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2010年7月19日(月)
マリナーズ・アップデート NEW!

【2010.7月後半レポート(7月19日)】
マリナーズとイチローの後半戦がスタート


オールスターが終わり、マリナーズは適地アナハイムで後半戦のスタートを切った。4連戦の結果は1勝3敗。

すでに、クリフ・リーをトレードした時点で、今季のプレーオフ進出はあきらめているので、勝敗そのものに意味はないが、借金が「20」に膨らんでおり、このままのペースなら一昨年に続いて、シーズン100敗を喫しかねない。どこかで歯止めをかけられなければ、屈辱の秋が待っている。

ただ、先週の4試合では、ジャスティン・スモークが2本塁打を放つなど、リーを放出して獲得した選手としての片鱗を見せた。先々週、セイフコ球場でデビューした時には三振ばかりだったが、各打席で何かを感じさせるようになっている。雰囲気を持った打者であるとはいえそうだ。

ところで、先週行われたオールスター・ゲームには、イチローひとりがマリナーズから出場したが、彼もまた、今季についてはあきらめているかのような口ぶりだった。

キャンプ初日、イチローは、数字に関するこだわりを否定していたが、後半に向けての話になって、こういっている。

「(数字に関する設定は)チームが勝つという前提。あの時とは当然、思い描いていた状況と違うわけですから、単純にそうであっていいのかどうか、というところはありますよね」

チームが勝っていれば、数字は自然についてくるだろう、という考え方が彼の中にあった。しかし、チームとして勝敗へのこだわりが消えた今、強く数字を意識していかないと、それが残らない、ということにもなるようで、裏には、数字でファンを引きつけるという意識も働いているようだ。

そこにだけフォーカスする難しさを、誰よりも知るイチロー。それだけに後半の戦いの厳しさを覚悟しているかのよう。

 こまではそれをこなしてきたイチローだが、今季は、プレーオフを十分に意識してスタートを切っているだけに、そのギャップもまた、逆風になっているはず。

イチローにとっては、ひとりでの戦いを強いられる苦しい後半戦が始まった。

 

文/丹羽政善
1967年愛知県生まれ。立教大学経済学部卒業。出版社に勤務ののち渡米。インディアナ州立大学スポーツマーケティング学部卒業。シアトルに居を構え、MLB、NBA、ゴルフなど、現地のスポーツを精力的に取材、コラムや翻訳記事の配信を行う。日本のメディアでは、『サンケイスポーツ』『日本経済新聞』などを中心に活動。海外メディアではかつて、「ESPN.COM」などに寄稿している。著書に『メジャーの投球術』(祥伝社)、『MLBイングリッシュ〜メジャーリーグを英語のまま楽しむ!』(ジャパンタイムス、4月発売)がある。在米生活は今年で15年目を迎える。