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2011年シーズンのシアトル・シーホークス

※このページは、2011年シーズンのシアトル・シーホークスについて、2011年のシーズン中に作成・掲載された記事を基に再編集したものです。

シーホークス観戦記

『ゆうマガ』2011年10月号掲載分
今シーズンはどこまでいけるか、シーホークス!

労使協定のもつれからロックアウト解除まで、果たしてシーズンは開幕するのかと、ハラハラさせられたが、キャンプの短縮などで、なんとか開幕だ!
(取材・文/シロヒラシガエ)

新生シーホークスの誕生

昨シーズンは低迷したNFC西地区、わがシーホークスは最後までもつれつつも、7勝9敗という負け越し成績での地区優勝、プレーオフでは一昨年のチャンピオン、ニューオーリンズ・セインツを破る大番狂わせを演出したが、惜しくも決勝で敗れた。
今年はドラフトで、昨年いちばんの懸念であった、オフェンスラインを大幅に補強した。そして何と言っても、長年大黒柱として活躍してきたマット・ハッセルベックをテネシー・タイタンズに放出、ミネソタ・バイキングスから、タバリス・ジャクソンを獲得した。また守備面でも、05年シーズンより守備の要だったプロボウルのローファ・タトゥープが退団になり、攻守共に新生シーホークスとして歩み出したのだ。
注目点は、獲得早々に先発を任されたジャクソン。どう戦うのか、そしてピート・キャロル監督は、わずか1カ月余りのトレーニング・キャンプで、どうチームを作り上げるのか気に掛かったが、条件はどのチームも同じだ。

そして迎えたシーズン

プレ・シーズン4ゲームの結果は重要ではないが、特にシーホークスのようなクオーターバックを変更したチームにとっては、ビルトアップのプロセスが見られる今シーズンの指標となるゲームだ。トム・ブレイディ選手のような“一流”と言われているクオーターバックがいるチームなどは、この短い期間で見事に調整してくる。
さてシーホークスだが、決して上出来とは言えない状況だ。主力のワイドレシーバーを欠いているとはいえ、なにしろつながりが悪い。左サイドのオフェンスラインが、けがで出遅れているのも懸念材料だ。

初戦 対サンフランシスコ・フォーティーナイナーズ(L)33-17
同地区対決で幕開けのシーズン。アウェーながら、クオーターバックに不安を抱えるフォーティーナイナーズとの対戦だ。NFC西は、昨シーズンを見てもわかる通り、NFL全体からしてもレベルは高くない。同地区を制することが最も重要になってくる。ゲームは両者、決定打を欠きながらも敵のペースで進んだ。しかし16-0で折り返した後半、シーホークスも反撃、4クオーターでは2点差に追い付くも、キックオフリターン、パントリターンを1分のうちに立て続けに浴び粉砕、あっさり負けを喫した。期待のジャクソンは、後半こそ気を吐いたが低調な内容、ラン攻撃もわずか64ヤードと沈黙した。

第2戦 対ピッツバーグ・スティーラーズ戦
(L)24-0
もはや宿敵(と思っているのはこちらだけ!?)対決だが、実力の差は歴然。よほどのビッグ・プレーが出なければ勝てないと言われたゲームだったが……。結果はまさにその通り。スティーラーズの攻撃は面白いように決まり、シーホークスは相手陣内にも4クオーターまで入ることもできずにシャットアウト負けを喫した。アウェーが2戦続いたタフ・スケジュールとはいえ、早くも建て直しを迫られる状況だ。

早くも交代劇か!?

9月25日はいよいよホームでの開幕、アリゾナ・カージナルス戦だが、もしこのゲームも低調な内容だと、早くもクオーターバックの交代、そして監督にまで責任が及ぶことは想像に難くない。なにしろシーズンは16戦しかないのである。

ということで、連載の初回ながら落ち込んだ内容になってしまった。しかしシーズンは始まったばかり、どんぐりレースの西地区はまだまだ目を離せない。シーホークスの顔だったハッセルベックやネイト・バールソンら懐かしい顔を追っていくのも楽しみだ。

Go Seahawks!

シロヒラシガエの知っとる知っとるフットボール 

【どうやって楽しむ?????】
ットボールウィドウ(Football Widow)という言葉もあるほど、圧倒的に男性に人気があるスポーツで、また日本人には少しなじみが薄いフットボール。しかし、全米での熱狂振りを見てもわかるように、ホントはすっごく面白く、奥が深く、女性にも十分楽しめるスポーツなのだ。
ではオススメの楽しみ方、第1は好きなチームを作ること。そしてお気に入りのプレーヤーを見つけると良いだろう。それこそ顔で選んでも、脚のような腕でも、ししゃものようなフクラハギでも、ケツでも良いだろう。ユニフォームがかっこ良いとか、ロゴが好きとか、なんでもアリだ。気になる人ができれば、興味が出るのは世の常、ルールは後付けで結構。何と言っても基本的には“前に進むだけ”なんやから。

シロヒラシガエ
福岡県北九州市出身。旅好き、世界35カ国を放浪、シアトル在住21年。鉄道好き、山好き、ゴルフ好き、おっぱい星人、もちろんフットボール好き。こういった多趣味の傍ら(?)レストラン、ケータリング会社を経営。NHK「地球アゴラ」のアゴラー出演、ジャズ・イベントや日系クイーンのスポンサー、自然派カメラマン、など幅広く活動、生息中。

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シーホークス観戦記

『ゆうマガ』2011年11月号掲載分
中盤戦に差し掛かり、調子は上がってきたか!?

アウェー2連戦でスタートした今シーズンのシーホークス。サンフランシスコ・フォーティナイナーズ、ピッツバーグ・スティーラーズと続けて2連敗したが、その後はいかに。
(取材・文/シロヒラシガエ)

第3戦~第5戦

シーホークスは、ホームでの開幕戦を制することができるのだろうか。新生シーホークスの司令塔となったQBタバリス・ジャクソンは結果を残せておらず、ホーム2連戦の内容次第では大幅な修正を迫られる可能性もある。

第3戦 対アリゾナ・カーディナルス戦
(W)13-10 ※通算1勝2敗
今プレ・シーズンの目玉とも言うべきQBケビン・コルブを獲得したカーディナルスとのホーム開幕戦は、双方決定打を欠く中、シーホークスのフィールドゴールで先制。しかしアリゾナは第2クオーター、エースWRフィッツジェラルドのタッチダウンで逆転し、4点差でハーフ・タイム。そして後半第3クオーターにはジャクソンが自ら走り込みタッチダウンで3点リード。ここからは守備陣が踏ん張り、SSカム・チャンセラーがインターセプションを決め勝利をつかんだ。カーディナルスのKジェイ・フィーリーはシーホークス戦での相性が悪いのか、この日も2本のフィールドゴールを失敗。シーホークスの勝利を助ける形となった。ありがとぉ~~フイーリー! 

第4戦 対アトランタ・ファルコンズ戦
(L)28-30 ※通算1勝3敗
立ち上がりが悪く、第1、2クオーターと立て続けにタッチダウンを奪われるも、WRシドニー・ライスのタッチダウンで7点を返す。しかしハーフ・タイムの時点では7-24の劣勢。ランゲームに至ってはわずか数ヤードを稼ぐのみという体たらくだったが、第3クオーターから一変。フィールドゴールで一時20点差をつけられるが、ここでジャクソンが目を覚ましたのか、怒涛の追い上げが始まった。まずマイク・ウィリアムスへのタッチダウンで7点を返すと、続く攻撃でも沈黙していたRBマーション・リンチがランニングタッチダウン。第4クオーターに入っても勢いは止まらず、2点差と迫る。攻撃陣の奮起に守備陣も1本に抑え逆転を目指すが、フィールドゴールでわずか数ヤード足りずにゲームセット、涙を呑んだ。しかし、今シーズンのベストパフォーマンス。319ヤードを稼いだジャクソンは崖っぷちでとどまった感じだ。

第5戦 ニューヨーク・ジャイアンツ戦
(W)36-25 ※通算2勝3敗
ジャイアンツにとっては晴天のへきれき。おそらく多くのファンはイージーゲームと思っていただろう。しかしゲームはシーホークスの先制タッチダウンで開始し、同点でハーフ・タイム。後半はシーソー・ゲームが続く中、第4クオーターでジャクソンが負傷退場し、2番手のチャーリー・ホワイトハーストが登場。終盤2分にWRダグ・ボールドウィンへのタッチダウンがヒットし5点差をつける。その後ジャイアンツもシーホークス陣内5ヤードと迫るが、ここで新人CBブランドン・ブラウナーが、94ヤードのインターセプションリターンタッチダウンを決め、突き放した。

中盤戦の見どころ

シーズンはすでに中盤戦。プレーオフ戦線に残るためには、おそらく最低10勝は必要だろう。同地区では波に乗るフォーティーナイナーズがリードしている。ジャクソンのけがの具合はまだ定かではないが、控えのホワイトハーストに期待するしかない。守備陣も、マーカス・トゥルファントが今季絶望のアウト。しかし、ボールドウィンや、ブラウナーら新人のステップアップが明るい材料だ。
他地区は、昨シーズンの王者グリーンベイ・パッカーズが負けなし、デトロイト・ライオンズ、バッファロー・ヒルズはここ数年のスランプを吹き飛ばす勢いだ。変わってここ10年にわたり常勝軍団だったインディアナポリス・コルツは司令塔マニングを欠き低迷、ドリームチームと言われながら勝ち星が伸びないフィラデルフィア・イーグルスや負け戦ばかりのセントルイス・ラムズなど、話題は盛りだくさん。 Go Seahawks!!

シロヒラシガエの知っとる知っとるフットボール 

【どうやって楽しむ? 2】
やっぱし、シアトルというフランチャイズを持っている都市周辺に住んでいるのなら、1度はゲームに行ってみたいものだ。ファーストハンドでのチケット入手は若干難しいが、スポーツ・チケット・サイトなどでも手に入る。本場の熱狂的な雰囲気と、全米一のやかましいスタジアム体験は、きっとアナタを虜にしてしまうだろう。また、たまたま旅先でゲーム日に当たる時は、ぜひほかのスタジアムにも行って欲しい。その際はシーホークスのユニフォームを忘れずに。きっと生まれて初めてってほどの肩身の狭い思いを体験できる。なにせ、周りのほぼすべての人が“敵”なのだ。しかしこれも快感に変わること請け合いだ!

シロヒラシガエ
福岡県北九州市出身。旅好き、世界35カ国を放浪、鉄道好き、山好き、ゴルフ好き、おっぱい星人、もちろんフットボール好き。こういった多趣味の傍ら(?)レストラン、ケータリング会社を経営。NHK「地球アゴラ」のアゴラー出演、ジャズ・イベントや日系クイーンのスポンサー、自然派カメラマンなど幅広く活動、生息中。シアトル在住21年。

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