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■模索するブルペンの起用方法
開幕後、マリナーズは4月16日現在、11試合を消化して6勝5敗とひとつ勝ち越している。悪くないスタートと言えるが、マリナーズよりも戦力的に劣るとされるアスレチックスとの試合が7試合もあり、そのおかげとの見方が強い。実際、アスレチックスには5勝2敗と勝ち越しているが、地区の優勝候補、レンジャーズとの4連戦では敵地で1勝3敗と負け越した。このあたりが、現実とも言える。
開幕して見えたことは、まずブルペンの駒不足。勝ちパターンの時の6、7回が問題だ。今のところ8回のトム・ウィルヘルムセン、9回のブランドン・リーグは、安定した活躍を見せ、1度も失敗がない。ただ、リードをしながら先発が6回、もしくは7回で交代が必要になった時に、マウンドに上がる投手がいない。15日の試合では7回からウィルヘルムセンがブルペンで準備を始め、最大で2イニングを投げる可能性もあったそうだ。
日本で開幕した時は、ショーン・ケリーがその役割を任されたが、東京ドームの2戦目で7回途中から登板すると、リードを守りきれず、彼はマイナーへ降格。その後、昨年の春まで高校の教師だったスティーブ・デラバーが指名されたが、彼もまた、その座をキープできなかった。
現時点では、エラスモ・ラミレスという新人が面白い存在。95マイル以上のストレートを投げ、制球力も悪くない。今後経験を積めば、6、7回を任せられるようになるかもしれない。いずれにしてもブルペンの起用方法が、ウィルヘルムセンとリーグ以外は4月中旬の時点では決まらず、試行錯誤が続く。
■ 得点に結び付けたい打線法
得点力が懸念された打線も、それを克服したとは言い難い。16日の時点で得点はリーグ16位だが、打率はリーグ23位、出塁率は更に下がってリーグ29位である。これでも昨年よりは良くなっているが、11試合で早くも2度完封されており、先が思いやられる。
その改善を期待して生まれたのが「イチロー・3番」だが、14日の試合までは、得点圏での打率が1割4分3厘(7打数1安打)と低迷し、思惑通りとはなっていなかった。7打席程度では参考にもならないが、15日の試合では、イチローが同点の5回、1死1、2塁の場面で勝ち越しタイムリーを放つと、チームも試合をものにした。3番はやはり、走者を得点圏に置いて打席に入ることが多くなる。そこでヒットが出るかどうかは、得点、ひいてはこの日のように試合結果に直結する可能性が高いと言える。
■ イチロー、川崎、岩隈の今後に注目
さて、そんなふうに相変わらずイチローがチームの命運を握っているわけだが、開幕メジャー入りを果たしたものの、なかなか先発出場のない川崎、開幕前に中継ぎに降格し、16日現在ではまだ登板機会のない岩隈は、アピールの場そのものを与えられていない。
川崎は、7日の試合から3試合連続でスタメンに名を連ねたが、それはレギュラーのちょっとした故障が原因。ポジションを奪ったと言うより、やはり控えとしての役割が明確になっただけだった。その中で川崎は結果を出したのだが、3塁のカイル・シーガー、ショートのブレンダン・ライアン、2塁のダスティン・アクリーの壁を崩すのは相当難しそうだ。
岩隈の場合は、先発が早い回で崩れた場合のロングマンが現時点での役割だが、先発陣が予想よりも良く、岩隈に出番が回ってこない。本来ならばそれは喜ぶべきことなのかもしれないが、岩隈にしてみれば心境は複雑だろう。
イチローに話を戻せば、これまで安定感がイチローらしさだったが、今年はちょっと極端な結果が出ている。11試合で13安打を記録しているが、5試合が無安打である。つまり、打つ日はまとめて打つが、打てない時はさっぱりなのだ。この数字もまだ、評価するにはサンプル数が足りな過ぎるが、これまでとは違うシーズンのスタートと言える。
今月の注目
ヘクター・ノエシ投手 Hector Noesi 背番号45
オフにマイケル・ピネダとのトレードでマリナーズに移籍。今季初先発となった4月9日は、ダルビッシュ有と投げ合い、初回に4点のリードをもらいながら守れなかった。しかし、14日の先発では8回までアスレチックスを0点に抑えて能力の片鱗を見せた。。
丹羽政善
1967年愛知県生まれ。立教大学経済学部卒業。出版社に勤務ののち渡米。インディアナ州立大学スポーツマーケティング学部卒業。シアトルに居を構え、MLB、NBA、ゴルフなど、現地のスポーツを精力的に取材、コラムや翻訳記事の配信を行う。日本のメディアでは、『サンケイスポーツ』『日本経済新聞』などを中心に活動。海外メディアではかつて、「ESPN.COM」などに寄稿している。著書に『メジャーの投球術』(祥伝社)、『MLBイングリッシュ〜メジャーリーグを英語のまま楽しむ!』(ジャパンタイムス)、『メジャーリーグビジネスの裏側』(キネマ旬報社)がある。在米生活は今年で17年目を迎える。
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