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ポートランドにあるナイキやコロンビアなどの本社、ショップ巡り

自然に囲まれ、アウトドア・アクティビティーが盛んな環境であるポートランドには多数の人気アウトドア・ブランド・ショップが立ち並ぶ。その中でも世界的に人気のスポーツウェア・ブランドのナイキ、アウトドア・ブランドのコロンビア・スポーツウェアはポートランド生まれで、ナイキはポートランド郊外のビーバートンに、コロンビアはポートランド市内に本社を構えている。

ポートランドには両ブランドの旗艦店やアウトレット・ストアあるので、観光中にはぜひ訪れてみたい。さらに、世界的に有名なスポーツブランドで、多くのスポーツチームの公式スポンサーなどを務めるアディダスも、北米本社をポートランドに置き、直営のアウトレット・ストアがポートランド郊外にある。オレゴン州は消費税がかからないので、日本では珍しい商品や欲しかったモノをお得に手に入れよう!

ポートランド周辺の観光マップ

ナイキ(Nike)本社やポートランドの関連ショップ巡り

コロンビア渓谷
ナイキ本社。手前の池はナイキ・レイクと呼ばれる。
Carson, Brandon / Wikimedia Commons

ナイキ本社の概要

Nike World Headquarters

ナイキ・ワールド・ヘッドクオーター」と呼ばれるナイキ本社があるのはビーバートン市。ビーバートンはポートランドから7マイル西に位置し、日系スーパーマーケットの宇和島屋など日系ビジネスが集まる。ダウンタウン・ポートランドからビーバートンの中心地までは車で20分~30分の距離で、MAXライトレールを利用すれば車がない観光旅行者でもポートランドから比較的簡単に行くことができる。

ナイキの歴史は、その前身のブルー・リボン・スポーツから始まる。オレゴン大学の陸上選手だったフィル・ナイトと、同大学陸上部コーチのビル・バウワーマンが1964年に同社をポートランドで創業し、その後1971年、『ナイキ』という新ブランドが「スウッシュ」と呼ばれるロゴマークと共に誕生。

1980年代に69.5エーカーの広さでオープンした現在のナイキ本社は、これまでに約286エーカーまで拡張された。敷地内の建物数は大小75以上を数え、サッカーフィールド、テニスコート、競技用トラックやランニングのトレイル、体育館などのスポーツ施設も整っている。

多くのアスリートのスポンサーであるナイキの本社建物・施設には有名スポーツ選手の名前が使われているのが特徴で、最近ではバスケットボール・コートや陸上トラックなどを含むスポーツリサーチ施設「レブロン・ジェームズ・ビルディング」が2021年に、オフィスビルの「セリーナ・ウィリアムズ・ビルディング」が2022年に完成している。

○ナイキ本社 / ナイキ・ワールド・ヘッドクオーターの場所:
1 Bowerman Dr., Beaverton

○ナイキのコーポレート・サイト:
https://about.nike.com/

○ナイキ・ワールド・ヘッドクオーターへの行き方:
ダウンタウンからMAXライトレールのブルーライン、またはレッドラインでSunset TC 駅まで行き(所要時間約15分)、サンセット・トランジット・センターから62番のバス(Washington Square行き)(所要時間約20分)でSW Murray & Nike下車。

またはダウンタウンからMAXライトレールのブルーラインでMillikan Way駅まで行き(所要時間約25分)、上記と同じ62番のバス(所要時間約6分)に乗るか、駅からUberなど配車サービスを利用。

ナイキ本社キャンパス
ナイキ本社
ナイキ本社見学について

基本的に一般には公開はされておらず、社屋の見学はナイキ従業員の招待が必要。しかし、招待がない訪問者でもアクセス可能な場所もある。

本社のいくつかの食堂では、ナイキ関係者以外も食事することができるようだ(2019年時点)。ジョギングができるトレイルもあるので、時間があればナイキのTシャツやスニーカーを身につけて走ってみては。

本社を訪れる前に、フィル・ナイト氏の自伝「SHOE DOG 靴にすべてを。」を読んでおくと訪問時の印象が違ってくるかもしれない。創業当時の日本企業オニツカタイガー、またナイキの危機を救った日商岩井との関わり、オレゴン大学、ポートランドなどでのさまざまな興味深いエピソードが記されている。

ナイキ本社正面入り口

本社を訪れる観光客が写真を撮影をするスポット。バス停、SW Murray & Nike の近く。

Steve Prefontaine Hall

ナイキ正面入り口の建物。一般客も入ることができる展示スペースがある。創業者であるフィル・ナイトがスニーカーを販売するために使ったフォルクス・ワーゲンを再現したもの、ビル・バウワーマン氏がワッフルソールを思いついた時に使ったワッフルメーカーなど、ナイキの歴史に関する展示が見られる。

建物の名前に冠されたスティーブ・プリフォンテーンは、ナイキが初めてスポンサー契約したオレゴン出身の有名なランナー。選手として活躍している時に交通事故で亡くなっている。

ポートランド周辺にあるナイキ関連のショップへ!

ナイキの直営店やアウトレット・ストア、またはナイキのレア商品が並ぶお店を紹介。ナイキ・ファンならぜひ立ち寄ってみて。

ナイキ・ポートランド Nike Portland

パイオニア・コートハウス・スクエアの近くにあるナイキの直営店。店内には歴代のエア・ジョーダン・シリーズが展示されている。お土産にナイキ・ポートランド限定版Tシャツもチェックするのを忘れずに。

場所: 638 SW 5th Ave, Portland
営業時間:10:00am-6:00pm(日・11:00am~6:00pm)
www.nike.com/retail/s/nike-portland

ナイキ・ファクトリー・ストア Nike Factory Store

ポートランド郊外、ウッドバーンにある大型アウトレット・モールに入るナイキ直営のショップ。高速道路I-5沿いにあり、ポートランドからの所要時間は車で約30分。コロンビア、アディダスのアウトレット店もある。

場所: Woodburn Premium Outlets
1001 Arney Rd., #810, Woodburn
営業時間:日〜金10:00am-7:00pm、土10:00am-8:00pm
www.nike.com/retail/s/nike-factory-store-woodburn

行き方:ポートランドガイド内のアウトレット・モール情報に記載。

インデックス PDX Index PDX

スニーカーのコンサイメント店。なかなかお目にかかれないナイキ製スニーカーもずらり。

場所:114 NW 3rd Ave, Portland
営業時間:12:00pm-6:00pm(土・12:00pm-7:00pm)
www.indexpdx.com

行き方:MAXライトレールのNW 5th & Couch駅から徒歩3分。

デッドスストック・コーヒー Deadstock Coffee

デザイナーとしてナイキに勤務していたオーナー、Ian Williamsさんのカフェ。店内にはナイキのスニーカー・コレクションなどが飾られている。

場所:408 NW. Couch St., Portland
営業時間:月~木8:00am-3:00pm、金土8:00am-4:00pm、日9:00am-3:00pm
休み:なし
www.deadstockcoffee.com

行き方:MAXライトレールのNW 5th & Couch駅のすぐそば。

ナイキ・ポートランド
ナイキ・ポートランドの入り口付近
ナイキ・ポートランド エア・ジョーダン・シリーズ
ナイキ・ポートランド2階に展示されているエア・ジョーダン・シリーズ

 

ナイキが誕生したのは1968年、オレゴン州ユージーンにて。オレゴン大学陸上部出身のフィル・ナイト氏と陸上部のコーチだったビル・バウワーマン氏が、ナイキの前身である「ブルーリボン・スポーツ」をユージーンで始めた。ポートランドからバスや電車で行けるユージーンには、ナイキに関するコレクションが見られる店舗や施設もあるので、時間があれば足を伸ばしてみて。

ユージーンについての情報は 「オレゴン州ユージーン(オレゴン大学の街、陸上競技の聖地)の観光」のページへ

 

コラム/世界中で人気のスポーツ・ブランド「ナイキ」について

日本と深く関わっているナイキ

日本はもちろん、世界各国で認知されているスポーツ・ブランド、ナイキ。ロゴ・マークである『Swoosh』の認知度は、コカ・コーラに次いで世界第2位と言われており、アメリカのポップ・カルチャーを代表する企業としても有名です。ナイキの契約アスリートは、これまでバスケットのマイケル・ジョーダンを筆頭に、ゴルフのタイガー・ウッズ、サイクリングのランス・アームストロングなど、スーパースターの名前が並びます。

独創的、時には挑戦的とも思えるコマーシャルのイメージも重なって、ナイキを華やかで派手な“ファッション・ブランド”と捉えている人も少なくありません。確かに、こうしたブランド・イメージは、ナイキが意図して作り出したものです。しかし、その核になっているブランド・アイデンティティーはもっと堅実で、地道な努力の積み重ねでできたことをご存じですか? スポーツにおける成功に汗と涙と努力が欠かせないように、ナイキの成功もまた例外ではないのです。
ナイキの前身である『ブルー・リボン・スポーツ(BRS)』は1964年オレゴン州で、オレゴン大学の陸上部コーチだったビル・バウアーマンと、彼の元教え子でスタンフォード大学MBA卒のフィル・ナイトによって設立されました。資本金は$1,000で、最初のビジネスはなんと、日本の『鬼塚タイガー(現アシックス)』のランニング・シューズをアメリカで輸入販売することでした。当初の輸入数はたったの200足。フィル・ナイトは会計事務所に勤めながら、空いた時間を利用してこの200足を競技会などに出向いて販売しました。BRSのビジネスはこのように地道に、小規模に、5年間も続けられました。

そして1971年、『ナイキ』という新ブランドがロゴマークと共に誕生。ビジネスを拡大するために資金が必要だったものの、地元の銀行にローンを貸し渋られ、資金調達が困難に。その時、フィル・ナイトが助けを求めたのは日本企業でした。結局、東京銀行(当時)の紹介で商社の日商岩井(現:双日)から資金援助の確約を得て、フィル・ナイトはその後の成長に必要だった資金面の基盤を作ることができたのです。

新しいマーケティング手法

こうして資金源を確保した2年後、当時アメリカ陸上競技界のスターだったスティーブ・プリフォンテーンと最初の契約を結び、一流アスリートの活躍を通してブランド名を宣伝する新しいマーケティング手法を編み出しました。その後、テニスのジョン・マッケンロー、当時はNBAのルーキーに過ぎなかったマイケル・ジョーダンなどと契約を結び、ナイキは陸上競技を越えてさまざまなスポーツへ拡大していきました。

順調に成長してきたかに見えるナイキですが、売上高が10億ドルを超えたのはBRS設立から22年が経過した1986年。しかし、この22年間はその後の企業発展の基礎を、そしてナイキ・ブランドの性格を形成した重要な時期だったと言えるでしょう。この間に築いたアジア生産体制や国内流通体制の基礎は、その後の急激な成長をしっかり支えました。また、スポーツの現場である競技場に赴き、選手と直接話し合いながら製品の機能・品質向上を図る方法は、今でも製品開発の基本になっています。

ナイキは各スポーツ・カテゴリーの消費者像に合わせて、そのブランド・メッセージを変えています。しかし、現在でも昔ながらのブランドの表情を変わらず保っているカテゴリーがひとつあります。それはランニング。ナイキはオレゴン大学陸上部のコーチとランナーによって生み出され、陸上競技のトラックで長い時間を経て育てられたルーツがあります。ビジネスが伸び悩んだ時もランニングにフォーカスし、同じことを繰り返しながら着実に進んできました。そう考えると、一見華やかで派手なナイキ・ブランドの本質は、400mのトラックをひたむきに走るスティーブ・プリフォンテーンの姿に、今でも体現されている気がします。

2000年頃までのナイキの歴史

  • 1964年:フィル・ナイトとビル・バウアーマンによって『ブルー・リボン・スポーツ』が設立。『鬼塚タイガー』のスポーツ・シューズの輸入販売を開始
  • 1971年:新ブランドのナイキが誕生(その後『ナイキ』社を設立し、『ブルー・リボン・スポーツ』を吸収合併)
  • 1973年:陸上選手のスティーブ・プリフォンテーンと初契約を結ぶ
  • 1980年:株式上場
  • 1985年:シカゴ・ブルズのマイケル・ジョーダンが『エア・ジョーダン』を着用開始
  • 1988年:『Just Do It』キャンペーンが大成功。その後の10年間で売上高が12億ドルから95億ドル(約8倍)へ急成長
  • 2003年:コンバース社を買収。売上高120億ドルを記録

文/渡辺一夫(2004年執筆)

コロンビア・スポーツウェア本社や関連ショップ巡り

コロンビア・スポーツウェア本社の概要

Columbia Sportswear Headquarters

ポートランドの住民にも馴染みの深いコロンビア・リバーから社名がつけられたコロンビア・スポーツウェア。1938年に帽子屋として創業。現在の本社は2001年にオープン。

○コロンビア本社の場所:
14375 NW Science Park Dr. Portland

○コロンビアのウェブサイト:
www.columbia.com/

○コロンビア・スポーツウェア本社への行き方:
MAXライトレールのSunset TC 駅で下車し、サンセット・トランジット・センターで48番のバスに乗車。NW Cornell の14100 ブロックで降りて徒歩約7分。ダウンタウンからの所要時間はおよそ40分。

ポートランド周辺にあるコロンビアの関連のショップへ!

コロンビア・スポーツウェアの直営店やアウトレット・ストアを紹介。

コロンビア・スポーツウェア本店
ポートランドのコロンビア・スポーツウェア 本店
コロンビア・スポーツウェア 本店 Columbia Sportswear Portland

ダウンタウン・ポートランドにある本店は、パイオニア・コートハウス・スクエアから2ブロックにある歴史建造物に入店。1階は女性向け、2階には男性向け商品を中心に陳列している。

場所:911 SW Broadway, Portland
月〜土10:00am-6:00pm、日11:00am-6:00pm
https://stores.columbia.com/columbia-portland

コロンビア・ファクトリー・ストア Columbia Factory Store

ディスカウント価格の上、消費税もかからないのでかなりお得感がある。場所はダウンタウンから南方面にあるセルウッド。

場所: 1323 SE Tacoma St, Portland
月〜土10:00am-7:00pm、日11:00am-6:00pm

https://stores.columbia.com/portland-factory-store

行き方:ダウンタウンからはMAXライトレールのオレンジラインでSE Tacoma/Johnson Creekから徒歩20分。

コロンビア・ファクトリー・ストア Columbia Factory Store

ポートランドから東の郊外にある大型アウトレット・モール、コロンビア・ゴージ・アウトレットに入るコロンビア直営のショップ。ポートランドからはI-84を東へ車で約25分。アディダスも入っている。

場所: Columbia Gorge Outlets
450 NW 257th Way, Troutdale
月〜土10:00am-8:00pm、日10:00am-6:00pm
https://stores.columbia.com/columbia-gorge

行き方:ポートランドガイド内のアウトレット・モール情報に記載。

コロンビア・ファクトリー・ストア Columbia Factory Store

ポートランド郊外、ウッドバーンにある大型アウトレット・モールに入るコロンビア直営のショップ。ポートランドから高速道路I-5を南下し、車での所要時間はおよそ30分。高速道路沿いに位置しており、ナイキ、アディダスも入る。

場所: Woodburn Premium Outlets
1001 N. Arney Rd., Woodburn
日〜金10:00am-7:00pm、土10:00am-8:00pm
https://stores.columbia.com/woodburn-factory-store

行き方:ポートランドガイド内のアウトレット・モール情報に記載。

アディダスの北米本社や関連ショップ巡り

アディダス北米本社の概要

adidas North America / adidas Village

ドイツを拠点とする有名ブランドで、1993年より北米の本社をポートランドに置く。アディダスはポートランドのサッカーチーム、ティンバースの公式スポンサー。 アディダス・ビレッジと呼ばれる本社はダウンタウン・ポートランドからウィラメット川を渡って北の比較的行きやすいエリア。

ポートランドのスラブタウン近くにアディダスの社員専用店舗(adidas Employee Store)があるが、基本的に一般客は買い物できない。但し、過去にはオープンハウスとして一般に開放したこともあるので、SNSでチェックしてみて。

○アディダス北米本社の場所:
5055 N. Greeley Ave. Portland

○アディダスのウェブサイト:
www.adidas-group.com/en/group/headquarters/

○アディダス北米本社への行き方:
ダウンタウンからはバス35番で所要時間約25分。

ポートランド周辺にあるアディダスの関連のショップへ!

アディダスの直営店やアウトレット・ストアを紹介。

アディダス・アウトレット・ストア Adidas Outlet Store

ポートランド郊外、ウッドバーンにある大型アウトレット・モールに入るアディダス直営のショップ。

場所:Woodburn Premium Outlets
1001 N. Arney Rd., Woodburn
日〜金10:00am-7:00pm、土10:00am-8:00pm
https://www.premiumoutlets.com/outlet/woodburn/stores/adidas-outlet-store

行き方:ポートランドガイド内のアウトレット・モール情報に記載。

(情報は2024年1月の時点のもの)


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