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She’s Out of My League

■She’s Out of My League
監督:ジム・フィールド・スミス 出演:ジェイ・バルチェル、アリス・イブ、T・J・ミラー、ほか
公開日:3月12日(金) レート:R 公式ウェブサイト:www.getyourrating.com

She's Out of My League

第170回 She’s Out of My League
本レビューは毎回1,000字前後でまとめることになっているのですが、何をどうやったら1,000字も埋められるのかと頭を抱えてしまう作品について書かなくてはならないことも時折あり、この「She’s Out of My League」はまさにその典型例。
ここ数年で「The 40 Year Old Virgin」や「Superbad」といった、本当にどうしようもないダメ男を題材にしたコメディーが増加していますが、本作もその流れを汲んだストーリーとキャラクター設定になっています。ちなみに主人公のカークを演じているジェイ・バルチェルはまさに同系統コメディの「Knocked Up」にも出演していました。
ストーリーは至ってシンプルで、空港のセキュリティーとして働くカークが、どういうわけかアリス・イブが演じる美人のイベント・プランナー、モリーに気に入られてしまい、お互いの世界の違いに戸惑いながら恋愛関係を発展させていくというもの。何百という映画がなぞってきたストーリーの焼き直しで、真新しいことは全く見つかりません。このテの映画に驚きの結末などを期待するほうが間違っているのかもしれませんが、ひとひねりは欲しかったところです。

キャラクターに関して言えば、カークとその取り巻きは、空港で冴えない仕事に就いているダメ人間集団。四六時中おバカなことしかしゃべらない連中ですが、特にT・J・ミラーの演じるステイナーは、ただただ暴言しか吐かない暴走男で、全く空気を読まない無茶ぶりの数々に、観客は皆大笑いしていました。逆に言うと、ステイナーの会話シーン以外は目立って大笑いするような場面はなく、終わってみたらメインのカップルよりT・J・ミラーのほうが印象に残っているという結果に。

この作品の致命的なところは、先述した「The 40 Year Old Virgin」や「Superbad」にはある自虐ネタや、ここまでいけば笑うしかないというくらい思い切った場面がひとつもなかったところだと思います。ギャグを次々繰り出してくるわけでもなく、かといって質の高い何かがあるわけでもなく、とりあえず収まるところに収まったという、中途半端さが目につく残念な1本になってしまいました。

4月公開の注目作品

Clash of the Titans
監督:ルイ・レテリエ
出演:サム・ワーシントン、リーアム・ニーソンほか
公開日::4月2日(金)
を起こす。人間の創造主であり、神々の王でもあるゼウス(リーアム・ニーソン)は激怒。人間に育てられた彼の息子ペルセウス(サム・ワーシントン)が立ち上がるが……。

The Back-up Plan
監督:アラン・ポール
出演:ジェニファー・ロペス、アレックス・オロックリンほか
公開日:4月23日(金)
子供が欲しいゾーイ(ジェニファー・ロペス)は、なかなか良い男性に出会えず、人工授精に臨む。その後、理想の男性スタン(アレックス・オロックリン)に出合い、妊娠のことを言えないままデートを重ねるが……。

A Nightmare on Elm Street
監督:サミュエル・ベイヤー
出演:ジャッキー・アール・ヘイリー、カイル・ガルナーほか
公開日:4月30日(金)
眠っている人の夢に登場し、殺人を犯すフレディー(ジャッキー・アール・ヘイリー)。夢の中で殺された人々は実世界でも同じ傷を負い死んでしまう……。84年に第1作が公開された同作のリメイク版。

文/伊藤 晶
札幌生まれ、札幌育ち。アメリカ生活5年目。07年9月からオレゴン大学でコミュニケーションを専攻中。好きな映画は「Down By Law」「Garden State」「リアリズムの宿」「好きだー」「サマータイムマシーン・ブルース」など