シアトルの生活情報&おすすめ観光情報

The Fast and the Furious: Tokyo Drift

第127回 「The Fast and the Furious: Tokyo Drift」
監督:ジャスティン・リン
出演:ルーカス・ブラック、ブライアン・ティー、
ナタリー・ケリーほか
公開日:6月16日(金)
レート:PG-13
公式ウェブサイト:www.thefastandthefurious.com

 
The Fast and the Furious
© Universal Pictures

公開初日にこの作品を見たという台湾人の友達から「日本人が見たら結構違和感あると思うよ」というアドバイスをもらっていたので、どんなものだろう……と不安なまま映画館に向かいました。
日本では「ワイルド・スピード」というタイトルで公開されている、「The Fast and The Furious」シリーズの第3作。キャストを一新し、舞台もアメリカ西海岸から一気に東京へ。

主人公ショーンは日ごろのうっぷんを公道レースで発散。しかし、警察に目を付けられ、軍人の父が暮らしている東京へと逃げます。カルチャー・ショックを受ける毎日を送りながら、ショーンはそれでも車に対する情熱を忘れることができません。そして、友人に誘われて参加したドリフト・レースを皮切りに、ショーンは裏世界の深みへとハマっていきます。その結果、車も友人も失うことになったショーンが、最後に出した切り札とは……。

恋も友達関係もトラブルも全部車で解決、という潔いストーリー展開は前作をそのまま受け継いでいます。ただ、本作は人間ドラマとしてもそこそこ通用するのではないかと思いました。東京が舞台と聞いて心配なのは、「日本がどの程度ちゃんと描かれているか」という点ですが、まず、日本人役を演じているアジア各国からの俳優が、カタコトの日本語を日本人として話しているのがムズ痒かったです。そのほか、お約束のヤクザも出てきますし、細かい部分でも「ああ、やっぱりそうくるか」という感じでした。日本人としてチェックすべきところは、特別出演の妻夫木聡、高校教師役の柴田理恵、銭湯で登場するKONISHIKIといったところでしょうか。

しかし、カー・レースのシーンは相変わらずどれも圧巻。東京の都心を爆走するシーンや、クライマックスとなる『頭文字D』ばりの峠レースもなかなか迫力がありました。そしてラスト・シーンでは、第1作目に出演していた「あの人」がチラっと登場し、うまくまとめてのエンディングとなります。キャストや舞台をガラリと変えたおかげで、シリーズにありがちなマンネリ感があまり感じられないのは評価できると思いました。いかにも夏らしい映画。スポーツ・カー好きの方にオススメです。

ミトウ:
札幌生まれ、札幌育ち。高校卒業後、渡米。現在はショアライン・コミュニティー・カレッジで4年制大学への編入を目指して勉強中。好きな映画は「Down By Law」「Crash」「博士の異常な愛情」「リアリズムの宿」「tokyo.sora」「秋刀魚之味」など。