022より)。
オレゴン州は、全米でも数少ない消費税のない州のひとつ。近年の人口増もあり、物価や住宅価格は上昇している。
ポートランドにおける住宅の平均価格は、2025年10月時点で52万2300ドル(Zillow)。一戸建て住宅の価格変動を測定するFHFA住宅価格指数は1.73%(2025年第2四半期)で、緩やかに上昇している。
また、ポートランドの世帯収入中央値は9万1478ドル(2024)だった。
オレゴン州の人口
| 2022年 | 2023年 | 2024年 | |
|---|---|---|---|
| オレゴン州 | 4,240,137 | 4,233,358 | 4,272,371 |
| マルトノマ郡 | 795,083 | 789,698 | 795,897 |
| クラッカマス郡 | 423,177 | 423,173 | 425,857 |
| レーン郡 | 382,353 | 381,181 | 382,396 |
| ワシントン郡 | 600,176 | 598,865 | 611,272 |
| ポートランド市 | 635,067 | 630,498 | 636,958 |
U.S. Census Bureau
人種別構成(オレゴン州、全米)
| 白人 | ヒスパニック系 | ミックスレース | ハワイ・太平洋諸 | アジア | ネイティブ・アメリカン | アフリカ系 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 全米平均 | 58.9% | 19.1% | 2.4% | 0.2% | 6.1% | 0.7% | 12.6% |
| オレゴン州 | 73.5% | 14.4% | 3.6% | 0.4% | 5.0% | 1.1% | 2.0% |
| マルトノマ郡 | 67.5% | 12.9% | 4.3% | 0.7% | 8.1% | 0.7% | 5.8% |
| ワシントン郡 | 62.1% | 17.9% | 4.0% | 0.5% | 12.5% | 0.5% | 2.5% |
USA Facts / ポートランドはマルトノマ郡に含まれる
1世帯あたりの年間収入中央(オレゴン州、全米)
| 2022年 | 2023年 | 2024年 | |
|---|---|---|---|
| 全米平均 | $75,149 | $77,719 | $81,604 |
| オレゴン州 | $76,632 | $80,160 | $85,220 |
| マルトノマ郡 | $83,668 | $83,583 | $90,740 |
U.S. Census Bureau / ポートランドはマルトノマ郡に含まれる
アメリカの住宅中間価格
| 2023年1月 | 2024年1月 | 2025年1月 | |
|---|---|---|---|
| 全米 | $340,864 | $351,519 | $362,349 |
| オレゴン州 | $483,054 | $487,411 | $500,808 |
| ポートランド | $527,482 | $522,911 | $534,967 |
| ビーバートン | $534,012 | $538,859 | $540,522 |
| シアトル | $829,519 | $825,559 | $867,995 |
Zillow.com
ポートランドの地形・気候
ポートランドの面積は約145平方マイル。オレゴン州全体の面積は約9万8466平方マイルで、日本の面積の約7割となっている。オレゴン州は、カスケード山脈を境に雨がよく降り、緑が濃い海洋性気候の西部と、乾燥して平坦な大陸性気候の東部に分かれる。ポートランドはオレゴン州の北西部、ウィラメット川とコロンビア川が合流する地点に位置する。カスケード山脈にはオレゴン最高峰のフッド山をはじめ、アメリカでも有数の高山が含まれている。
ポートランドは、太平洋からの湿った暖かい空気がカスケード山脈にぶつかって、雨と穏やかな気候をもたらす西部にあるため、夏場の平均最高気温が摂氏26.6度(華氏80度)程度と過ごしやすいが、近年は最高気温が摂氏38度(華氏100度)を超える日もある。冬は氷点下になることがほとんどなく、雪は降っても平均の年間降雪量は10センチ程度。秋から冬にかけては雨が降る日が多く、年間降水量の9割近くが10月~5月に集中すると言われている。霧雨が多いので傘を使う人は少ない。
ポートランドの平均最高・最低気温と降水量

資料:U.S. Climate Data
ポートランドの治安
ポートランド警察のウェブサイト(www.portlandoregon.gov/police/)では、市内の犯罪状況を調べることができる。ポートランドで治安が悪いのは、ダウンタウンとヘイゼルウッド。
ポートランド市の犯罪状況
| 2023年 | 2024年 | |
|---|---|---|
| 暴行 | 9,374 | 9,075 |
| 殺人 | 82 | 70 |
| 性的暴行 | 552 | 558 |
| その他人身犯罪 | 94 | 96 |
| 放火 | 312 | 300 |
| 住居侵入 | 5,029 | 4,565 |
| 窃盗 | 23,714 | 24,892 |
| 自動車窃盗 | 8,297 | 5,482 |
| 強盗 | 1,234 | 1,124 |
| 器物破損 | 10,366 | 6,837 |
| その他 | 5,530 | 3,528 |
Portland Police Bureau 2024
ポートランドの経済(企業や主要産業)
海から約130キロメートル離れているにもかかわらず、ポートランドはウィラメット川とコロンビア川を中心とした全米でも屈指の港湾都市であり、特に半導体、産業機械、自動車、小麦の輸出量が多い。鉄道は、ユニオン・パシフィック鉄道、ポートランド&ウエスタン鉄道などが敷設され、主な幹線道路は、インターステート・ハイウェイとして、南北を貫くI-5と東西を走るI-84がある。
古くから農業と木材産業が経済を支えていたが、今日では多様化が進んでいる。製造部門においては、機械、電子・電気機器、金属産業などが盛んで、IT産業は急成長を続ける部門のひとつだ。インテル、IBM、GoogleやAppleなど大手企業がポートランド・メトロポリタン地域に進出し、“シリコン・フォレスト”と呼ばれている。衣料では、ナイキ、アディダス、コロンビア・スポーツウエアや、高級ウール製品で有名なペンドルトンもオレゴン州に本社を構える。
ウィラメット・バレーでは、野菜やフルーツなどの栽培が行われ、ワイナリーも多く、中でもピノ・ノワール種は世界的にも有名。カスケード山脈の東側では林業と共に小麦の栽培、そして畜産業が中心となっている。
また、オレゴン州は地ビールのメッカ。ホップの生産に適した天候とおいしい水が、たくさんのブルワリーを支えている。ベンドを拠点とするデシューツ、ニンカシ、ローグ・エールズなどが人気だ。日本酒も造られており、「Momokawa」で知られるサケワン社の本拠地でもある。
1988年にビジネス改善地域(BID:Business Improvement District)の特区制度導入したポートランド。域内にある地権者から不動産評価額に応じた料金を徴収し、清掃、麻薬取り締まりといった安全対策、経済活動活性化などに役立てている。近年はサスティナブル(持続可能)シティーを目指し、官民協力の下、エコを推進。全米でも最もグリーンな都市のひとつだ。金融系情報サービスサイトのWalletHubによれば、2024年度の全米でグリーンな都市ランキングで100都市中総合8位になっている。
オレゴン州の主要大企業
| 企業 | 2024年度収益 (単位100万ドル) | 業種 | 順位 |
|---|---|---|---|
| Nike(ビーバートン) | $51,362 | アパレル | 90 |
| Lithia Motors(メッドフォード) | $36,611 | 自動車販売 | 124 |
企業番付「Fortune 500」より抜粋/Fortune(2025年)
オレゴン州原産品輸出相手国・地域トップ10
| 2024年 | (単位 1億ドル) | |
|---|---|---|
| 輸出 | 中国 | $3.88 |
| メキシコ | $2.89 | |
| マレーシア | $2.33 | |
| カナダ | $1.75 | ベトナム | $1.15 |
| 輸入 | 日本 | $3.91 |
| カナダ | $2.92 | |
| 韓国 | $2.13 | |
| イスラエル | $2.13 | |
| 台湾 | $2.02 |
https://oec.world/en/profile/subnational_usa_state/or
オレゴン州の失業率
2024年7月 | 2025年7月 | |
|---|---|---|
| 全米 | 4.3% | 4.2% |
| オレゴン州 | 4.1% | 5.0% |
| ポートランド・ バンクーバー・ヒルズボロ | 4.0% | 5.1% |
U.S. Bureau of Labor Statistics
ポートランドと日本との関係
オレゴンの都市は、25の日本の自治体と姉妹都市関係を結んでおり(オレゴン州と富山県の姉妹州県関係を含む)、中でもポートランド・札幌市間の関係は1959年からと最も古い。
また、日本はオレゴン州にとって主要貿易相手国のひとつ。州内の日系企業数は約160社以上(2023年)。その多くがメンバーとなる親睦団体としては、1982年に創設されたポートランド日本人商工会があり、日本の教育カリキュラムに沿うポートランド日本人学校の運営などを行う。日本関連団体には、オレゴン州日米協会などもある(「団体」のリストを参照)。主な日本語メディアとしては情報誌『Lighthouse』が挙げられる(本誌「日本語メディア」のリストを参照)。
近年、日本のメディアでも多く取り上げられているポートランド。コンパクトシティで人と環境に優しいポートランドが、日本の地方都市の街作りのロールモデルとして注目されている。さらにDIY精神が根付き、個性的なショップやこだわりグッズを作る職人が多いこと、地産地消やフードカートなど一般的なアメリカの都市とは異なる食事情などから、観光地としても人気が高まってきている。
オレゴン州と姉妹関係にある地域
| オレゴン州 | 富山県 1991年 |
|---|---|
| ポートランド(Portland) | 北海道札幌市 1959年 |
| ニューポート(Newport) | 北海道紋別市 1966年 |
| シーサイド(Seaside) | 北海道積丹町 1966年 |
| オンタリオ(Ontario) | 大阪府大阪狭山市 1974年 |
| オレゴン・シティー(Oregon City) | 長野県立科町 1977年 |
| グレシャム(Gresham) | 北海道江別市 1977年 |
| フッド・リバー(Hood River) | 青森県鶴田町 1977年 |
| ユージン(Eugene) | 静岡県掛川市 1979年 |
| クース・ベイ(Coos Bay) | 千葉県銚子市 1983年 |
| セーラム(Salem) | 埼玉県川越市 1986年 |
| ビーバートン(Beaverton) | 静岡県御殿場市 1987年 |
| ウィルソンビル(Wilsonville) | 福島県喜多方市 1988年 |
| ヒルズボロ(Hillsboro) | 静岡県袋井市 1988年 |
| フォレスト・グローブ(Forest Grove) | 富山県入善町 1989年 |
| キャンビー(Canby) | 北海道岩見沢市 1989年 |
| ローズバーグ(Roseburg) | 埼玉県久喜市(旧菖蒲町)1993年 |
| レイク・オスウィゴ(Lake Oswego) | 埼玉県吉川市 1996年 |
| ペンドルトン(Pendleton) | 福島県南相馬市 1998年 |
| ニューバーグ(Newberg) | 兵庫県朝来市 2000年 |
| ザ・ダルズ(The Dalles) | 徳島県三好市 2003年 |
| マドラス(Madras) | 長野県東御市 2005年 |
| ユマティラ・インディアン居留地(Umatilla Indian Reservation) | 岡山県岡山市 2005年 |
| フローレンス(Florence) | 岐阜県山県市 2005年 |
| イーグル・ポイント(Eagle Point) | 群馬県昭和村 2011年 |
資料:在ポートランド領事事務所 2024
【企業・サービス情報】
【ポートランドの情報】
【ポートランド・アメリカの生活情報】
- 日本領事館で行える申請手続き:
- 国際結婚とアメリカの永住権:
- アメリカの社会保障制度 :
- アメリカで銀行を利用する:
- アメリカのクレジットカード/クレジット・ヒストリー:
- アメリカの電話・電報・郵便サービス:
- アメリカで車に乗る:
- アメリカで引越をする:
- アメリカでペットを飼う:
- アメリカの税金と確定申告:
- アメリカの病院に行く:
- アメリカの学校制度:
- 単位換算:
- アメリカの祝祭日・時差早見表:
【ポートランドの観光情報】
(ライトハウス編集部)



