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日系人コミュニティーに嫁入り

アメリカの日系人家族に嫁いだ花子の目から見た、彼らの日常、不思議、感動を紹介するほのぼのエッセイ。

文/松乃井花子


最終回 出会いと別れ

この連載を開始してから約2年、いろんな出会いや別れがありました。治療のため休養していた大好きなジムの先生が、ガンを克服して復帰してくれたり、かと思えば、夫の親友ふたりは新しくできた家族を連れて、親戚のいるアイダホ州に帰ってしまったり……。今回は、この約2年の間で特に心に残った出会いと別れの話です。

日系人のおばあさん
夫の友人に、彼のお母さんである、日系1世のおばあさんを紹介されました。
おばあさんは花子家から車で20分のところに住んでいます。日本で知り合ったアメリカ人のだんなさんと戦後すぐに渡米し、アメリカ各地を点々としているので、とてもたくましいです。ゆうに80歳は超えているのですが、車を運転したり、愛犬の散歩に毎日行ったり、とても元気です。1世で、英語名を使っているところも、珍しいなと思いました。
そのおばあさんは、自宅の裏がゴルフ場という、閑静な住宅街に住んでいるのですが、隣の家の車庫のドアが開くと、自宅の居間の照明が勝手についてしまうという、素敵な(?)お家に住んでいます(「夜中につくとびっくりするわよ。わはは」と、おばあさん談)。これからも元気に長生きして欲しいです。

伯父、亡くなる
去年は、私の母方の伯父がふたり亡くなりました。秋にひとり、冬にひとりです。冬に亡くなった伯父は、小さいころから私のことを娘のようにかわいがってくれました。去年帰省した時にも会いに行ったのですが、末期がんにもかかわらず元気そうでした。
「来年また会いに来るね」
って話したのに、そのたった数カ月後に亡くなってしまいました。この伯父と夫は
「いやー、あんた達そっくりだね」
と伯母が言うくらいそっくりです。体型(ふたりとも大柄)? 顔の形(四角)? はたまた雰囲気? 血のつながりなんてないのに……。初めて会ったのに、伯父のおかげで夫はすんなりその輪に溶け込むことができました。ありがとう、おじさん。伯父家族と撮った写真では、すっかり夫は家族の一員です。

弔電の文章
お葬式に出席できないので、弔電を打つことにしたのですが、何て書けば良いのかわからなくて、夫に相談。
「とても優しい人だったね。いつも冗談言っていてさ、と書いたら?」
と言われ、伯父が冗談ばかり言っていたのがわかっていたのにびっくりしました。夫は日本語で会話することは到底不可能なのですが、身振り手振りと雰囲気で理解できていたんですね。

しめ縄に気付かず
昨年末、うちの母が小包を送ってくれました。その中に縄を編んで飾り付けたものが入っていたので、「ありがとう、部屋に飾るお守り。夫も喜んでいたよ」と伝えると、
「あんた、あれはしめ縄よ! どんど焼き(小正月の1月15日に門松やしめ飾りなどを神社に持ち寄り燃やす行事)で焼いちゃうものなんだよ。リースのようにドアに飾ればいいよ」
と母。……私、知りませんでした。
アメリカ文化のことをちょっとずつ理解できるようになっていくのはうれしいけれど、日本文化と離れてしまうことで、私はどんどん日本のことを忘れていってしまうのかな、とちょっと寂しいです。私の子供や孫の世代にも日本の良さを残せるよう、私は努力をしていかなくちゃと思いました。
今回で、「日系人コミュニティーに嫁入り!」は終わりです。全19回、読んでいただきありがとうございました。

 

松乃井花子:日系4世の夫との結婚生活3年目に突入。そうじもアイロンがけも裁縫も、ひとり暮らしが長かった夫のほうが上手。 趣味は、筋トレ命の夫と一緒にジムに行くこと。最近は二の腕を鍛えるのにハマっている。好きな食べ物はオムライスとナポリ タン(ケチャップが好きなんですよ!)。ちなみに夫は、ご飯やパスタにケチャップで味を付けるのが理解できないらしい。