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インターナショナル・ディストリクトで格安ベトナム料理を制覇する

Huong Binh  フーン・ビン

(2003年11月)

本場ベトナムの雰囲気満点

シアトルに住むベトナム人が「ここが一番!」と口を揃えるお店が、インターナショナル・ディストリクトのジャクソン・ストリート沿いにある「フーン・ビン」。ベトナム系の雑居ビルが建ち並ぶリトル・サイゴンにあっても、派手なベトナム・カラーのぼんぼりで装飾された外観と、軒先に並ぶ数々の乾物が、他店とは一線を画している。

約60種類のメニューは、どれもベトナム料理の基本を押さえた素朴な味。5ドル前後でランチが済むとあって、お昼時には地元のベトナム人で席がほとんど埋まってしまう。日本人にも人気の前菜、ライス・ペーパーで生野菜やエビ、豚肉などを巻いた「ゴイ・クン(2本/$3)」は、シンプルながらも「これこそ、生春巻き!」と納得の、ベトナム料理好きにはたまらないおいしさ。また、蒸した米粉にエビの粉末をまぶした「バイン・ベオ($4.50)」は、もっちりとした歯ごたえが楽しめる一品だ。

ベトナム料理には欠かせない麺類も豊富だが、ぜひ試してもらいたいのが「ブン・ボー・フエ($5)」。ベトナムのフエ市の名物料理で、赤味がかった辛いスープに牛肉とブン(米麺)、香味野菜などが入っている。このブンはうどんのように太いのが特徴で、しこしこした太麺に牛肉のうま味が溶け込んだスープが絡まり、後からピリッとくる辛さもちょうど良く、寒い季節にはぴったりだ。

グリル物では、焼いた牛肉をブンの上に載せた、日本のカルビ丼を思わせる「ブン・ボー・サオ($6)」ほか、串焼きなどのメニューもある。数人で訪れるなら「バン・ウッ・ティット・カム($8)」がお得。エビ、豚肉の串焼きと、中心にサトウキビが入ったエビのすり身揚げ、極細のブンなどをレタスで巻いて食べる。いろんな種類を少しずつ味わいたい人にもオススメ。

残念なことに「フーン・ビン」にはアルコール類のメニューがないが、テイク・アウトが可能なので、いろいろ持ち帰っておつまみにしても良さそう。乾物やベトナムの菓子類もたくさん売られている。店内でスイーツを食べるなら何と言っても「チェー($1.75)」。これはココナッツ・ミルクをベースにしたベトナム流パフェで、あずきと栗の入ったチェーは氷あずきのような懐かしい味。英語のあまり通じない店員とベトナム人の客に囲まれながら、気分だけでもベトナムにトリップできる貴重なレストランだ。(取材、文・小関典子)





Huong Binh → MAP
1207 S. Jackson St., #104, Seattle, WA 98144
TEL:206-720-4907
営業時間:8:00 a.m.~8:00 p.m.
価格:前菜$1.50~、主菜$4.50~

(2003年11月時点の情報です)