シアトルの生活情報&おすすめ観光情報

You, Me and Dupree

第128回 「You, Me and Dupree」
監督:アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ
出演:オーエン・ウィルソン、ケイト・ハドソン、マット・ディロン、マイケル・ダグラスほか
公開日:7月14日(金)
レート:PG-13
公式ウェブサイト:www.youmeanddupree.com

 
she is the man
©2006 Universal Studios

「ぼくは働くために生きてるようなヤツじゃない。生きるために働いてるんだ」。劇中でこう言い放つのは、バリバリのビジネスマンであるカール(マット・ディロン)でもなく、カールの奥さんで小学校の先生として働いているモーリー(ケイト・ハドソン)でもなく、カールの家に居候している、目下無職のデュプリー(オーエン・ウィルソン)。今回紹介する映画「You, Me and Dupree」は、ハチャメチャでハッピーなコメディー映画です。

カールと、彼が勤めている会社の社長(マイケル・ダグラス)の娘モーリーは、結婚したばかりの新婚ほやほやカップル。カールは、会社でも大きなプロジェクトを任され、公私共に幸せの絶頂にいました。そこへやって来たのが、職もアパートも失い、行くあてがなくなった長年の親友デュプリー。モーリーの反対をよそに、新居にデュプリーを数日間泊めることにします。その数日がいつしか長期滞在になり、天真爛漫なデュプリーは勝手にケーブル・テレビを入れたり、パーティーを開いたりと、やりたい放題し始めます。そんな中、カールは仕事のせいでストレスがたまり、モーリーは夫との時間を持てないことにイライラし始め、ふたりの仲がギクシャクしてきます。そこで、デュプリーはふたりの関係修復のために立ち上がりますが……。

この映画はデュプリーのキャラクターに尽きると思います。純真無垢で、やることなすこと悪気はないのだけれど、いつも周りを巻き込み大騒動。そんなキャラクターでありながら好感が持てたのは、デュプリーがハチャメチャな自分流を貫きつつも、着実に成長していったから。デュプリーが引き起こす厄介ごとに頭を悩ませるカールとモーリーですが、行き詰まった彼らを最終的に救ったのはデュプリーだったのです。

デュプリー役のオーエン・ウィルソンは、最近ではディズニー・アニメ「カーズ」でも主役を務めており、公開待ちの待機作を含め、今後コメディー俳優としてますますの躍進が期待されます。デュプリーのキャラクターを許せるか許せないかで、はっきり好みが分かれるであろう「You, Me and Dupree」。期待を裏切るような展開もありませんが、それだけに安心して見ていられる、久しぶりのスタンダードなコメディー映画でした。

ミトウ:
札幌生まれ、札幌育ち。高校卒業後、渡米。現在はショアライン・コミュニティー・カレッジで4年制大学への編入を目指して勉強中。好きな映画は「Down By Law」「Crash」「博士の異常な愛情」「リアリズムの宿」「tokyo.sora」「秋刀魚之味」など。