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コンドミニアムと一軒家の購入について/メリットとデメリットを教えてください。

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コンドミニアムと一軒家の購入について/メリットとデメリットを教えてください。

< 回答者|宏徳エンタープライズ 菅沼愛子さん>

コンドミニアムと一軒家のメリット、デメリットは購入者のニーズによってそのいずれにもなる要素と言えるでしょう。「コンドは鍵ひとつで便利」「一軒家は庭の手入れから何から大変」との話をよく聞きますが、まさにその通りです。コンドミニアムは通常、外壁の手入れなどは家主協会、または管理会社がアレンジしてくれますし、費用は共益費(Home Owner Due)の中から積み立てられています。一方、一軒家は屋根などの補修に関しての手配など、費用も含め家主が責任を持たなければなりません。このほか、以下のようなメリット、デメリットが考えられます。

【コンドミニアム】
メリット:共益費は一部保険料込み/長期留守中に管理が不要

デメリット:火災で類焼の危険/騒音被害・加害のリスク/増改築が難しい/隣人と摩擦が起こる可能性/建物の老朽化で管理費が上昇

【一軒家】
メリット:庭で子供やペットが遊べる/規制の範囲内で増改築可能/ストレージが充実/コンドミニアムより売却利益率(値上がり率)が高い傾向にある(エリアによる)/騒音を気にしなくて良い/管理費がない

デメリット:全メンテナンスを負担/長期留守中、管理の手配が必要

なお、コンドミニアムの定義は空間所有となり、土地の所有権はコンドミニアム全体の敷地の何%かを所有するというもので、必ずしもユニット下の土地とは限りません。一軒家とほとんど変わらないPUDという新しい形態(タウンハウスと呼ばれるコンドミニアムの一部)には、ユニット前にある庭などを所有地として共に登記されるものもあります。タウンハウスは縦の空間所有という形態から、隣のユニットと接しているのは横、前後の壁の一部のみであることが多く、一軒家と同様、上下の空間に他人が住んでいないため人気が出ています。

ワシントン州について専門家の一部報道を参考にお伝えしますと、2020年にはピュージェット湾岸の人口が100万人増えると予想されています。金利上昇から住宅価格の値下がりも懸念されていますが、大手企業が集まるレドモンド、住宅開発が進むイサクア、サマミッシュの人口は増加傾向にあり、インフラ整備が追い付かないほどです。需要と供給のバランスから、価格は当分下がりそうもありません。どちらの購入にしてもニーズに合ったものをご選択ください。

(2006年8月)

宏徳エンタープライズ 菅沼愛子さん


ワシントン州で唯一、日本人が経営する不動産会社「宏徳エンタープライズ」の代表。1999年に「ワシントン州トップ・エージェント1%」に選ばれたほか、1996年からは日本人のための不動産セミナーを開始している。ワシントン州公認不動産会社としてノースウエスト不動産協会に所属。

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