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帰国ママからの浜っ子だより

帰国ママ

シアトルに7年住んで日本に家族で戻ってみれば……毎日が逆カルチャー・ショックの連続!(文/佐藤美和)

第2回:初中学受験、母子の熱き闘い6カ月

長男の陽太朗は中学受験を目指し、9月の帰国直後から毎週日曜は塾通い。陽太朗の学年では半分が中学受験をする。ほとんどが公立中学へ進んでいた私の時代とは変わった! 4年生、早い子は3年生から受験のための塾に通うのが普通で(驚き!)、週3、4回塾ヘ行き、帰るのが夜10時(これまた驚き!)。そして受験日は小学校が欠席扱いにならない(陽太朗は受験日だけ欠席したが、風邪をひかぬよう数日前から休んで受験に備えている子がほとんど。知らんかった!)。

中学受験って本当に大変。塾はたくさんあるものの、帰国子女用となると少なく、シアトル日本語補習学校で一緒だった4人も同じ塾に。年末年始は冬期集中講座。日本で3本の指に入るくらい通勤ラッシュのひどい電車で渋谷の塾まで通う。平日だったので「陽太朗、絶対つぶされる!」と思い、私も付いて行ったが、ふたりともつぶされたのであった。「くるしー、息できん!!」

1月・2月と陽太朗は2校受験。結果は1勝1敗。最初に受けた学校が合格でとりあえず「ホッ!」。この学校、受験の翌日が合格発表。受験票と引き換えにもらう封筒の中に、合格か不合格と書いた紙が入っている。大抵、受験番号が張り出され、受験生が帰りに封筒を持っているかどうかで結果を想像してしまうが、皆が学校名の入った茶封筒を持って帰るわけだから、心優しい配慮(?)。そして2校目の受験日。試験会場に向かう道沿いにはズラーッと塾の先生が。「絶対勝つ!!」「燃えろ!」などと書いたのぼり&はちまきと共に総勢30~40名が立ち並び、ビビる母子。陽太朗も塾の先生を見つけ、安心した様子。その学校は落ちたけれど……人生いろいろ~受験もいろいろ~♪ 家から近いほうに合格したから良かった! なんと平均通学時間は片道1時間20分。電車に2回も3回も乗り換え、そのうえバスに乗るのが当たり前。考えられん! でもこれが現状。バス停まで徒歩10分+バス10分=片道20分の陽太朗は幸せですわ。2月10日には早速算数のテスト。能力別にクラスを分けるらしい……。ここで一句【テストやで 終わって次の テストやでー】。 あぁ、4月から毎日弁当か……さらに一句【くるしいな はやおきなんて やなこった】

わずか数カ月前までアメリカでのびのびと(2カ国語の勉強は大変だったが)暮らしていた陽太朗に、親の意思で中学受験させるのはどうかと思ったこともあった。しかし、この経験で彼も少しは成長したんでは? 公立に進んでも英語力をキープするために塾通いするなら、帰国子女のクラスがある私立中学は、これはこれで良かったのかもしれない。

第3回:買い物あれこれ

この「浜っ子」を読んで、アメリカ在住の方は「ヘぇー? 日本ってこうなんだ」と思うかもしれない。日本に住んでいる方は「そんなん、当たり前やん!」と思うことだろう。7年強アメリカで暮らしたせいか、生まれて初めての関東暮らしのせいか、未だにいちいち驚いている日々。この感覚はいつまで続くんだろうなぁ~。

シアトル在住時は、よくスーパーで花を買って部屋に飾っていた。わずか1輪でも生花があれば、気分も明るくルンルンよ! それが日本のスーパーでは花の値段の高さにビックリ。そうだった、逆にアメリカへ行った時「これだけ大きな花束でこの値段!? 安ぅ~」と店先で叫んだものだった。とにかく高いので、お客さまが来る時以外あまり買わなくなった……。さびしいことだ! しかし、いいことを思い付いたのである。普通の花束より安い花束があるのだ。それは……「お供え用の花」。

そう、仏さまにお供えする花! 白と黄色の菊が入ったものがほとんどだが、中にはピンクのカーネーションや紫のかわいい花が入っている。これなら花束で500円くらいだから、それを買って帰って、玄関、洗面所、リビング・ルームと上手に3カ所に分けるのである。白と黄色の菊も、別々に飾ればお供えの花にならない。今、お気に入りの飾り方は、シアトルで買った濃いブルーのショット・グラスに真っ白のカスミソウだけ入れて飾る、というもの。何とも品があり、まるでその家の奥さまのよう(ウフッ)。

日本は、何メートル間隔かわからんが、とにかく道を歩けば自動販売機がある。あのジュースの自動販売機が私にとっては困ったもので……。なぜなら、子供達は自動販売機でジュースを買うことも、おいしい日本のジュースを飲むことも大好きで、自動販売機があるごとに立ち止まり、「これ買ってぇ~~」と叫び、そこから動かないのである。ったくもう! 2、3歳の子ならわかるが、我が子は12歳&9歳。頼むでーー! 毎回、自動販売機前で立ち止まって叫ばんでくれーーー!

今、我が子がハマっている飲み物は「C.C.レモン」「サントリー黒烏龍茶」「カルピスウォーター」「バブルマン」(←なんじゃこりゃ~~~。どうやら炭酸ソーダらしい)。ちなみにその母がハマっているのは「コラーゲン10000+ビタミンC1000」。これが自動販売機にないので、コンビニで買っている。わずか200ミリリットルとめっちゃ小さいくせに、210円もしよる!でもコラーゲンは大事や! まぁ、ツルツルお肌をキープするため、愛飲しているのであった(結局、あんたもコンビニで買っとるやん!)。「青汁」も毎日愛飲しているよ。浮気しないからねハート 青汁チャン!

第4回:ヤバい日本語

相変わらず時々ヤバい日本語を使う小学4年生の娘、寿々歌。先日キッチンで私が何か物を落とし、ドッドーンと大きな音がした。ビックリして飛んで来た寿々歌と私の会話。

美和「あ、ごめん……でもコレ割れなかったわ」
すず「ビックリ~。ママは親バカなんだから!」
美和「……お、おやばかぁーー!?」

と、説明も面倒くさくなったのであった。そして、寿々歌の靴を買いに行った時の話。

美和「これ履いてごらん。ちょっと小さい?」
すず「うん……ここが少し痛い」
美和「20センチは? アンタいくつだっけ?」
すず「すずちゃん、もう9歳!」
美和「え、えーーっ!? ち、違うがな! アンタの年齢とちゃうでぇ~、靴のサイズや!」

丁寧に「靴のサイズはいくつ?」とは聞かなかったが、靴を選んでるやろがー。年齢聞いてどないするんや! その場の流れを考えろって。

そして先日、突然シアトルのお友達を思い出したのか、「ママー、すずちゃん、シアトルに帰りたーい!」と、半べそをかいて叫んだ。シアトルにかえる? カエル? 蛙? 返る? 帰るぅー??? それは「帰る」ではなく「行く」でしょ? 我々日本人だしさぁ~。でも無理もない。寿々歌が1歳の時にシアトルに行き、7年4カ月も暮らしたんだもんね。そうか、彼女の故郷はシアトルなんだ……と、つくづく感じたのであった。

地理の授業は確か、小学4年生から。アメリカにいる時、日本地図を見せて「ここが東京」「ここが大阪で宝塚はこの近く……」なんて話はしなかった。アメリカの地図を見れば、全部ではないが、いくつかは「ここは○○州」と答えられるであろう。しかし、驚くことを言ったのである。

すず「ねぇママー! すずちゃんって、横浜市青葉区に住んでいるんだよね」
美和「うん、そうだよ」
すず「神奈川県と横浜市ってどっちが大きい?」

こんな質問ありえへんでぇー!! でも、日本地図はあまり見たことないから、しゃあないか……。

中学生の息子、陽太朗もまた、相変わらずオモロイ。先日、学校から帰って来て、またすぐに出掛けなければならなかった時のこと……。

美和「はよー、このおにぎり食べやー!」
陽太朗「そんなに早く食べられないよォー、ゲホゲホッ……ママ、おにぎりがこかんに入るぅ~」
美和「……コカン? こかん? 股間?? アンタ、こかんじゃなくてきかん(気管)やろが!」
陽太朗「……ああ、キカンか……」
美和「アンタ、股間ってどこか知ってるか!?」

その後の会話はご想像にお任せいたします(←急に丁寧語)。

第5回:電車に乗る

「Suica」って何? スイカ? すいか? 西瓜? これはJR東日本の乗車カードで、“スイスイ行けるICカード”という意味らしい。ちなみにJR西日本は「ICOCA」。イコカ? いこか? 行こか~?

このカードに入金しておくと(上限金額は2万円)、カードを改札口の機械の上にピーッと当てるだけで電車に乗れるのだ。しかも財布からそのカードを出さなくてもOK(初めはいちいちカードを出してピーッとやってた……)。昔々のその昔(民話とちゃうでー、実話やでー!)、定期券は駅員に見せていた。その後、定期券を切符と同じように自動改札の機械に入れられるようになり、感動を覚えた。そして今、機械にピーッと当てるだけよ。世の中進歩したものだ。

さて、話をSuicaに戻すが、このカードは今年の3月18日から私鉄や地下鉄、バスでも使えるようになった。似た機能を持つ乗車カードでは、ほかに首都圏の私鉄が発行する「Pasmo」がある。いや~、便利になったなあ(私が日本にいたころは、阪急電鉄の「ラガールカード」しか知らなんだ……)。

そのSuicaは、今や自動販売機や売店、喫茶店などでの支払いにも使える。Suicaのキャラクターは、なぜかペンギンちゃん。ICOCAのキャラクターも知りたくてインターネットで調べたが、ペンギンのようなペリカンのような……。

でもしっぽが長くて、わけわからん!

私は家から駅までほとんど歩いているが、雨の日や荷物が多い時にはバスに乗る。電車の乗車カードは全く割引がないけれど、「共通バスカード」は5,000円カードで5,850円分、3,000円カードで3,360円分、1,000円カードで1,100円分使えるってわけ。ここで一句。【バスカード いちばん得だね ごせんえん】(←そのまんまや!)

電車と言えば、私がいつも利用している東急田園都市線は、渋谷からそのまま地下鉄半蔵門線になる。会社が違うからか、渋谷を過ぎるとアナウンスが変わる。関東はほぼ全線で英語のアナウンスがあるのだが、面白いことに気付いた。「次は渋谷~、渋谷です」というのが、「The next station is ○○」と「The next stop is ○○」になり、線によって違っていたのである。

春休み、宝塚へ帰省した時のこと。私が利用した限り、関東では「平日の始発から午前9時まで」が、先頭または後尾車両が女性専用車となる。しかし、大阪の地下鉄御堂筋線では、電車の真ん中辺りに1両だけ「平日は終日女性専用車」があったのだ! その車両は1日中、女性しか乗れないのであーる! これって、大阪のほうが治安が悪いってこと!?

第6回:小学4年生の学校行事

日本の小学校の前期行事は、私にとっても我が家の姫・寿々歌にとっても初体験。新しい学年が始まって7日目、授業が始まって5日目に早速、参観日があった。寿々歌の担任の先生は、今年大学院を卒業したばかりのピッカピカ独身男性!緊張している先生に対し、娘は後ろを振り返ってニコニコと私に手を振り続けている……。もちろん先生の話は聞いていない。頼むでェー! その後、子供だけが下校し、親は学級懇談会。最近の親は学校に文句言いたい放題、義務教育だからと給食費を払わないなど、問題が多いとワイドショーで言っていた。我が校は給食費がきちんと払われているようで良かった。新学期が始まってまだ間もないのに、先生は生徒の名前と顔を全部覚えていて、しかも、親がひとりずつ自己紹介をするたびに、その子供の長所を話してくれたことには感心! 終了後、先生には寿々歌が昨年夏に帰国し、漢字が難しいことなどを個人的にお伝えしておいた。6月の父の日前日には、土曜参観というのもあった(もう父親参観とは言わないんだね)。暑~い日だったし、私は前に行っているので、今回はパパひとり。「どうだった?」「すずは勉強わかっているのかな。何度も振り返って手を振ってたよ」「私が行った時と同じやん!」

6月下旬には給食試食会。実に楽しく、いろいろ勉強になった。全校生徒+先生=550人の給食は、調理員2人・アルバイト2人の計4人が作っている。栄養士を含めた調理従事者は月2回の検便を行い、細菌性の病原菌を持っていないか検査。料理はすべて85℃以上を確認して調理する。横浜市では生で食べられるものが、メロン、スイカ、リンゴ、ミカンだけ。生野菜風のサラダも実はサッと茹でている。児童が食べる30分前に学校長が検査を行い、いわゆる“毒見”をする(校長先生の具合が悪くなったら、その日は給食取り止め! マジ~?)。万一の食中毒事故発生に備えて、1人前の給食が2週間、冷蔵保存される。給食には作って2時間経った料理は出さず、魚のフライなどは免疫力が高めの6年生の分から揚げていく(揚げたてを食べられるのは1年生!?)。横浜市全350校、月ごとのメニュー内容はすべて同じ。給食費は1日平均220円だ。この日のメニューは、ソフト・フランスパン、牛乳、コーン・サラダ、夏野菜のスパゲティ、メロンで、平均より少し高い230円であった。食後は牛乳パックを開いて洗い、ストローも洗って箱に入れ、子供達と同じ片付け方をした! 学校は一般家庭ではなく、事業所扱いになるので、ゴミの分別は一般家庭より厳しいらしい。ちなみに、この小学校は横浜市の中でも「給食がおいしい(^0^)」と評判。おいしい給食を食べられて我が子も幸せよ。

第7回:中学でできた初めての友達

長男・陽太朗は4月に中学が始まってすぐに友達ができた。誰とでも仲良く遊ぶ、すぐ友達を作る、というのは陽太朗の長所かしらん??

早速、友達A君と共に我が家に帰宅した陽太朗。玄関を開けると、そこにはとってもかわゆい小柄な男の子が立っていた! 彼は日本人の父、アメリカ人の母を持つハーフ。家は私がよく行くスーパーのそばでとっても近く、徒歩7分くらい。アメリカで生まれ、日本に来て丸6年経っていたが、アメリカで3年以上暮らしていたということで、帰国子女枠で入学。家では父と日本語、母と英語で会話。日本の小学校に6年間通っていたので、完璧バイリンガルよ。英検準1級を持っているという。「アンタが英語忘れんように、A君とは英語でしゃべりやー!」と、陽太朗に言っておく。

A君のご家族とランチに行った際、彼のお母さまと私は「Nice to meet you!!」と挨拶から始まり、お互い英語でペラペ~ラと会話……なんてことはもちろんなく、すべて日本語(ホッ、助かった)。月1回の帰国子女サークルに誘ってもらったので、寿々歌を連れて行って来ようっと。

その中学校だが、いやはや、かわいそうなくらいの宿題が出ている。学校の方針として「1日3時間勉強をすること!」だって。もしできなかったら、週末で補うんだと。ひえ~。またビビることに、入学してまだ1カ月ちょっと(つい先日まで小学生だったのよ!)のころに、学校側から大学進路調査書が届いた。親として、子供をどこの大学に入れたいか、その希望校を書くのである。夫に聞いたら「東大にしといたら?」との返事。「そんなふざけていたらアカンやろー!」と言ったら、「じゃあ、海外の大学希望でハーバードにしたら?」だって。結局、国立として一橋大学、海外の大学としてワシントン大学を書いた。いいのだろうか、こんなテキトーで? 後日、陽太朗が「この間、希望大学を書いてきたよォー」と言ってきたので聞いてみると、その答えは「もっちろん、東京大学だよ!」。真剣に進路を考えていない我々親子であった(近々、親呼び出し……かな?)。

男女共学の中学&高校生活を送っていた私にとって、参観日に訪れた中学校は少し異様に見えた。というのも、教室内は50人、男の子ばかりよ! 授業開始のチャイムが鳴ったらみんな静かに座り、当番の子が「姿勢を正して! 黙想」と号令を掛け1分間黙想し、起立⇒礼⇒大きな声で「よろしくお願いします!」と言って着席。授業終了時も、黙想⇒起立⇒礼⇒「ありがとうございました!」となる。へえーー、確かに挨拶は大事だけど、まさか瞑想があるとは……。それは、もちろん英語の授業でも同じ。ちなみに、当番の子が掛ける言葉は「Close your eyes! Meditate」だって!

第8回:携帯電話とかまぼこ板

我が子ふたりは携帯電話を持っていない。中学生の長男・陽太朗は「クラスの子みんな持ってるから、買ってー!」と言うとるが、全員なわけないやろーー! でも、持っている子が結構いるのも事実。今は小学生用の携帯電話があり、GPS(位置確認)機能付きで、子供がどこにいるか親に知らせるものもある。確かに、夜遅くまで塾に通っている子供に持たせたい気持ちはわかるが……。そして、小学生の長女・寿々歌がこんなプリントを持ち帰った。【登下校中の児童に携帯電話を携帯させる場合、登校後、職員室で保管し、下校時に職員室で返却すること(事前に担任に申し出てください)としております。休み時間中に使用している姿も見られ、本来の目的と違う使用がありましたので、各家庭でも使い方やマナーなどについてお話ししてください】だってさ。時代が変わったのか、日本も治安が悪くなったのか……?

同じプリントの下にこんなことが書いてあった。【登下校については基本的に通学路を徒歩で通うことになっております。特別な事情がない限り、自動車での送り迎えはお控えください。また児童のみで直接習い事等に行くこともお控えください。万一の場合、安全振興会の対象外にもなりますので、いったん下校してからにするか、保護者のお迎えをお願いします】。このお迎えとは、もちろん徒歩でのこと。アメリカでは自動車での送迎が多いが、やはり育ち盛りの子供達を歩かせることは大事だと思う。寿々歌は帰国直後、少し歩いただけで「疲れた~」「休憩しよう!」などなど、元気な小学生とは思えない体力だったが、1年経つとだいぶ体力も付いてきた。徒歩は基本! 親のクルマをあてにするな! 今はあてにするクルマもございません……ハイ!

プリントと言えば、こんなことも。陽太朗が夏季研修(夏休みのこと)中の宿題提出日前日、夜7時半ごろ真っ青な顔をして1枚のプリントを持って来た。「こんな宿題があった~、どうしよう」。美和、絶句! かまぼこ板を洗って1日乾かし、絵の具で絵を描くというものであった。今からどないすんねん(-_-;) すぐに近くのスーパーへ行き、ダーリンがかまぼこを買って来てくれた。ダーリンは喜び、ワサビじょう油でビールと共に食べていた。いやいや味わっている場合じゃないって! 板は洗ってすぐ乾かし、途中ドライヤーでも乾かし……ったくもう! 結局、陽太朗はあの細長い板に何を描いたらいいのかわからないらしく、一緒に考えさせられ、「ラーメンを箸で高くつまみ上げている絵が良い!」という私のアイデアを取り入れて、何やら描いとった。陽太朗よ、感謝しろ! この素晴らしいアイデアに!! 描き終わったら夜中12時を過ぎていた。Zzzzz

第9回:クルマの運転

宝塚市在住時もシアトル在住時も「クルマなくして生きてはいけない!」と思っていた。ところがこの1年、クルマなしの生活。ないならないで特に不自由はない。ダーリンが社用車を3カ月に1度借りてきてくれるので、重いお米などはその時に買う。私も運転してみようとクルマのドアを開けて気が付く。「あ~、こっちは助手席だったぁ」。方向指示器を出す時は、必ず反対側のレバーを押して、ワイパーを動かしてしまう。赤信号で、左右を確認してクルマが来ていなければ左折してしまいそうになる。気が付けば左へ左へと寄っている(対向車が運転席側のそばを走るので、なーんか怖い)。踏切では一時停止をしなければならない! カーナビが「この先踏み切りです。ご注意ください」と言ってくれたので助かったよ。ありがとよォ~~。カーナビさんは心優しいのである。運転していたら、「間もなく運転開始から2時間経ちます。1度休憩してください」だって(涙)。

ヘッドライトにしても、日本は本当に暗くなるまでつけない。私もつけるのが遅くなったら、カーナビさんが「まもなく日が暮れます。ライトの確認をしてください」と教えてくれた。8年前、最初にアメリカへ行った時は驚いたよ。朝も昼もヘッドライトをつけている。快晴でもつけている。日本では信号待ちなどで止まっている時にも、いちいちヘッドライトを消す。私が日本で運転していたころもそうしていたなぁ~。対向車がまぶしくなくて、心優しい配慮。しかし、めんどくさぁ~!

日本のガソリン・スタンドは、セルフ・サービスだったシアトルと違って、楽で良い。すべてお任せで、お姫さま気分! ガソリン代が少しでも安くなるなら、自分で入れたほうがいいけどな……。宝塚市の実家近くのスタンドにいたにーちゃん、かっこ良かったし、サービス良かったよな~。クルマの点検もタダでしてくれたし。必ず道に出て安全確認しながらクルマを車道へ誘導してくれたっけ。そしてクルマが見えなくなるまで頭を下げて「ありがとうございましたー!」と言っていた。今の近所のスタンドは誘導すらしてくれない!チップはなしやで、チップは!! あっ、もともとないか……。

先日、長男の陽太朗が「学校まで送って~!」と言ってきた。野球部の荷物が多かったので送ったが、片道5分くらいの距離。クルマがなくて良かったよ。あれば、毎日送り迎えさせられそう。せっかく、アメリカでの子供のお抱え運転手を卒業したと思っていたのに、また送り迎えはヤダヤダ! そして陽太朗の学校はクルマでの送り迎えは禁止なのである。ホッ(‐。‐)♪

アメリカの4ウェイ・ストップが懐かしい美和であった。

第10回:ポイントカード

私の財布は、昨年末、シアトルからの一時帰国で我が家に遊びに来てくれた友人に頼んで買って来てもらった、コーチのブランド品である。それまで使っていた財布と言えば、とってもお気に入りだったが、約15年も持っていたため、ファスナーのところが破れてしまったのだった。アメリカでは日本よりかなり安く、コーチ製品を買うことができる。先日、コーチの銀座店で同じ財布を見つけ、あまりの値段の高さに驚いた!!

そのおしゃれな財布が、現在肥満なのだ。現金がいっぱい入っている(と言ってみたい)わけではなく……そう、いろんな店でもらう“ポイントカード”が増えて増えて……。中身を紹介すると、ドラッグストア(違う店3軒分)、たこ焼き屋(銀だこ)、ケーキ屋、レストラン、有田焼の店、カラオケボックス(1度しか行っていない)、お茶屋(山本山と伊藤園)、花屋(これも違う店2軒分)、渋谷のバー(2回行った)、雑貨屋、和菓子屋(亀屋万年堂)、おはぎ屋(サザエ)、靴屋(1足しか買っていない)、美容院(いろんな店舗へ行ったので3枚)、楽器屋(CDと楽譜はポイントが付くが楽器類は付かない!)、タオル屋、ラーメン屋(ここのラーメンが好きで何度か行き、10ポイント貯めてタダでラーメン1杯食べた!)、ブティック(1着しか買っていない)、パン屋、ハーブ店など。絶対行かない!と思う店のポイントカードを20枚ほど捨てたばかりなのに、まだ25枚ほどある。なんてこった!!

みんなはどうしているのかと友人に聞いてみたら、「よく行く店以外、ポイントカードは作らない」だと。でもさ~、先日捨てたカードの店にたまたま行き、あの時のポイントカードがあればスタンプ○個押してもらえたのに……と悔しい思いをしたのよ。どこの店でも買い物をしたら必ず「ポイントカードをお持ちですか?」と聞かれ、「持っていません」と答えると「作られますか?」と聞かれる。そこで気の弱い私はイヤと言えないのだ。

「今日ここへ行く」とわかっている店のポイントカードだけ持つことにしよう!と、何枚か抜いて、出掛ける前に数枚入れるようにしてみたけれど、そうすると面倒だし、必ず忘れてしまう。何か良いアイデアはないものか!? と思っていたら、最近はいろんな業種の加盟店のポイントが1枚で貯められるカードや、携帯電話でポイントを管理できる“おサイフケータイ”なるものも登場しているそう。これまた驚いた浦島たろ子でした。

そうだ! 近くの健康ランドのカードもあったのだ。100ポイント貯めたら、1回入浴無料!79ポイントあるけれど、期限まであと1カ月しかない。何としてでも貯めてやる。岩盤浴に行くぞ~~~。

第11回:寿々歌の質問

小学生の長女・寿々歌にとって、日本では当たり前のことが小さなカルチャー・ショックのようだ。

「なんで体操服着るの?」。確かに、アメリカではみんなでおそろいの体操服を着るなんてあり得ない! 「どうして給食当番があるの?」「白衣を着るのはなぜ?」「学校にサンダルを履いて行っちゃダメなの?」「寒くなったら学校にブーツを履いて行っていいの?」。これらの質問、わからんでもない。夏は高いヒールのサンダルを、冬はロング・ブーツを履いて登校するアメリカの小学生。それを見て育ったのだから、疑問に思うのは仕方ないだろう。どちらが良いのかわからんが、ハイヒールを履いて登校していたアメリカの子供を見て「危ない!」と思ったのは私だけであろうか?

「ようちゃん(中学生の長男・陽太朗のこと)はどうして制服なの?」と聞かれたこともある。アメリカでは制服がない学校がほとんど。私服がいいのか制服がいいのか? 入学時に払う制服代はとても高かった。革靴まで買わなければならない。しかし、私服のように「今日何着ていこうか?」と悩むことはないし、「○○君が持っているズボンが欲しい!」と言われることもないので、親としては制服のほうがいいのかな? 夏の間は白いポロシャツと夏ズボンの制服で登校していた。その2枚しかないポロシャツに、いきなり墨を付けて帰って来た陽太朗。「頼むでぇ~、高いんだから汚すなよ!」と注意したら、今度は昼に食堂で食べたカレーを付けて帰った。だから、彼の白いポロシャツは、黒と黄色の模様入り♪ でもタイガース・カラーだからいいか(という問題やないやろがー!)。10月にはワイシャツとブレザーの制服に戻り、ワイシャツにアイロンをかけなければならない。2枚しか買っていないので、毎日の洗濯も欠かせない。上からブレザーを着る日は、ワイシャツにシワがあってもOKということで、アイロンをパスする日も多い(わたくし、怠慢主婦である!)。

逆に私のほうが不思議に思うこともある。「ママー! ●●さんが先生に怒られて泣いてたよー!」「へぇ~。すずは●●さんと仲良しなの?」「仲良くしているわけないよォー! だって、●●さんって男の子なんだよ」

私が小学生のころは、先生も友達同士も、男の子を「くん」、女の子を「さん」付けで呼んでいた。しかし、この学校は違う。どの子でも全員、さん付けで呼ぶ。みんながさん付けじゃあ、男か女かわからずややこしい! 先日、それを寿々歌のクラスメートのお母さんに話したら、「横浜市は一応、みんなをさん付けで呼ぶらしいよ」だって~。これって横浜市の決まりだったの? よーわからんわー。男の子はくん付けでええんとちゃうのん!?

最終回:昨年後半の出来事

アメリカ大リーグのワールド・シリーズは日本人対決!と日本でも盛り上がっていた。日本シリーズは中日ドラゴンズが優勝! 一瞬ではあったけれど、阪神タイガースも盛り上げてくれた。「今、阪神首位やでー、TV見てたか?」と何本も電話が入り、喜んだのもつかの間。一気に8連敗。おい! 今までの連勝はなんやってん!? まぁ、阪神らしくてよろしい!と自分で納得。ちなみに日本ではプレーオフではなく、クライマックスシリーズって言うんだね。フムフム……。遠く離れたマリナーズも応援していたんだけどな~。

私は後悔のない人生を歩みたい!と、常々思っている。しかし! アメリカで買ったハロウィーン・グッズを処分して帰国したことは大後悔。まさか、日本でこんなにハロウィーンが盛んだとは思わなかったのだ。娘の習い事先ではハロウィーン・パーティーはあるし、子供同士でもパーティーをした。いつから日本もこんなになったの?? かわゆいハロウィーンのベストやセーターも、子供がお菓子をもらうカボチャの入れ物も(4個あったのに)、全部ガレージ・セールで売ってしまった。日本で買おうと思ったら高いのようぅ~(;0;)

シアトルで仲良くしていた友人が帰国し(と言っても夫はアメリカ人で日本駐在)、彼女の近所のハロウィーン・パーティーに誘ってもらった。友人宅は、まるで懐かしのアメリカン・ハウスよ。家の中は広いし、冷蔵庫や洗濯機もアメリカ製。渋谷から徒歩15分の場所に住んでいること自体、信じられん!(隣は有名政治家さんの豪邸)。約80世帯が参加し、子供は350~400人。参加家庭には、どの家でお菓子が配られるかという地図が渡され、子供達は仮装していざ出発! 「Trick or Treat」と言ってくるそのほとんどの子供は外国人だったのには驚いた(ここはどこ?)。

お菓子を渡す私達も仮装しなければ……と、衣装を友人に借りて、私は超ミニ・スカートでへそ出しのチア・リーダーに(もちろん、下にはお腹が出ないようにシャツを着込み、ズボンも履いた)。陽太朗も寿々歌も、1時間くらいでお菓子をいっぱい持って帰って来た。ふたりとも「シアトルに帰りたーい!」と言っとった。いや~、楽しかった(^0^)

11月には、7月から練習してきたPTAコーラスの本番♪が寿々歌の通う小学校の体育館で行われた。東京の門前仲町でもサロン・コンサートを開催。12月は横浜でコンサートに出演した。これは昨年も誘っていただいたが、練習はいつも本番ギリギリ。日頃からやっとけよ!

1年続いた誌面での連載は、今回でひとまず終わり。ご拝読あーりがーとさーん! 皆さま、またいつか会う日までお元気で。

佐藤美和

元NHK教育テレビ「たのしいきょうしつ」の歌のお姉さん。シアトルでは女声合唱団「エコーコーラス」の指揮指導を行う一方、めぐみ保育園にて歌の先生としても活躍。現在は日本に戻り、横浜で夫、長男、長女と暮らす。

※このコラムは2007年〜2008年に執筆しています。