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熱血!! WBC観戦日記


サンディエゴとロサンゼルスでWBC全試合を観戦することを決意したひとりの男の物語。
ビジネス的な観点や旅のエピソードも含め、WBCを熱く語る。

WBCへの思い


▲WBC全試合のチケット

2008年9月~のシアトル留学前から観戦を決めていた今回のWBCアメリカ。それだけに、思いがとても強かった。理由は単純。2007年、生で観戦したヤンキース松井選手、レッドソックス松坂選手のアメリカで活躍する試合に感動し、今度は日本代表チームをアメリカで応援したかったからだ。そのため、我が日本代表チームが勝っても負けても応援できるように、WBC全試合のチケットを12月上旬の先行発売で買ってしまった。後日、クレジットカードの明細を見た時、少し目が点になってしまったけど、ま~いっか! 東京ドーム予選を制し、韓国代表と共にアメリカ進出を決めた時の気分は、超最高だった!「Welcome to the U.S.」

3月14日 WBC第2戦の舞台“サンディエゴ”に向け、いざ出発!

忙しかった冬学期の授業も終わり、やっと解放された~という思いでクラスの友達とお疲れさん会へ。(結局はしご3件ですが……)その後、荷物、心の準備を整え、WBC第2戦の舞台、サンディエゴに向け、いざ出発。サンディエゴ空港に無事着くことを祈っていたが、そうはいかなかった。
 
ターンテーブルから出てきた僕のスーツケースの車輪片方と、その角っこがすっぽりなかった。まるで誰かに噛みつかれた跡のようだ。バゲージクレームの航空会社係員に必死で交渉し、なんと新しいスーツケースをその場でゲット! 不幸中の幸い? 「座席のイヤホンが故障している、出てきた機内食にデザートがない、機内トイレが自分の番になった瞬間故障……」、僕が旅をする時はちょっとした不幸(僕はプチ不幸と呼んでいる)がよく起こるので、慣れてはいるけどね。前回のラスベガスの旅では、搭乗した便が全て遅れた上に、1本フライトキャンセル。おまけに、 持参した電子辞書を紛失。そうやって生まれた言葉が、「My travel is trouble.」
少し、話がそれてしまったけど、今回の旅ではどんなことが起こるのか、またWBCを通じてどんな人と出会えるのかすごい楽しみだ!

3月15日 ユニフォームを購入し、侍ジャパンを応援!

日曜日の午後11時、PETCO Parkに向けホテルを出発。球場へ向かう日本人らしき家族連れ、カップル達の列に合流し、ひとり高ぶる気持ちを抑え球場に到着。


▲試合中

さっそく、WBC限定グッズを購入しようと思い、球場内のお店の中へ。「ここは日本?」と思うくらい、日本人でごった返しており、僕の出身地名古屋弁も飛び交っていた。あまりにも不思議な光景だったので、つい「今、日本って本当に不況ですか?」とおばちゃんに聞いてしまった。「不況だけど、こういうのは仕方がないことよね」とおばちゃん。じゃ~僕も便乗させていただきますと“松坂”のユニホームを購入し、早速着て自分の座席へ。実は、持参したレッドソックス“松坂”Tシャツを着て応援する予定だったが、寒かったので諦めた。自分の座席の隣に座っているアメリカ人のおじちゃんと談笑していると、侍ジャパンが現れ、ひときわ大きな歓声へ!僕はひとり観戦だったので、その喜びを心の奥底で噛みしめていた。
 
選手と共にアメリカで聴く「君が代」は最高。なぜか、自分は日本人なんやと強く意識してしまい、同時にその幸せを味わった。試合は先発松坂。6回を無四球、8奪三振の好投で無失点に抑えると2番手以降の投手もキューバ打線を封じ込め、見事完封リレー。試合終了後、すれ違う人から、僕が来ている松坂ユニホームを見て、「Matsuzaka Excellent!」と声を何度かかけられた。その度にsmall talk. いい英語のレッスンになりました(笑)。


▲松坂

▲試合中

▲試合終了

その後、韓国対メキシコ戦を観戦し、その結果、17日行われる日本の対戦相手は、宿敵韓国に決定。日韓戦だということもあり、本当に盛り上がる試合になりそうで楽しみだ。おっと、その前に16日のキューバ対メキシコ戦も観戦するので、また違った角度でWBCを見ることにしよう。

3月16日 WBC公認グッズ販売のトップ、豊富な商品ラインナップはどこの国?

PETCO Park(WBC試合会場)のチームストアには商品を手にした日本人がいつもいる。今日はキューバ対メキシコ戦だというのに、ストア内にはたくさんの日本語がこだましていた。初戦の日本対キューバ戦で、レジを待つ日本人の列がストア出口まで伸びているのを見て、商品の陳列、売行き状況など自分の目で確かめようと思った。話の展開上、メインラックに絞って注目してみる。
15日、メインラックには“松阪、イチロー、福留”の名前入りロゴユニホームが陳列されていた。サイズ選びに必死になっている日本人の列ができていたが、もちろん僕もそのひとり。「在庫はもうないの?」という日本人おばちゃんの問いかけに片言の日本語で必死にサポート。2時間後、ストアに戻ってみると、もうラックには、そこにはキューバのユニフォームが陳列されていた。
 
16日、この日のメインはキューバ、メキシコグッズ。しかし、メインラックには昨日まで角に陳列されていた選手ロゴなしの”Japan”のユニフォームが。疑問に思い、店員に質問すると、「日本グッズは販促しなくてもちょっと変えるだけでよく売れる」とコメント。予想通りの回答だった。その他にも、帽子、Tシャツの売行きは好調だとか。
 
限定品、記念品という言葉にめっぽう弱い日本人。これはひとつの日本文化なのだろうか。いっぽう、商品陳列の仕方、ラインナップにも新たな発見があった。僕の経験上、日本ではいかに客を引き付けるキャッチフレーズでPOP(助成物)を作成し、美しい商品陳列を行うかで客の購買意欲が決まる。しかし、ここアメリカでは商品をとにかくいっぱい店頭に並べ、商品によっては在庫の山積みをあえて店頭で見せていたものもあった。また、商品ラインナップの定番である“タオル”がないことに気づき、店員に聞いてみるも、納得のいく答えは得られなかった。後で、WBCオフィシャルサイトで確認したが、どこの国のものもそれはなく、商品ラインナップの数に関しては、WBC出場国の中で日本がいちばんだった。
 
総括すると、数字で判断したいところだが、WBC公認グッズの購入者数、マーチャンダイズはやっぱり日本がいちばん発展していると言える(あくまでこれは僕の経験論ですが)。これらを仕掛けている人、企業、また、開発、生産、販売ルートなど一連のマーケティングについてもっと知りたくなった今日一日だった。ちなみに、本日日本の実家からWBC限定グッズ購入の指令がメールで届いた。早速明日ストアへ直行しなければ。また新たな発見がありますように。

3月17日 宿敵韓国との一戦!球場で知り合ったファンと応援するも……。

エキゾチックな香りが漂うサンディエゴの町をゆっくりと沈む夕日とは対照的に、球場へ向かう僕の足はいつもよりどことなく速かった。“日韓戦”“日韓戦”と何度もその言葉が頭の片隅を横切り、興奮している自分がいた。すべての球技種目において日韓戦を初めて見るからだ。現在留学している大学にも、何人か韓国人の友達はいるが、良き友達であり、良きライバルと自然と意識してしまうのは僕だけだろうか。 
PETCO Parkに着くと、早速両者の試合開始前の応援で盛り上がっていた。僕の席の隣には、日本人学生ふたりが隣に座っていたが、どうやらお互いWBCを通じて知り合ったらしい。というわけで、早速仲良くなる。これまで、ひとりで静かに応援していたが、性格上かなりのストレスだったので、良き応援仲間ができた。いっぽう、後部座席には韓国人学生が3人座っていた。
 
試合開始と同時に、僕たちの応援、後部座席の韓国人学生の応援がヒートアップ。ひとつのアウトを取る度にそれが続いた。スタンドを見渡すと、日本・韓国ともに半々ぐらいのファンの割合で埋まっていた。お互いの応援には特徴があり、持参の創意工夫された応援グッズを見ていても面白かった。
 
試合は、やはりこの日もイチローが不調。ランナーをためるも凡打の山。結局試合は日本が負けてしまった。決勝ラウンド進出を決め太極旗をマウンドに立てる韓国ナインを呆然と見ている 侍ジャパンの姿が印象的だった。おそらく、選手も相当の屈辱を感じているだろう。僕も脱力感でいっぱいだった。
 
試合終了後、後部座席に座っていた韓国人学生3人に写真撮影を求められ、快く受け入れるも実際相当悔しかった。気持ちを切り替え、明日はLAで行われる決勝進出をかけたキューバとの対戦。勝てば地区勝利をかけた再びの“日韓戦”。今日は早く寝て明日の応援に備えることにしよう!

3月18日 球場の中にひときわ目立つ個性的なビルが! そして個性あふれる日本人ファンの面々!

キューバとの1戦を制し、決勝トーナメント進出が決まった“侍ジャパン”。ロサンゼルスの試合も全てチケットを買っているだけに、今日の勝利は特別嬉しかった。というよりホッとした。そんな選手達を支えているのが、比較的新しい球場のPETCO Park、スタッフ、そしてファンなのである。今日は球場で発見した面白い施設、日本人ファンについて紹介することにしよう!
 
球場に入った瞬間、レフトスタンド後方に目立つ個性的なビルがある。ビルの上部には”WESTERN METAL SUPPLY CO.”と記載されている。調べてみると、地元金属メーカーの旧本社ビルを球場の一部として組み込んだ、とのことだ。よく見ると、ビルの角が左翼ポールになっている。へ~! 1階にはチームストア(WBCグッズはここで販売)、2階と3階にはスイート席、4階にはレストラン、屋上には800の観客席が設置されている。球場に足を運んでくれたファンが野球を楽しみ、逆に球場がファンと遊んでいるような印象を与えてくれる。他にも、バックスクリーン横には砂浜があり、子供達専用の遊び場、それに、左中間スタンド背後にミニ野球場が併設されており、子供達はそこで野球ができる。アメリカならではの発想がうかがえる。また、球場内には” OMNI HOTEL PREMIER CLUB”と書かれたプレミアムシートがあり、そこには専用のコックが待機し、楽しみ疲れたファンの心をおいしい料理で癒してくれる。

このようなすばらしい複合型施設を完成させるためには、地元経済の協力なしでは完成できないだろう。シーズン中のチケット販売、収益、資金の流れなど非常に気になるところだ。球場周辺を見渡すと、ジム、スポーツバー、レストラン、ホテルが何店舗か併設されている。ある一定の人の流れを想定し、上手くお金が流れるよう、それらが一体となっているのだろう。現代のトレンドに合わせた新球場ならではの特徴を活かしたマーケティング方法が適応されていることが確認できた。決勝戦が行われるドジャーススタジアムは古い歴史があるので、伝統球場な らではの特徴を活かした収益モデルが確認できそう。こちらも非常に楽しみだ。

いっぽう、球場内には個性的な日本人ファンがいっぱい。“侍ジャパン”なだけに、サムライが何人もいた。映画「ラストサムライ」で侍はいなくなったはずなのに、なぜここアメリカで!?でも、この侍たちは外国人(私も今は外国人ですが)に超人気で、写真を求められている光景を何度も目撃した。僕も記念に1枚と思いきや、今日は日本代表の勝ちモードの試合だったのでつい調子に乗ってしまい2枚目、3枚目と……。単純な自分がいた。“サムライ”以外の個性あふれる日本人ファンの面々は、日の丸をマントに顔を赤く塗ったオバQ。それに、ドラえもん、アンパンマン、ピカチュウ。もう何でもありでちゅう~。国際試合に来ると本当にいろんな楽しい人と出会い、会話が超楽しい~! でも、目的はすごいシンプル。みんなで“侍ジャパン”を応援すること。そして、勝利してみんなで喜ぶこと。
 
今日で大会5試合目を終えたが、本当にこのWBCを通じていろんな人と出会い、勇気をもらい、そして、心から楽しんでいる自分を確認できた。よし、明日は今大会4回目となる日韓戦。サンディエゴ決戦1位通過できるよう一生懸命応援するぞ~!

3月19日 素敵なファンとの出会い、そしてスタンドにはあの有名人の姿も

WBC4度目の対決となった日韓戦。宿敵韓国を下し、決勝トーナメント1位通過を決めた日本。21日(土)からロサンゼルス、ドジャース・スタジアムで開催される決勝トーナメント初戦の相手は強豪アメリカ。開催国ということもあり、地元アメリカの熱狂的野球ファンがスタジアムに集結することが予想される。そんなアウェーの中でも、”侍ジャパン”盛り立てに必要なのはファンと選手の団結力だろう。このサンディエゴ戦では、ファンと選手の一体感はもちろん、ファン同士も一致団結していたことが確認できた。今日はこの場をお借りし、僕自身が経験した素敵なファンとの出会いについて紹介させていただくことにしよう。

もと職場の同僚仲間でこの会場に来ていたカズコさん、ケンイチさん。熱い思いが込められた自作メッセージ・ボードを持参。スタンドでは一緒に応援させてもらい、パワーをいただきました。日本では某新聞社の一面記事に掲載されたとか。今日はサンディエゴの自宅訪問までさせていただき本当にお世話になりました。いただいたこのメッセージ・ボードをドジャース・スタジアムに持参させていただきますね!

アメリカのとある大学に通い、その友達とサンディエゴに来ていたヨシキさん。連れの人とは離れ、僕と同じすべて6試合観戦。特に、17日の日韓戦で日本が負けた時は一緒に悔しい思いをし、たまたま同じだった宿泊ホテルで語ったことがすごく印象的。

熱狂的野球ファンで、大リーグキャンプ地まで訪問してしまうテルユキさん。試合中はいろいろと大リーグに関する知識を分けていただき、その情報量に脱帽。ロサンゼルス戦のチケットはもう入手済みとのこと。(僕もですが……)現地へ向かう車に一緒に便乗させてもらい、さらにその途中、いろいろなボールパークに連れて行ってくれるなど、大変お世話になった人。ドジャーススタジアムでの再会を誓い、ロスの町でいったん別れる。

その他、僕の座席の周りにはいろいろな有名人が座って応援していた。その中のひとりがトリノ・オリンピック金メダリストの荒川静香選手。そして、井上怜奈選手。日本が勝利した試合終了後にはお互いハイタッチをして記念撮影。僕が着ていた松坂ユニフォームにサインをいただき、ジャパンのユニフォームに変身。ちなみにテルユキさんは、荒川選手のサインボールをゲット。野球ユニフォーム、サインボール共に荒川選手も初めてだそうで、逆に記念撮影をお願いされました(笑)。世間話等を含め本当にありがとうございました。

このWBCを通じて、本当にいろいろな人と出会うことができ、貴重な経験をさせてもらっていることに気づく。そんなWBCもいよいよ決勝トーナメントへ突入。どんな人の出会いがあるのか、またどんな結果になるのか本当に楽しみである。

3月21日 “侍ジャパン”決勝戦進出へ向け、強力助っ人登場?

ロサンゼルス、ダウンタウン郊外とは思えないくらいの広大な緑に囲まれたドジャース・スタジアム。映画の都ハリウッドでは決して作ることができない野球ドラマの幕が切って落とされた。 “侍ジャパン”に助っ人が急きょ日本より到着。19日の試合で右太もも裏を痛めた村田選手に代わり招集された栗原選手が合流し、今日1日はフリー打撃などチームメートと同じ練習をこなした。一方、僕の友人もシアトルから応援に駆け付け合流。そして、サンディエゴ決戦でお世話になったテルユキさんと3人で韓国対ベネゼーラ戦をドジャーススタジアムで本日観戦。さらに、お世話になったカズコさんから電話が入り、明日はサンディエゴから6、7人連れて駆け付けるとのこと。始め一人でWBC観戦していた僕も徐々に応援仲間が増えてきた。これで日本が勝たないわけがない。でも内心超不安。

試合は、ベネズエラのスタメン9人が全員大リーガーという超豪華布陣にも関わらず、失策がことごとく失点に繋がる悪循環を変えることができず、韓国リードの一方的な試合内容。結果、決勝進出を決めた韓国。明日、“侍ジャパン”が勝てば今大会5度目となる日韓戦である。とにかく、あとふたつ勝って連覇を目指してほしい。

3月22日 “I love baseball” アメリカ人野球ファンの応援

開催国アメリカに勝利し、連覇を狙う”侍ジャパン”。”I love baseball”と掲げる強力な地元アメリカ人野球ファンの目の前で勝利した日本との一戦は彼らの目にはどう写ったのだろう。日本が勝利を決める最終回まで残っていたアメリカ人野球ファンからは、勝利を称賛する拍手と歓声。一方、アメリカがエラーをしたり、日本が打点をあげたときは「Boo!」とスタンドからヤジの嵐。今回の試合で、アメリカ人野球ファンの様々な面を観察することができた。

試合終了後、すれ違うアメリカ人ファンが「Congratulations!」「Winner Japan」と声をかけハイタッチを求めてくる。トイレに行く途中、僕が着ている”松坂”ユニホームを見て、「He is really excellent and we are proud of him “」と声をかけてくれ、一緒に「松坂、松坂」とお互い抱き合ってしまったことも。日本の野球観戦では経験したことのないことが、ここアメリカでは自然と行われていた。また、アメリカがチャンスを迎える度にスタンドでは「U.S.A.、U.S.A.」とビールやスナックを片手に大声で応援するアメリカ人の姿。アメリカの先頭者ホームラン、8回に2点を返したときは、スタンドはほぼ総立ちになりファン達が雄たけびをあげていた。楽しいことは超楽しく、喜びを分かち合う時はみんなで声を出し、感情をむき出しにするといった表現方法は、”言葉を発することで相手と共感”というひとつのアメリカ文化かもしれない。だから、英語は感情表現が多いと言えるだろう。
 
また、違った場面でもアメリカ人野球ファンの良い点を見つけた。“イチロー”のユニホームをまとい、ドジャー・スタジアムに来ているアメリカ人ふたりを目撃。つい嬉しくなってしまい、僕の方から「なぜ、日本対アメリカ戦なのにイチローのユニホームを着ているのか?」と思わず声をかけた。「彼はスターだから、いつでも応援したい」と。イチローの大リーグでの実績を認め、スター選手を国籍関係なく賞賛するその考え方に僕は心をうたれた。多様性を受け入れるアメリカ文化に改めて感動した瞬間だった。この試合では、アメリカ人野球ファンの良い点、悪い点を発見することができた。
 
明日の決勝戦相手は、今大会5度目の対戦となる宿敵韓国。泣いても笑っても最後の試合となるだけに、全員野球で連覇を目指してほしい。

3月23日 “侍ジャパン”連覇おめでとう

第2回WBC決勝、日本対韓国戦がドジャー・スタジアムで行われ、日本が延長戦の末、5対3で韓国を破り、第1回大会に続く連覇を達成した。本当に最高の瞬間だった。アメリカで行われた日本戦はもちろんのこと、それ以外にも全試合を観戦しただけに、半端ではない喜びだった。サンディエゴ戦で出会ったいろいろな人とここロサンゼルスでも再会し、共に応援することができた。国際大会ならではのダイナミズムも感じた。本当にいろいろなことを学んだ機会、大会だっただけに後日まとめとして”WBCから学んだこと”というタイトルで掲載させていただきます。

3月27日 “WBC”から学んだこと

連覇した“侍ジャパン”の代表選手達は、優勝を決めた2日後には日本へ帰国、大リーグ所属選手達はそれぞれの球団キャンプに合流していた。一方、WBCを通じて僕が出会った人々、L.Aから合流した友人達もそれぞれ帰国の途についていた。選手、知人に共通することは、「次にやるべきことがみんなある」ということ。原辰則代表監督が公言していた「WBC優勝」という栄冠を手にしたことは、”侍ジャパン”が「やるべきことをやった」ことでもある。これまでサンディエゴ、L.A戦すべてを観戦してきたが、WBCを通じこの短期間に様々なことを学んだ。そして、自分自身のやるべきことを必ずやろうと勇気を与えてくれた大会でもあった。学んだことを以下の通りだ。

1) 国際大会ならではのダイナミズム
(参照記事:3月17,18,19,21,22日)
球場に応援しに来ているファンは遠方の人が多かった。仕事を辞めたり上司に無理言って休暇をとってきた社会人、春休みで来た学生、現地在住の人、それに有名人。いろいろな国の人に出会うことができ、みんなに共通しているWBC観戦目的は「自分の国を生で応援したいから」と、至ってシンプル。人にはそれぞれ「観戦できない個人的事情」があるが、「観戦できる方法」を見つけ、調整して会場に来ている人が多かったように見えた。また、選手が活躍する舞台裏には、それを支えているスタッフの存在の力があることも知った。この大会が持つ力強さ、迫力を感じた。

2) 野球におけるアメリカ流マネジメントの合理的なものの考え方
(参照記事:3月16,18日)
PETCO Park(サンディエゴ)、ドジャースタジアム(L.A)それぞれの球場の特徴を見ることができた。前者は新しい球場、後者は古い球場ならではの特徴を活かしたサービスの差別化が顕著だった。しかし、両者の目的は同じ。球場へ足を運んでくれたお客さんを野球観戦以外のことでも楽しませること。その裏にはチケット収入、マーチャンダイズなど、合理的な戦略が必ずあると言えるだろう。収益構造について実際の数字で見たいものである。

3) アメリカならではの多様性を受け入れる文化
(参照記事:3月22日)
  これはアメリカでしか味わえないこと。3月22日に行われた日本対アメリカ戦でアメリカ人野球ファンの対応に感動した。これは、人生の大半を占める社会人生活に関しても、共通して言えることがあると思う。アメリカ企業で仕事をしたことがないからわかないが、職場では多様性を受け入れ、また最大限活用する文化があるのだろう。

4) 使命感をもって物事を貫くこと
(参照記事:WBCへの思い、3月15日)
多大なプレッシャーの中、“侍ジャパン”は連覇という使命を果たした。そして、ファンに勇気と感動を与えてくれた。大会開催中、なぜか僕は自分が日本人であるということを強く意識してしまった。人から自意識過剰と思われても仕方がない表現があったことは十分理解している。でも、「何かをしなければならない」と本気で思った時、サムライ魂には及ばないが、それに似た使命感が必要なのだろう。
 
1)~4) のように、WBCを通じて学んだことは僕の一生の宝物になるだろう。そして、学んだことを次にどうアウトプットできるのかが重要である。
以前お世話になった会社で教わったことがある。それは、「これからの時代、日本人に必要なものは国際人としてのバランスと自立である。国際人とは、日本の文化として残していくべきもの、変えていくべきものを自らの目で見極めることができる人。自立とは、自ら考え判断し、行動すること。そして、行動したことに責任を持つこと」。WBCを通じて上記の大切さを感じることが何度かあった。
 
今後、僕の残された留学期間中、やるべきことの選択に集中し、最終目標である職に就くことができた時、その学んだことがそこでアウトプットできるよう今後とも励んでいきたい。そして、記事を掲載させていただく場を提供していただいたYoumagaの皆様、WBCを通じて出会えた人々、それに相談にのっていただいたすべての人々に感謝の気持ちを申し上げたい。本当にありがとうございました。

齋藤篤志(サイトウアツシ)
名古屋出身、旅とスポーツが好きなYoumagaインターン生。大手電機会社の海外駐在員を経験した後、現在シアトルの大学でビジネスを勉強中。ヤンキースの松井選手とレッドソックスの松坂選手がアメリカで活躍する試合を2007年に観て感動し、もっぱら大リーグのファンに。同年代である”松坂世代”という言葉に何故か超敏感。