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マリナーズUPDATE    開幕直後、マリナーズに誤算
   
  開幕3試合を2勝1敗と勝ち越したマリナーズだが、直後、バルチモア・オリオールズにはいきなり4連敗。
その裏には、守護神とエースの離脱。その誤算に苦しめられ、マリナーズは序盤で借金生活を強いられる。
J・J・プッツとエリック・ビダードの完全復調が、5月攻勢のカギ。
(取材・文/丹羽政善)※本文中のデータは4月15日現在のものです。
 
   
 

開幕戦、白星を飾るものの……
開幕戦を白星で飾ったマリナーズ。しかし2戦目につまずく。8回裏に逆転をしながら、翌9回表にJ・J・プッツ投手が、痛恨の逆転2ランを浴びた。それで白星が逃げただけならまだいいが、マウンド上のプッツは、その前に対戦したマイケル・ヤングへの3球目で、すでに右の脇腹を痛めていた。
プッツは、翌日に故障者リスト入り。これこそがチーム最大の誤算。何しろ去年、マリナーズは8回までにリードしていた試合で、75勝0敗という戦績を誇っていたのである。
守護神の不在を、直後の遠征先、ボルチモアでも突かれる。4連戦の3試合目は、9回まで2対0とリードしながら、クローザーの代役と目されたエリック・オフラハティーとマーク・ロウが3点を献上し、サヨナラ勝ちを許してしまう。もちろんこの試合も、プッツがいれば難なくものにしていただろう、という展開だった。勝負の世界に「タラレバ」は禁物だが、この時点でマリナーズは、4勝2敗と勝ち越していたはずである。
彼の不在は、ほかのところでも影響を見せた。勝ちパターンの継投が崩れたため、ショーン・グリーン、ロウ、オフラハティーが登板過多に陥り、全体の試合数の6割近い登板数になったのだ。これでは、彼らが夏前にでも崩れそう。昨年の春先も、マイク・ハーグローブ元監督がリリーフ陣を酷使したため、8月の終わりから9月に掛けて、彼らがそろって疲れを見せるということがあった。
ジョン・マクラーレン監督に対しては、こうした投手起用において非難する声もあるが、プッツが戻るまでは非常時だけに、仕方がないとの見方もある。

誤算続きの投手陣
さて誤算は、プッツだけに留まらなかった。将来のクリーンナップ候補と言われたアダム・ジョーンズを放出してまで獲得したエリック・ビダードもまた、序盤に故障してしまった。スプリング・トレーニングでも結果を残せなかった彼は、予定通り開幕戦に先発したものの、5回を4四球と苦しむ。雪辱を期待された4月6日のオリオールズ戦では、臀部の痛みのため先発を回避。2日後の試合に先発して、今季初白星こそ挙げたが、13日の試合でまた痛みが再発し、先発を見合わせた。何年も前から時々痛みがあるそうで、その症状は良くなったり、悪くなったりなのだとか。マリナーズは、そこに目をつぶってでも獲得したのだろうが、この大事な開幕時にそれがぶり返すとはなんとも痛い。
ビダード、プッツと言えば、先発とブルペンの柱である。そのふたりを欠いた戦いとしては、まずまずなのかもしれないが、ふたりがしっかりさえしていれば、開幕ダッシュも可能だっただけに、そこもまた悔やまれる。

打線に心配はなし
対照的に打線は、計算通りといったところ。城島健司が最初のボルチモア、タンパの遠征でノーヒットに終わったが、ぼちぼち調子も戻ってきている。ホセ・ビドロも苦しんではいるが、実績のあるベテランだけに、彼への心配もいらない。
打線の懸念と言えば、新しくライトに入ったブラッド・ウィルカーソンだが、彼が不振でも、オープン戦でチーム史上最高打率を残したマイク・モースを起用できるというオプションもある。それはそれで、ケガの巧名というか、プラスに転じる要素だ。ただ、モースのディフェンスは平均以下。13日の試合でも、無理なスライディングキャッチを試みて、左肩を痛めた。また、目測を誤って、ライトフライを2塁打にしてしまう場面もあった。そこに目をつぶれるだけの余裕が、チームにあるかどうか。
イチローも滑り出しは良いとは言えないが、例年4月はこんなもの。5月から調子を上げるタイプだけに、心配はないだろう。むしろ、ガンガン打ちまくるほうが怖い。
さて、いずれにしろこの号が出るまでには、プッツもビダードも完全復帰していることを願う。5月に入っても、ふたりがそろってケガを抱えているようなら、4月の開幕ダッシュが失敗したということになるのだから。



丹羽政善
『スポーツ・ヤァ!』や日本経済新聞、MAJOR.JP、ESPN.COMなどに寄稿するスポーツ・ライター。
Mariners Updateの執筆は2000年3月より。