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The Grudge 2

第131回 「The Grudge 2」
監督:清水崇
出演:アンバー・タンブリン、エディソン・チェン、サラ・ミシェル・ゲラーほか
公開日:10月13日(金) レート:PG-13
公式ウェブサイト:
www.sonypictures.com/movies/thegrudge2/

 
Grudge2
©Sony Pictures

和製ホラー「呪怨」のハリウッド・リメイク版2作目がついに公開になりました。公開直後の週末には、その前の週に封切られた、香港映画「インファナル・アフェア」の同じくハリウッド・リメイク版「The Departed」を押しのけて、2,200万ドルの興行収入第1位を記録。ハロウィーン時期の公開ということも手伝って、評論家の低評価とは裏腹に順調な滑り出しを見せているようです。

「The Grudge 2」は前作「The Grudge」の設定を引き継ぎつつ、ストーリーを3パートに分けています。前作の主役カレン(サラ・ミシェル・ゲラー)の妹アーブリー(アンバー・タンブリン)が、姉を東京からアメリカへ連れて帰ろうとして、呪われた「あの家」に入ります。そして、怨霊の伽椰子や俊雄少年の呪いに苦しめられていくというパート。東京のインターナショナル・スクールに通う女子高生3人組が、お遊びで「あの家」に入ってしまってからの恐怖の日々を描いたパート。そして、アメリカはシカゴのアパートで起こった、数々の呪いの現象を描いたパート。この3パートが、入れ替わり立ち替わりしながら進行していきます。

ハリウッド・リメイク版でありながら、スタッフのほとんどが日本人のためか、全編にわたって邦画の雰囲気が良く出ていました。日本の描写に関しても、「ロスト・イン・トランスレーション」や「ワイルドスピードX3 TOKYO DRIFT」にあったような、トホホ……な部分はなく、安心して見ることができました。ただ単に音響や映像で驚かせたり、ストレートに残酷な描写をするのではなく、微妙な不気味さを散りばめて、心理的に恐怖をあおっていく映像とBGMは見事で、和製ホラーの面目躍如といったところ。思わず目を閉じたくなるようなシーンがたくさんありました。

ただ、3パートのストーリー構成が複雑なためか、ラスト・シーンで各パートのリンクが明らかになっても、今ひとつ腑に落ちない感じがしたのは残念。しかし、ホラー映画に緻密なストーリーを要求するのは野暮なのかもしれません。とにかく、この映画を見て、頭を空っぽにしてひたすら怖がる、というのがホラー映画のいちばんの楽しみ方のような気がしました。

ミトウ:
札幌生まれ、札幌育ち。高校卒業後、渡米。現在はショアライン・コミュニティー・カレッジで4年制大学への編入を目指して勉強中。好きな映画は「Down By Law」「Crash」「博士の異常な愛情」「リアリズムの宿」「tokyo.sora」「秋刀魚之味」など。