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30代で結婚歴2年、不妊に悩んでいます。どんな検査ができるのでしょうか?

さまざまな分野の専門家が読者の皆さんの質問にお答えします。

30代で結婚歴2年、不妊に悩んでいます。どんな検査ができるのでしょうか?

< 回答者|ナース・プラクティショナー・助産師・看護学博士 押尾祥子先生>

2年試みても妊娠しなければ、検査したほうが良いでしょう。不妊の原因はさまざまですが、主に3つの分野を以下のように調べます。

【卵巣の反応】まず、これまで生理が順調に起こっているかどうかを詳しく聞きます。次に、クロミッド・チャレンジ・テストという検査をします。これは、クロミッドという排卵促進剤を飲んで、ホルモンの反応を見る検査です。生理の3日目に血液検査と超音波検査をして卵巣の準備状態を見て、それからクロミッドを5日目から9日目まで飲みます。その後、血液検査を10日目に再度行います。この検査によって、卵巣が排卵できるかどうかがわかります。

【精子の能力】これは男性側の検査です。これまでに精子の数や質に影響を与えるような生活習慣、病気などがなかったかどうかを詳しく聞きます。次に2、3日禁欲した後に射精した精液を調べます。精子の運動能力などを正しく調べるため、射精後すみやかに検査しないといけません。病院に特別な採取室がある場合もありますし、自宅で採取して体温程度に温めながら30分以内に検査室に届ける場合もあります。普通は精子の数、運動能力、奇形のある精子の割合などを調べますが、不妊症専門クリニックでは、それに加えて、精子が卵子と合体できる能力があるかどうかも調べられます。

【子宮・卵管の構造】卵管が詰まっていないかどうか、造影剤を入れてレントゲンを撮る卵管造影という検査をします。子宮内に異常があることが疑われる場合は、これに加えて、子宮内に水を入れて超音波で見るソノヒステログラムという検査をします。卵管が詰まっていれば、昔はそれを治す手術をしたのですが、最近は体外受精が勧められます。体外受精が簡単にできるようになり、卵管補正よりも成功率がずっと高いためです。

卵子の質が不妊治療の成功に大きく影響します。年齢が35歳以上の場合、半年努力して妊娠できなければ、専門施設で検査してみてください。

(2007年6月)

ナース・プラクティショナー・助産師・看護学博士 押尾祥子先生


エバーグリーン病院内センター・フォー・ウィメンズ・ヘルスを通じて妊娠・出産のケアを行う。全米トップ・クラスの成功率を誇る不妊症クリニック、ノースウエスト・センター・フォー・リプロダクティブ・サイエンスにて、日本語サポート・サービスを担当。  

Sachiko Oshio, CNM., PhD
TEL: 206-354-6619
www.nadeshikoclinic.com