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更年期障害は体のゆがみと関係するのでしょうか。

さまざまな分野の専門家が読者の皆さんの質問にお答えします。

更年期障害は体のゆがみと関係するのでしょうか。

< 回答者|カイロプラクター 門屋智子さん>

更年期障害は40~50代くらいの閉経前後の女性に多く見られる症状です。この年代になると、エストロゲンなどの女性特有のホルモンが減少し、ホルモン・バランスが崩れることが多いのです。

ホルモンは生殖器だけでなく全身に影響を与えているので、ホルモン・バランスが崩れると、全身にさまざまな症状が出ます。主な症状は、顔のほてり、過剰な発汗、めまい、立ちくらみ、動悸、息切れ、頭痛、耳鳴り、便秘、下痢、不眠、食欲減退、冷え性など、本当にさまざまです。いつも体がだるくてやる気が出ない、イライラして気持ちが安定しないなど、精神的な影響が出ることもあります。また、最近は食生活の乱れやストレスなどから30代で症状が出る人も見られます。

女性の生理痛や更年期障害など、婦人科系の症状は、実は骨盤のゆがみが関係していることが多いのです。通常、女性は生理になると骨盤が少し緩み、終わると締まります。健康な人は毎月生理の度に自然と骨盤を調節しているのです。当然のことながら妊娠、出産の時は大きく骨盤が緩み広がります。更年期になると、この骨盤の開閉が活発に行われなくなるため、骨盤の動きが悪くなる人が多いのです。更年期障害を予防するためには若い時から体調を整え、足を組んで座るなどの骨盤のゆがみを助長するような姿勢を避けましょう。また、ひどい生理痛など婦人科系の問題がある場合は、早めに対処をしておくことが大事です。

生理に関するトラブルのなかった人は更年期障害の症状も軽いことが多いです。逆に生理前症候群やひどい生理痛があった人などは、若い時からの骨盤のゆがみやホルモン・バランスの崩れをそのまま更年期に持ち込むので症状が重くなったりします。もう症状が出ているという場合でも遅くはありません。食事や睡眠などの生活習慣を見直しましょう。また、腰を左右にひねり、腰回りを柔らかくするなどの運動をすることにより、症状が和らぐことがあります。ひどい場合には、治療してもらうことも大事になってくるでしょう。

(2007年12月)

カイロプラクター 門屋智子さん


1998年に渡米。2006年にウエスタン・ステイツ・カイロプラクティック大学を卒業し、免許を取得。現在はオレゴン州のタイガードでカイロプラクティックのクリニック、「サンライズ・ナチュラル・ヘルス」を開業。高齢者介護施設でリハビリ運動を教えるボランティアも行っている。