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【私の転機】NuZee Inc. CMO 豊田朋子さん

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シアトルやポートランドで活躍する方々に人生の転機についてインタビュー

日本ではおなじみのドリップパックコーヒーを、アメリカで製造販売しているNuZee。シアトル在住で、同社にてマーケティング最高責任者を務める豊田さんに、これまでの転機を伺いました。(2022年3月)

NuZee Inc. CMO 豊田朋子さん
豊田朋子(とよた・ともこ)

東京都出身。幼少期をアメリカで過ごし、日本で大学を卒業後、外資系広告代理店に勤務。2005年にシアトルのStarbucksに就職。チルドカップ飲料やドリップパックの「Origami」などに携わる。その後、シアトルのランニングシューズメーカーBrooksでの総合マーケティング職を経て21年より現職。好きな食べ物は讃岐うどん。(https://mynuzee.com

私の転機は、いつも、良いタイミングで良い人に巡り合えたことで訪れていると思います。まずは就職。OB訪問での素敵な先輩との出会いを機に外資系広告代理店に就職しました。そして、仕事を通じて出会った米企業のトップたちは、皆、魅力的な人ばかり。私もいずれは海外で働きたいと思うようになりました。そんな思いを胸に働いていたある日、30代後半の女性の先輩が「アメリカで医者になる」と突然退社したんです。このチャレンジに大いに刺激され、私も数年後にアメリカに移住を決めました。

2005年にシアトルのStarbucksに就職し、日本や韓国のコンビニなどで販売されているチルドカップ飲料を担当。しかし、ビジネスが急成長し、シアトルからのマネジメントが難しくなって、2009年に東京に異動しました。この頃、ドリップパックの「Origami」も担当しました。「Origami」は、ドリップパックが普及している日本だけで販売している商品なんです。

– 日米で働いてきた自分だけの仕事はどこに?
東京にいる間に結婚、そして出産。子育てはアメリカでしたいと思い、14年にシアトルに戻りました。その後もマーケティングに携わりましたが、これまでアジアとアメリカでコーヒーを売り尽くし、Starbucksの仕事はやり切ってしまった気がして…。それに、アメリカは子育てがしやすいと聞きますが、実際、両立は大変ですよね。しばらくの休養を経て、家の近くにオフィスがあるランニングシューズメーカーのBrooksに転職しました。日本にいた頃、NIKEやAdidasの広告を担当したことがあり、経験が生かせると思ったのです。

やりがいのある仕事でしたが、正直、フルマラソンを走るほどランニングは好きでなく、ランニングにハマりきれない私がマーケティングをしていいのだろうか、そして私だけにできる仕事って何なんだろうと徐々に自問自答するようになっていきました。

そんな時、友人から「あなた向きの求人がある」と教えてもらったのが今の仕事です。日本製のフィルターや技術を使い、アメリカでドリップパックを製造販売、普及させようとしている会社でした。日本人の創業者と話し、これこそ日本でドリップパックのコーヒーを手がけ、アメリカでマーケティングをしてきた私だけにできる仕事と確信し、入社を決めました。

– 面白く、正解のない「おいしい」の追求
アメリカではこれまであまりなじみのないドリップパックでしたが、カフェでのポアオーバー(一杯ずつ丁寧に手でコーヒーを入れる)の流行や、環境意識の高まりを背景に、特別な道具なしで無駄なく一杯ずつ本格的でおいしいコーヒーが入れられるドリップパックに少しずつ注目が集まり始めています。私の入社と同時期に数名の強力な幹部も加わり、以降、売り上げは好調で、昨年は14年の創業以来、最高の売り上げを記録。製品がスーパーの店頭に並ぶなど、順調に成長しています。

「おいしい」の基準は人それぞれ違いますよね。ですから、アプローチの方法は多種多様で正解や勝ち負けがなく、それが食べ物のマーケティングの面白さです。アメリカの人たちにもっとドリップパックのおいしさや良さを伝えていきたいと思います。

NuZee Inc. CMO 豊田朋子さん
▲自社製品の試飲も大事な仕事の一つ。NuZeeのドリップパックを使ってコーヒーの販売をするロースターやカフェが少しずつ増えています。
 
*情報は2022年3月現在のものです

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