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2012年シーズンのシアトル・シーホークス

※このページは、2012年シーズンのシアトル・シーホークスについて、2012年のシーズン中に作成・掲載された記事を基に再編集したものです。

シーホークス観戦記

『ゆうマガ』2012年1月号掲載分
奇跡のプレーオフ出場はかなうのか!

綱渡り状態で、見所満載の後半戦。チーム史上最多となりそうなペナルティーは減るのか、そしてエースQBタバリス・ジャクソン、リプレース新人プレーヤー達の活躍はいかに!
(取材・文/シロヒラシガエ)※本文中のデータは12月19日現在のものです。

第11戦~第15戦

第11戦 セントルイス・ラムズ戦
(L)24-7 ※通算4勝6敗
前週に強豪ボルチモア・レイブンズを破ったことと、ランニング・ゲームの要、RBマーション・リンチが調子を上げてきたことで、黒星先行ながら明るさが見えてきたシーホークス。最初にWRシドニー・ライスがサプライズの55ヤード・パスプレーを決めるも、直後のプレーでインターセプトを与えタッチダウンを献上。しかし第2クオーターにはタッチダウン・パスで追いつき、その後もフィールドゴールで先行する。続いて第3、4クオーターもタッチダウンにつなげ勝利をものにした。攻撃陣はいまひとつの内容だったが、DEクリス・クレモンスが、3サック2ファンブルフォースとチャンスを演出、それを着実に得点につなげられたのが大きかった。

第12戦 対ワシントン・レッドスキンズ
(L)17-23 ※通算4勝7敗
プレーオフのチャンスをものにするために、ぜひ勝ちたいホーム・ゲームだったが、第4クオーターにビッグ・プレーを連取され、16点を奪われる痛恨の逆転負け。調子を上げているリンチは111ヤードと奮闘したが、頼みの司令塔ジャクソンが2タッチダウンながら、パス成功率50%以下と低調。最後のインターセプトで幕切れと、冴えないパフォーマンスだった。 

第13戦 対フィラデルフィア・イーグルス
(W)31-14 ※通算5勝7敗
チーム史上初となるサーズデー・ナイトは、最初のプレーでいきなりリンチがインターセプトを奪い盛り上がる! 第2クオーターにも40ヤードのビッグ・プレーを決め10点リードで折り返す。後半にもインターセプトを奪い、その後の攻撃でWRゴールデン・テイトがタッチダウン。第4クオーターには7点を返されるも、LBデビッド・ホートンのインターセプト・タッチダウンで息の根を止めた。このゲームではリンチが4つの100ヤード突破と大暴れ、守備陣も4つのインターセプトを奪い、その内3つを得点につなげるなど、攻守かみ合う強いシーホークスであった。

第14戦 対セントルイス・ラムズ
(W)30-13 ※通算6勝7敗
ホーム3連戦の締めくくりは、全米中継(に値するかどうかは別にして)のマンデー・ナイト。シーホークスはこのマンデー・ナイト・ゲームにめっぽう強く、ゲーム数自体は少ないもののNFLで最も高い勝率を誇っているのだ。ゲームは第1クオーター、パントブロック・タッチダウンというまれに見るビッグ・プレーで先制。その後も追加点を上げ、第3クオーターにはインターセプトからフィールドゴール、ドラフト外ながら大活躍のダグ・ボールドウィンがタッチダウンを決めるなど終始リード。第4クオーターにはラムズも7点を返したが、リンチの16ヤード・タッチダウンで試合を決めた。

第15戦 対シカゴ・ベアーズ
(W)38-14 ※通算7勝7敗
5割復帰を目指すこのゲームは、お互いに負ければプレーオフ出場レースほぼ敗退の天王山。シーホークスは第1クオーター、いきなりファンブルリカバーでタッチダウンにつなげ先制。しかしベアーズもエンドゾーンでのファンブルリカバー・タッチダウンで譲らず、7点リードでハーフ・タイム。第3クオーター、最初の攻撃でリンチがタッチダウンを奪い同点にすると、直後のベアーズの攻撃でDEレッド・ブライアントが逆転のインターセプト・タッチダウンの大仕事。第4クオーターにもふたつのタッチダウンが決まり勝利をものにした。 

最後まで目が離せない!

6戦で5勝1敗と、5割復帰を果たしたシーホークス。奇跡のプレーオフまでは、多分残り2戦での連勝が必要になるだろう。しかし、今シーズンのシーホークスは、けがで離脱したレギュラーの穴を、ルーキー達がそれを上回る活躍でカバー。確かにペナルティーも多いが、ここ3ゲームでは着実に良くなってきている。あと2ゲーム、目が離せない! Go Seahawks!!

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【フォーメーションを見る】
ボールをスナップする前の隊形は、その攻撃方法によって変わる。守備陣はそれを見て素早く守備隊形を取るわけだが、それを見て、次のプレーを予測するのもファンの楽しみのひとつ。コーチの戦術によってさまざまに変化するフォーメーションの中には、要のクオーターバックを真ん中に配置しない「ワイルドキャット」なんて名前が付いたものもある。卓越した11人が力を合わせボールを前に進め、またそれを阻止する、それこそがフットボールの醍醐味だ!

『ゆうマガ』2012年2月号掲載分
最後の2戦にプレーオフ進出を賭けたが……

プレーオフ進出への望みを最後まで諦めなかったシーホークスだが、結果は……。今シーズンの反省及び来シーズン注目すべき点を改めておさらいしよう。
(取材・文/シロヒラシガエ)※本文中のデータは1月17日現在のものです。

第16・17戦

第16戦 サンフランシスコ・フォーティーナイナーズ戦
(L)17-19 ※通算7勝8敗
敵地シカゴでの1戦をものにし、7勝7敗の5分になったシーホークスは、今季絶好調のフォーティーナイナーズを相手にホームでプレーオフ出場の望みを繋ぐこととなった。最初の攻撃で、シーホークスはQBタバリス・ジャクソンがWRダグ・ボールドウィンへのタッチダウンをヒット。幸先良いスタートを切ったが、その後は前評判どおり守備の戦いとなり、お互い決定打を欠く中、シーホークスが7点リードで前半を折り返した。しかし後半、フォーティーナイナーズが徐々に攻め上がり逆転。シーホークスもマーション・リンチがタッチダウンを奪うなどして接戦となるが、最後はジャクソン痛恨のファンブルロストで、あっさりプレーオフの夢は途絶えたのだった。

第17戦 アリゾナ・カージナルス戦
(L)20-23 ※通算7勝9敗
今季最後のゲームは、共に5割を目指す戦いとなった。そしてこの1勝は大きい……と言うと聞こえは良いかもしれないが、はっきり言うと1敗が大きいのである。両チーム共すでにプレーオフ戦線からは脱落、消化試合である。しかし来シーズン初めの大仕事、ドラフトを見据える時、この1敗の差はドラフト順位では4、5番違ってくるわけだ。
 
ゲームはシーソーゲームとなり、オーバー・タイムまでもつれ込んだが、先行のカージナルスがフィールドゴールで決した。終始ゲームを作ったのは、NFLでもナンバー1WRと言われるラリー・フィッツジェラルド。このゲームではタッチダウンこそなかったが、最長41ヤードを含むレシーブ9回149ヤードを獲得、ワンハンド・キャッチや、ダブル・カバーでのキャッチは、敵ながらあっぱれの活躍だった。

来シーズンに向け

ということで、シーホークスは昨シーズンと同じ7勝9敗で終了。ここで今シーズン良かった点や反省点、来シーズンに向けた構想などを並べてみよう。

①若手の台頭。今シーズンは主力選手がけがで故障したため、新たなプレーヤーが活躍した。これは来シーズンに向けて最も明るい材料のひとつだろう。 
②ディフェンス陣の充実。若手とベテランが合わさったディフェンス陣は合格点。 
③いつでもリターンヤードを稼げる可能性を秘めたRBレオン・ワシントン、リーグ3位のPジョン・ライアン、再三のブロックを奪ったスペシャル・チーム(ボールを蹴る状況に登場するユニット)は十分な戦力だろう。 
④リプレースばかりの攻撃ラインで、RBマーションリンチの1,200ヤード越えは圧巻。ただ浮き沈みの激しいこのポジション、数年前のショーン・アレキサンダーの失速を考えると、来シーズン前の大きな課題だ。 
⑤これはどのチームでも言えることではあるが、レギュラー陣のけがが多かった。CBマーカス・トルゥファント、Tジェームス・カーペンター、WRマイク・ウィリアムスなど、攻撃ラインはほぼ全滅だった。 
⑥ジャクソンの評価は分かれるところ。フランチャイズQB獲得までのつなぎではあるが、改善点が多々あることに疑問の余地はないだろう。特に2ミニッツドリルと言われるラストの追い込みだ。インディアナポリス・コルツ、ニューヨーク・ジャイアンツのペイトン&イーライ・マニング兄弟、ニューイングランド・ペイトリオッツのトム・ブレイディ、ニューオリンズ・セインツのドリュー・ブリーズらはいつでも最後の数プレーでの集中力がすごく、いつでも逆転の可能性を期待できるが、少なくとも今のジャクソンにそれはない。

シーホークスのシーズンは終わったが、プレーオフはスーパーボウルに向け、リーグ・チャンピオンシップの佳境に入ってきている。どこを応援するかはともかく、アメリカを代表するこのスポーツ・イベントを楽しもうではないか。そして来シーズンこそ、強いシーホークスを期待しよう! Go Seahawks!!!

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【外国人プレーヤーの比率】
野球と違いフットボールには日本人プレーヤーがいない。なぜかというと、元々NFLは非常に門が狭いのだ。アメリカのフットボール人口は約100万人、しかし高校、大学と山を登りNFLのロースター(53人)に到達できるのは32チーム約1,700人、つまり600分の1しかおらず、その中で外国人プレーヤーはわずか1%だ。また、よく言われるのは体格、体力の差だが、それだけではない。なんと言っても言葉でのコミュニケーションが重要な要素だからかもしれない。

『ゆうマガ』2012年10月号掲載分
さあ、今年もやってきた、フットボール・シーズン!

若きQB、ドラフト・ルーキーのラッセル・ウィルソンをチームの柱に迎えたシーホークスの出だしは好調! 今シーズンの見どころと、第1、2戦を振り返る。
(取材・文/シロヒラシガエ)※本文中のデータは9月17日現在のものです。

新QBに注目!
前シーズンは7勝9敗ながら、パス獲得ヤードではリーグ最下位という屈辱に泣いたシーホークスは、大幅な改革を実行。不安定だったQBのテコ入れのため、実績は少ないながらも、グリーンベイでの少ないチャンスでアピールをしたマット・フリンを獲得し、タバリス・ジャクソンとの先発争いをすることとなった。ところがどっこい、蓋を開けてみればドラフト・ルーキーのラッセル・ウィルソンが、まさかの猛アピール。先行のふたりを抜き去り、あっさり開幕先発の座を勝ち取ってしまったのである。
今年のシーホークスの見どころを挙げてみよう。①抜擢されたQBのラッセル・ウィルソン。経験、サイズ不足の懸念を払拭するスピード、判断力、それにリリースの早さは見ものだ。
②マーション・リンチを軸にしたラン攻撃。ウィルソンが先発になった以上、パス主体の攻撃ではないだろう。また、ラン主体の攻撃は、特に後半戦において、相手の守備陣を疲労させる。③大きなセカンダリー、スピード、若さではリーグ屈指の守備バックだ。先シーズンもターンオーバーを量産、相手は常に警戒する必要がある。④守備ライン。今年はドラフト1位でDEブルース・アービンを獲得。ベテランのクリス・クレモンスとの併用で、QBにプレッシャーを与えられるかもしれない。

その他のチームの調子は?
同地区では、サンフランシスコ・フォーティナイナーズが1歩抜きん出た感はあるが、昨季低迷したアリゾナ・カージナルス、セントルイス・ラムズも悪くはないので侮れない。カンファレンスでは、報奨金問題で揺れたニューオーリンズ・セインツが苦戦を強いられそう。NFLいちのQBとして活躍するペイトン・マニングが所属するデンバー・ブロンコスも面白そうだ。
その他の話題としては全チーム共、従来のリーボックからナイキのユニフォームに刷新。なかでもシーホークスはロゴ以外のデザインを大幅に変えた。いずれにしても、選手が着ればどう転んでもカッコいいのだが……。
今シーズンは審判組合との交渉が進まずリーグ側はロックアウト、代替え審判によるレギュラー・スタートを迎えた。フットボールは経験が重要になる微妙な判定が多いため、誤審は、遅延などゲームに対する悪影響も懸念されている。 

第1戦と第2戦
第1戦 対アリゾナ・カージナルス(L)20-16
前評判では、消去法で選ばれたQBだとか、あまり良いニュースが伝わってこなかったアリゾナだったが、ゲームは一進一退の攻防となった。当初、シーホークスはリードしていたが、相手QBがけがで交代したことであっさり逆転される。ほかにも何度かあったチャンスをものにできずに、負けてしまった。
第2戦 ダラス・カウボーイズ戦(W)27-7
今、“いちばん強い”と言われているニューヨーク・ジャイアンツを開幕戦で撃破した、タレントぞろいのダラス。ゲーム前の予想でもシーホークスの苦戦が伝えられたが、ゲームは序盤で動いた。キックオフのリターンをダラスがファンブル、最初のシリーズで3点を挙げると、続いてのシリーズもパントをブロック。そのままタッチダウンを挙げ、最初の4分で10点のリードを取った。その後もシーホークスは評判どおりの堅実な守りを見せ、要所でもインターセプト。後半にはリンチのビッグ・プレー、ウィルソンのタッチダウン・パスなどで追加点を挙げ、終わってみれば27-7の快勝だ。
この2戦でわかったことは、シーホークスには十分に競争をする力があるということと、強豪相手のゲームが続くが、若くして司令塔となったウィルソンには期待が持てそうだ、ということ。一般的にNFCカンファレンスの西地区はレベルが低いと言われることが多い。しかし、プロと高校生がやるわけじゃない。NFLではドラフト、レベニュー、サラリー・キャップなどで、戦力の均衡を図り、まさにプレーヤーのレベルは紙一重なのだ。

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【新ユニフォームに注目!】
今年より、ユニフォームのデザインが、10年にわたりNFL公式アパレルのスポンサーだったリーボックから、ナイキに変わった。デザインを変えたチームと変えなかったチームがあるが、特にシーホークスは最も刷新したチームのひとつ。ヘルメットからロゴがなくなったり、ユニフォームのところどころに用いられた蛍光グリーンのラインがピカピカしていたり。これには何を着ても似合わないと評判のファンのオッちゃん達も、さっそく飛びついているようで、その経済効果は計り知れない。

『ゆうマガ』2012年11月号掲載分
果たして、新人司令塔のラッセル・ウィルソンは、吉と出るか?

徐々に勝負強さを見せ始めたシーホークス。“疑惑の判定”が飛び出すなど、話題に事欠かないひと月となった。第3戦~第6戦までの経過をお届け。
(取材・文/シロヒラシガエ)※本文中のデータは10月15日現在のものです。

勢いづいたシーホークス
マンデー・ナイト・フットボールは、強豪グリーンベイ・パッカーズを迎えた。そして、今回お届けするこの3戦目から6戦目の間に、シーホークスはふたつのゲームで全米からの注目を浴びることになる。また、今シーズンの懸念的話題だった、審判組合との交渉は4週目にて、ようやく決着した。

第3戦~第6戦第3戦 
・対グリーンベイ・パッカーズ戦(W)14 – 12

先制するものの、FGで徐々に逆転され、終盤に突入。決定打が出ないまま、敗北濃厚となった最後のプレー、通称“へイルメリーパス”が、WRゴールデン・テイトにヒット。まさかまさかの大逆転勝ちに導く。しかしこの時の審判の判定が、NFLリーグ史上に残る“疑惑”となった。とはいえ、結果は覆るはずもなく、大金星!

結局、ゲーム後には、この“疑惑コール”ばかりが取りざたされることになったが、このゲームの最大の勝因は、なんと言っても強力オフェンスをわずか13点、8サックに抑え、猛守備を見せてくれたディフェンス陣だろう。

・第4戦 対セントルイス・ラムズ戦(L)13 – 19
3連勝を狙ったゲームだったが、ラムズはチーム史上初の60ヤードを含む4FG、また不運も重なった3インターセプションを献上。“ビースト”マーション・リンチの118ヤードランも生きず敗戦となった。

・第5戦 対カロライナ・パンサーズ戦(W)16 – 12
昨年のドラフト、ナンバー1のカム・ニュートン率いる、オフェンスのパンサーズ。ゲームはロー・スコアでの展開となった。第3QT、インターセプトをきっかけに逆転を許す。しかし直後の攻撃で、ラッセル・ウィルソンが13ヤードタッチダウンパスを決め、再度逆転に成功。FGでも追加点を挙げた。
また、ゲーム終盤には、不利なポジションでのシリーズ終了を避けるため、わざとセイフティーを献上する頭脳プレーも見せる。最後は強力ディフェンスが封じ込め、アウェーでの今期初勝利を飾った。

・第6戦 ニューイングランド・ペイトリオッツ戦(W)24 – 23
はっきり言って全米から「勝ち目はない!」と言われていたペイトリオッツ戦だが、シーホークスはホームでめっぽう強い。FGで先制したが、第4QTまでに16点を連取され、13点差に。ペイトリオッツのQBトム・ブレディにやられたかと思った終盤、ウィルソンが起死回生の51ヤードロングパスをヒット! 一気に流れに乗ったシーホークスは2タッチダウンを奪い、残り1分で逆転する。FGで再逆転を狙うペイトリオッツを、いまやリーグ1の数字を残している守備陣が奮起し、ファーストダウンを与えずゲームセットとなった。
この大一番の勝利により、ウィルソンは問題視されていたパスゲーム、レッドゾーン、終盤の組み立てのすべての懸念を払拭。新司令塔としての地位をより強固にしたといって過言ではないだろう。

シーズンは中盤戦に突入!
現在(10月15日)の時点で、NFC西地区は3チームが同率で並ぶ大混戦だ。そしてシーホークスとサンフランシスコ・フォーティナイナーズは4日後のサーズデー・ナイトで激突する(編集部注:この10月18日のゲームで、シーホークスは6対13で敗北し、通算4勝3敗となりました)。シーズンも中盤に差し掛かり、ますます盛り上がるフットボールに、私もすでに仕事どころではない!

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【全米を“疑惑の渦”に巻き込んだへイルメリーパスとは……】
前半終了、または試合終了時に用いられる一か八かのパス。4、5人のレシーバーをエンドゾーン内の同じエリアへと送り込み、QBは、そのレシーバーの内ひとりがエンドゾーン内での混雑に乗じてボールをキャッチすることを願い、パスを送る。

相手は来たボールを叩き落せばいいため、決まることが少ないが、今回の疑惑の場合、相手もボールを取ろうとしたことにも、問題があると見ている。

『ゆうマガ』2012年12月号掲載分
今年のシーホークスは、ひと味違う

フットボール・シーズンもすでに中盤。第7週のサーズデー・ナイト・フットボールでは、サンフランシスコ・フォーティナイナーズが1歩抜け出した形となった。
(取材・文/シロヒラシガエ)※本文中のデータは11月15日現在のものです。

好調子のラッセル・ウィルソン
先のニューイングランド戦でも証明したとおり、新人ラッセル・ウィルソンの司令塔抜擢、ランを軸にした戦略、予想通りのディフェンスの堅さなど、ピート・キャロル監督によるチーム作りは着々と進んでいる。

第7戦~第10戦 

・第7戦 対サンフランシスコ・フォーティナイナーズ戦(L)6 – 13
お互いにトップ5のディフェンスを誇る両チームの激突は、前評判どおりディフェンスの戦いとなった。しかし最終的にゲームを制したのはフォーティナイナーズ。RBフランク・ゴアの活躍が目立ち、13-6の僅差で負け、4勝3敗となった。

・第8戦 対デトロイト・ライオンズ戦(L)24 – 28
はっきり言って思い出したくないようなゲームだ。一進一退の攻防ながら、最後の5分で自慢の強力守備陣が80ヤードを与え、終了間際に逆転のタッチダウンを許す。もうこれ以上ないような屈辱的な負けを喫した。筆者も、ほぼ1週間立ち直れなかったことは言うまでもない。これで4勝4敗だ。

・第9戦 対ミネソタ・バイキングス戦(W)30 – 20
悪夢の敗戦から1週間。3週間ぶりのホームである。相手はリーグ1との呼び声高いRBエイドリアン・ピーターソンがいるバイキングス。なんと最初の攻撃で、いきなりピーターソンのランが炸裂。一気に80ヤード近くを走るタッチダウンとなり、7点を先行された。しかし、直後の攻撃で守備陣が奮起。ファンブルからボールを奪い返すと、すぐさま同点に。その後の攻撃でも、シドニー・ライスへのパスが決まり、今度はシーホークスが7点差を付ける。その後バイキングスの追加点で一旦は逆転を許すも、後半に入ってゴールデン・テイトへのパス、トリックプレーなども決まり、再び10点差に。最後はブランドン・ブラウナーがインターセプトで相手チームの反撃のチャンスをつぶし、ボールをコントロール。30-20で快勝した。ピーターソンは182ヤード2タッチダウンと素晴らしい活躍を見せたが、パス・オフェンスが機能せず、逆にシーホークスはバランスが取れた攻撃と、4サック、2ターンオーバーを奪う守備陣の活躍で、5勝4敗と白星先行だ。

・第10戦 対ニューヨーク・ジェッツ戦(W)28 – 7
シーズン前の予想では、話題のQB、ティム・ティーボーを獲得するなど前評判の高かったジェッツだが、ここまで3勝5敗と失速気味だ。

ゲームはシーホークスの猛攻で始まった。守備陣がフォースダウンギャンブルを阻止。攻撃権を取ると、すぐさま38ヤードのタッチダウンで先制される。その後の攻撃ではウィルソンがサックされ、ファンブルリカバーからタッチダウンを返されるが、前半終了前に7点を追加した。後半に入っても、シーホークスは攻守共に冴えわたり、ゴールデン・テイトからシドニー・ライスへのパスタッチダウンなどのトリックプレーも成功。マーション・リンチも124ヤードの大爆発で追加点を挙げ、最後のジェッツの攻撃も寄せ付けない。結局終わってみれば28-7の圧勝で、6勝4敗となった。

ホームでは、めっぽう強いシーホークス。特にウィルソンの活躍は新人離れしていると言っても過言ではないだろう。後半戦に向け、Go Seahawks!!

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【「バスト」とは】
「バスト」という言葉がある。もちろん筆者の好きなおっぱいのことではない。“期待ハズレ”という意味だ。ドラフト上位で大枚を叩き、期待を集めてデビューするも活躍できず、その選手生命を終わる者を指す。シーホークスも例外ではなく、1976年の創立以来、ドラフト上位で数々のQBを指名してきたが、厳しい結果に終わってきた。それだけ難しいポジションということなのだが、ここまでの活躍を見る限り、新QBのウィルソンは、スピード、判断力、将来への期待という点で当たり。それもチーム史上初の大当たりではないだろうか。

シロヒラシガエ
福岡県北九州市出身。旅好き、世界35カ国を放浪、シアトル在住22年。鉄道好き、山好き、ゴルフ好き、おっぱい星人、もちろんフットボール好き。こういった多趣味の傍ら(?)レストラン、ケータリング会社を経営。NHK「地球アゴラ」のアゴラー出演、ジャズ・イベントや日系クイーンのスポンサー、自然派カメラマン、など幅広く活動、生息中。

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