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Mr.Woodcock

第142回 Mr.Woodcock
監督:クレイグ・ガレスピー
主演:ショーン・ウィリアム・スコット、ビリー・ボブ・ソーントン、スーザン・サランドンほか
公開:9月14日(金)
レート:PG-13
公式サイト:www.woodcockmovie.com

 
Fay Grim

主人公ジョン(ショーン・ウィリアム・スコット)は、自己啓発本『Letting Go: Getting Past Your Past』の売れ行きが好調な人気作家。生まれ育ったネブラスカの田舎町から表彰されると聞いた彼は、出版ツアーをキャンセルして地元へ駆けつけた。そこで彼は、中学時代に軍隊式の授業で苦行を味わされた体育の鬼教師、ウッドコック(ビリー・ボブ・ソーントン)が教育者として表彰されるばかりか、自分の母親と結婚しようとしていることを知る。自分の人生の不幸の元凶であったウッドコックを母親から引きはがし、賞を取り下げさせるため、ジョンはあの手この手を使ってみるが……。

主演には1999年のコメディー映画「アメリカン・パイ」で一躍注目の的となったショーン・ウィリアム・スコット。鬼教師ウッドコック役には1996年に「スリング・ブレイド」でアカデミー脚本賞を受賞、2003年の「バッドサンタ」でのダメ男ぶりも記憶に新しいビリー・ボブ・ソーントン。そして、主人公ジョンの母親役にはもはや説明いらずのアカデミー女優、ジャンルを問わず幅広く活躍するスーザン・サランドン。監督はCMクリエイターとして活躍し、今作品が映画デビュー作となるクレイグ・ガレスピーが担当しています。

ストーリーは最初から最後まで至ってシンプル。ジョンがウッドコックをはめようとする、失敗、また別の手ではめようとする、失敗、の繰り返し。ああいう鬼教師、どこの中学校にもいたよね、というのは会場にいたお客さんのコメントですが、克服したはずのドジで間抜けな昔の自分に戻っていくジョンの苛立たしさもよく伝わってきました。ウッドコックの鉄人ぶり、変人ぶりは多くのシーンで笑いを誘うこと受けあいです。

ただ、本作は豪華なキャストとウッドコックという、特徴的でどうとでも転べるキャラクターをそろえておきながら、どこか物足りなさを感じさせる作品でした。その物足りなさの原因としては、全編小ネタにかなりの比重を置きながら、最後の最後でドラマの要素を挟んできたところ。もちろんそこにもコメディーの要素はあるのですが、そのせいで中途半端なエンディングになってしまっていたのが残念です。スタッフロールに挟んで出てくる後日談的なシーンも入れるべきではなかったように思いました。

ミトウ:
札幌生まれ、札幌育ち。アメリカ生活3年目。9月からオレゴン大学でコミュニケーションを専攻中。好きな映画は「Down By Law」「Garden State」「リアリズムの宿」「好きだー」「サマータイムマシーン・ブルース」など。