2020年3月16日～3月20日（3月3週目）

ワシントン州知事は19日（木）、新型コロナウイルス感染者の増大に伴い、医療機関で感染予防のための防護具や医療用具を十分に確保できるよう、緊急ではない手術や歯科処置を一時停止する命令を出した。州内の病院、通院外科診療所や一般歯科、矯正歯科、歯内治療専門医などが影響を受ける。癌性腫瘍の除去、歯痛や感染を防ぐ歯科治療など、緊急ではないが手術や処置の延期により、今後数カ月間に健康に害が及ぶと考えられる患者については停止命令の対象から外れる。同命令は5月18日（月）まで有効。KING5の関連記事はこちら

トランプ米政権は、連邦に対する所得税の申告期限を4月15日（水）から7月15日（水）へ延期することを決定した。スティーブン・ムニューシン米財務長官はツイッターで、税金の払い戻しがあるとみられる納税者は、還付金を受け取れるよう、ただちに申告することを勧めると述べている。KING5の関連記事はこちら

5月14日（木）から6月7日（日）に予定されていたシアトル国際映画祭（SIFF）が、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止されることが18日（水）に明らかになった。第46回目となるはずだった北米で最大の映画祭の中止の理由は、現在ワシントン州で50人以上が集まるイベントが禁止されているため。主催者によると、毎年3週間以上に渡り行われるSIFFは、合計約14万人が参加するイベントで、85カ国からの映画400本以上が上映される。KING5の関連記事はこちら

キング郡はショアライン市にあるサッカー場を、新型コロナウイルスに晒された人やCOVID-19の症状が現れ始めた患者のための臨時の病院（移動式病院）にすることを決め、18日（水）に設営が行なわれている。ショアラインの臨時病院ではベッドを200台まで用意することが可能。郡は自宅において安全な隔離が難しい人のために、他にも同じような病院を複数設け、ベッド数3000を追加で用意することが必要と述べている。KING5の関連記事はこちら

新型コロナウイルス流行を受けて、ワシントン大学（UW）は桜の見頃を前に、同大学を訪れての花見の代わりにUWが行っているライブ配信で桜を鑑賞するよう呼びかけている。今年の桜の見頃は3月下旬の見込み。UWは毎年数千人の花見客で賑わうが、新型コロナウイルス感染拡大を抑えるため、現在ワシントン州知事は50人以上が集まるイベントを一時禁止している。またUWでは観光目的で同大学の訪問をしないよう一般に求めている。18日（水）までにUWの学生9人の新型コロナウイルス感染が確認されている。KING5の関連記事はこちら

新型コロナウイルス感染の流行を受け、食料品スーパーのセーフ・ウェイとアルバートソンズは17日（火）、ワシントン州全店舗において、ウイルス感染時に重症化する可能性が高い高齢者や妊娠中の女性、免疫力が弱い人のみが買い物ができる時間帯を設けると発表している。火曜日と木曜日の午前7時から午前9時の間はこれらの顧客専用の利用時間として指定し、それ以外の顧客には協力を呼びかけている。ホールフーズ・マーケットでも、18日（水）よりアメリカ国内とカナダの店舗において、通常の開店時間直前の1時間を60歳以上の顧客専用の利用時間にすると発表。日系スーパーの宇和島屋でも18日（水）より一時的に、午前8時から午前9時を高齢者専用の利用時間とし、午前9時から午後9時までが一般向けの営業時間する。また小売チェーンのターゲットは水曜日の午前7時から午前8時は、新型コロナウイルス感染で重症化が懸念される顧客専用の利用時間とし、18日（水）以降営業終了時間を午後9時に早め、店内の清掃に当てる時間を長くすることを明らかにしている。KIRO7の関連記事はこちら

新型コロナウイルス感染拡大を受けて、ワシントン州は飲食店内での飲食を一時禁止し、テイクアウト、あるいは宅配のみの営業を許可しているが、シアトル市運輸局は17日（火）より飲食店付近で、短時間の路上駐車を許可する道路標識の設置を開始した。飲食店を支援し、顧客にテイクアウトのサービスを利用しやすくするための措置で、まず飲食店が集中するエリアから優先的に「Food Pick-up Priority」の標識が設置される。市はこの標識の設置により、顧客の飲食店利用を促すだけでなく、その店舗が営業していることがわかりやすくなる効果を期待している。また飲食店はEメールや電話で市へ標識設置をリクエストできる。KING5の関連記事はこちら

シアトルに本社を置くアマゾン・ドット・コムは17日（火）、4月5日（日）まで、サプライヤーから物流拠点のフルフィルメント・センターへの配送について、需要が急増している清掃用具、医療用品、日用品を優先することを発表した。アマゾン・ドット・コムでは新型コロナウイルス感染拡大のため、オンラインショッピングの利用者数がふえており、除菌ワイプとトイレットペーパーが在庫切れとなっている。その他の洋服やアクセサリーなど、在庫がある商品の買い物は今のところ可能だが、今後どう影響が出てくるかは明らかでない。同社は16日（月）、需要に対応するためアメリカ国内で合計10万人を新たに雇用し、4月中は時給を2ドル上乗せして支払うことを発表している。KIRO7の関連記事はこちら

ワシントン大学の医療機関UW Medicineは、ドライブスルーの新型コロナウイルス検査クリニックを利用できる対象者を、同病院の患者と救急隊や消防士などの緊急対応要員まで広げた。検査を受けるには事前の予約が必要で、1日50人対応を見込んでいる。ノースゲートにあるUW Medicineノースウエスト・キャンパスにあるドライブスルーの同検査クリニック開設当初は、利用を職員と学生に限定していた。KING5の関連記事はこちら

新型コロナウイルス（COVID-19）ワクチン開発の臨床試験が、16日（月）にシアトルの医療研究所において開始される。カイザー・パーマネンテ・ワシントン・ヘルス・リサーチ・インスティテュートで行われるこの臨床試験には、アメリカ国立衛生研究所（NIH）が出資。また若く健康なボランティア45人が参加する。ModernaTx, Incが製造したワクチンは毒性を弱めた、あるいは死んだコロナウイルスからは作られておらず、感染を起こす危険性はない。公衆衛生当局は、ワクチンの安全性や有効性の確認が終わるまで、1年から18カ月かかると話している。KING5の関連記事はこちら

ワシントン州のインスリー知事は15日（日）、新型コロナウイルス感染拡大抑制のために州内にあるレストラン、バーなどの飲食店、ダンスホールやクラブ、劇場、フィットネスクラブなど、室内での社交、エンターテイメント施設の3月31日（火）までの一時閉鎖を命じると発表した。飲食店についてはテイクアウト、または宅配のサービス提供は許可される。食料品店、銀行、薬局、小売店などは公衆衛生の指示に対応している限り営業が認められる。また同日、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は今後8週間、50人以上のイベント開催を行わないよう勧告を出しているが、ワシントン州ではそれも禁止となる。KING5の関連記事はこちら