シアトルの生活情報&おすすめ観光情報

Accepted

第129回 「Accepted」
監督:スティーブ・ピンク
出演:ジャスティン・ロング、ジョナ・ヒル、ブレイク・ライブリーほか
公開日:8月18日(金)
レート:PG-13
公式ウェブサイト:www.acceptedmovie.com

 
she is the man
©2006 Accepted

受験した大学からことごとく不合格通知をもらってしまったバートルビー(ジャスティン・ロング)。「大学に行かない人間は人生の敗者だ」という両親の目をごまかすため、South Harmon Institute of Technology(略称に注目!)という大学をでっち上げ、そこからの合格通知を受け取ったと両親に報告をします。ところが話はどんどん大きくなり、友達の力を借りてウェブサイトやキャンパスを作るハメになった挙げ句、ウェブサイトを見て出願した学生達がみんな合格通知を受け取ってしまいます。そしてバートルビーは、この大学を自分達が本当に学びたいことを学べる場所にするため、さまざまな努力を始めます。

「大学に落ちたらどうしよう」というのは、世界中の受験生共通の悩み。失敗した場合は浪人して1年がんばるか、就職口を探すかが一般的な選択肢ですが、この映画では「大学を作っちゃう」という新しい選択肢が登場します。最後の大学認定委員会のシーンでは、「学ぶってどういうこと?」と議論が交わされますが、ただおかしいだけのコメディーで終わらなかったところには好感が持てました。

登場人物はみんな個性たっぷり。授業でひたすらアメリカ社会を否定する講師兼学長、厨房で難しいハーブの調合に失敗して爆発を起こす生徒、アフリカ風のおかしな木像を作り続ける生徒……。キャラクターに共通することは、皆それぞれにやりたいことがあるのに受験に失敗し、それを学べる場、実践する場がなかった、という点。生徒が考え、生徒が運営するこの大学は、いろんなことがあり得ないのだけれど、ちょっといいなぁと思えるのでした。

ストーリーとは直接関係ないところで驚いたのは、口達者な主人公、バートルビーを演じるジャスティン・ロングが1978年生まれの28歳だということ。20歳前後だと思っていたので、この年齢にはびっくりしました。役者というのはすごい、と改めて実感です。

ミトウ:
札幌生まれ、札幌育ち。高校卒業後、渡米。現在はショアライン・コミュニティー・カレッジで4年制大学への編入を目指して勉強中。好きな映画は「Down By Law」「Crash」「博士の異常な愛情」「リアリズムの宿」「tokyo.sora」「秋刀魚之味」など。