あーと・アラカルト 文・市川江津子


第13回 アート展の仕掛け人:ジェス・ヴァン・ノストランド


▲Jess Van Nostrand (photograph by Frank Huster )

私がジェス・ヴァン・ノストランドと知り合ったのは、2004年7月のキャピトル・ヒル・アートセンターでの展覧会「シー・ストール・ザ・ショー(She Stole the Show)」に参加した時だった。彼女はフリーランスの学芸員として、このショーを始め数々の展覧会やイベントを企画・開催している。彼女と仕事をしていて、いいなと思ったのは、テンポが速くて前向きなこと。いつも新しいアイデアを考えていて、必要な人にどんどん会いに行ったり、人を繋げていったりする。エネルギーが伝わってくるのだ。


ジェスはボストン生まれで、小さい頃からビジュアル・アートやパフォーミング・アートに興味があった。ワシントンDCの大学、そしてロンドンの大学院で美術史を専攻。ロンドンでヨーロッパのアート・シーンに刺激され、その後アムステルダムに移り住む。その間、オンライン・アート・マガジン「Verge」でライターとして記事を執筆。ワシントンDCに戻ってからは、学芸員、宣伝広報としてギャラリーに数年務め、2002年にシアトルにやって来る。


▲"Rimokon" (Remote Control) by Yumiko Kayukawa
(acrylic on illustration board) from "Girlie Fun Show", 2004

ベルビュー・アート・ミュージアムで数ヵ月働いた後に独立。「メイ・ウエスト・フェスト(Mae West Fest)」の展覧会、シアトルとカナダのアーティストを集めた「アート・テスト(Art Test)」など、シアトルでの2年間ですでに11もの展覧会をコーディネートしてきた。中でも、2004年9月のバンバーシュートで開催された「ガーリー・ファン・ショー(Girlie Fun Show)」では、40人以上の女性作家による展覧会、ドラッグ・クイーンやミュージシャンを招いてのオープニング・パーティー、パフォーマンスで好評を得た。


現在は、ミニチュア作品の展覧会、そしてシアトルとアムステルダムのアーティストを結ぶ展覧会の企画を進行中。そして、ステージに立ってスポットライトを浴び、シンガーとして活躍する夢も小さい頃から持ち続けているとか。新しい彼女の姿が見られる日も、遠くないかもしれない。

"Queen of Swords" by Katelan Foisy (mixed media collage) from "She Stole the Show: An Exhibit for Mae"
2004
▲ "John Proposes..." by Bob Rini from the zine
"Delicate Debauchery Drove Her to Madness"
イベント情報
■Joe Bar
毎月新しいアーティストを紹介するアートショーを開催。
場所:810 E. Roy St., Seattle, WA 98102
TEL:206-324-0407
ウェブサイト:www.joebar.org

■Artist Trust
2月6日(日)9:30 a.m.〜2:00 p.m.に開催されるアーティスト・トラストのオークションで、ミニチュア作品の展覧会を行う。
場所:Consolidated Works / 500 Boren Ave. N., Seattle, WA 98109
TEL:206-467-8734
ウェブサイト:www.artisttrust.orgwww.conworks.org
市川江津子:
女子美術大学付属中学校・高校、そして東京造形大学で美術を学び、卒業後はインテリア・コーディネート、コーポレート・アイデンティティー・デザインなどの仕事に従事。東京ガラス工芸研究所の合宿に参加したことを機に、ガラス・アートに目覚め、1992年に渡米。デイル・チフリが設立したピルチャック・グラス・スクールにて学び、チフリ・スタジオで展覧会やプロジェクトコーディネートの業務に就く。2003年にアーティストとして独立。
ウェブサイト:www.etsukoichikawa.com

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