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Music and Lyrics

第135回 「Music and Lyrics」
監督:マーク・ローレンス主演:ヒュー・グラント、ドリュー・バリモア、ヘイリー・ベネットほか公開:2月14日(水)レート:PG-13公式ウェブサイト:http://musicandlyrics.warnerbros.com

 
Music and Lyrics
©Warner Bros. Entertainment Inc.

この原稿を書いている時期は第79回アカデミー賞発表前。「バベル」、「ディパーテッド」、「硫黄島からの手紙」といった重厚な映画が多かった2006年、どの作品が何を受賞するのか予想が難しく、授賞式が本当に楽しみです。

さて、今回のレビューはヒュー・グラント、ドリュー・バリモア主演の「ラブソングができるまで」。アメリカに先駆けて2月10日にイギリスでの公開がスタートしましたが、公開第1週で380万ドルの興行収入を記録するなど、順調な滑り出しを見せています。アレックス(ヒュー・グラント)は80年代に一世を風靡したポップ・グループ「POP」のボーカル。しかし、「POP」の成功後は鳴かず飛ばずで、最近は小さなイベント会場で昔の曲を淋しく歌う毎日。そんな中、ティーンズに大人気のポップ・シンガー、コーラ(ヘイリー・ベネット)がアレックスに曲の提供を依頼しますが、準備期間はたったの数日。キャリアを復活させる絶好のチャンスと息巻くアレックスは、たまたまアパートの家事手伝いに来ていたソフィー(ドリュー・バリモア)に詞の才能を見出し、一緒に曲作りを始めますが……。

この映画は何と言っても、冒頭に流れる「POP」のプロモーション・ビデオのインパクトに尽きます。いかにも80年代風のセットの中で歌って踊るヒュー・グラントを見て笑わずにはいられないでしょう。当時のポップ音楽シーンがどんなものだったかを知っている方は余計に面白く感じられるはず。ちなみにヒュー・グラントのボーカル指導を担当したのは、80年代前半にイギリスで人気を誇ったポップ・グループ「ABC」のマーティン・フライ。製作サイドのこだわりが感じられます。

大笑いできる類のコメディーではありませんが、不思議な発言と行動をするドリュー・バリモアと、ちょっと理屈っぽくて他人の言ったことをすぐ混ぜっ返すヒュー・グラントという取り合わせが良く噛み合っていて、始終クスクス笑えます。脇を固める役者達も、キャラクターがしっかりしているので安心して見ることができました。また、超人気ポップ・シンガー、コーラを演じるヘイリー・ベネットは1989年生まれの本物のシンガー。彼女の奇想天外なステージと音楽もストーリーに楽しいアクセントを加えています。

ミトウ:
札幌生まれ、札幌育ち。高校卒業後、渡米。現在はショアライン・コミュニティー・カレッジで4年制大学への編入を目指して勉強中。好きな映画は「Down By Law」「Crash」「博士の異常な愛情」「リアリズムの宿」「tokyo.sora」「秋刀魚之味」など。