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アラスカ観光コースおすすめ8選 & クルーズの旅(2)

崩落する氷河、オーロラ、北極圏、温泉など季節やエリアによってさまざまな顔を持つアラスカ州。この広大なラスト・フロンティアのおすすめ観光をプロフェッショナルがご案内します。アラスカ未経験の人も、既に何度も行った人も、きっと行きたくなるアラスカの旅が見つけられるはず。
※ライトハウス2018年9月号特集記事「まだ見ぬ絶景を求めて – アラスカ 大自然に包まれる旅」より。情報は掲載当時のもの

アラスカ観光初心者向け旅のプラン(ページ1) »

グレイシャーベイ国立公園
▲ 氷河の崩落の名所、グレイシャーベイ国立公園(インサイドパッセージ)。 © State of Alaska/Reinhard Pantke

アラスカ州の地図、街や国立公園などの位置

一味違うアラスカ観光 おすすめコース5選

何度かアラスカに行ったことがある人や、他の人とは一味違う旅行をしたい人に向けて、エコ・キャラバンを主催する小杉隊長に、旅行プランを考えていただきました。

ゆったりインサイドパッセージコース

ワシントン州ベリングハム発

交通手段:アラスカ州営フェリー
Web:https://dot.alaska.gov/amhs/

主な寄港地
ケチカン、ピーターズバーグ、ジュノー、スキャグウェイ、ヘインズ、シトカ、ガスティパス、ヤクタット、ウィッテア

このコースの交通手段はアラスカ州営フェリー。ワシントン州のベリングハムから38時間でケチカンに到着します。あとはフェリーの時刻とルートを見ながら、どの街に滞在するかルートを組み立てましょう。州営フェリーは中型船なので、沿岸の民家の庭が見えるくらい狭い水路を通ったり、フェリーに寄ってくる鯨、シャチ、イルカが至近距離で見えたりするなど、クルーズ船とは自然の近さが違います。フェリーの乗り継ぎが大変という場合、同じようなルートを辿るカナダバンクーバー発の中型クルーズに乗るのも手。ただし、大型クルーズ船と異なり基本的に日本語の案内はなく、料金も4000ドル台~となります。

インサイドパッセージ 野生の海洋動物
© State of Alaska/Brian Adams

野生動物の近さがインサイドパッセージの旅の醍醐味のひとつ。

ケチカンの街並
© State of Alaska/Jocelyn Pride

アラスカ最南端、ケチカンの街並。州都ジュノー、ケチカン、シトカが大きな街で、それ以外の小さな街にもそれぞれ個性と趣があります。

ガスティパス滞在
ガスティパス

グレイシャーベイ国立公園の入り口、ガスティパス。ここからグレイシャーベイ国立公園をめぐる双胴船が発着しています。ガスティパスとグレイシャーベイ国立公園だけをじっくり楽しむのも贅沢な旅。アラスカエアラインが、夏だけシアトル=ガスティパス便を運行しています。

ヘインズ滞在
ヘインズ
© State of Alaska/Brian Adams

「インサイドパッセージでじっくり滞在するならここ」と隊長が挙げたのがヘインズ。ジュノーから100マイルほど海沿いを北上したところにある風光明媚な街です。クルーズ船が年に20隻程度停泊するとき意外はとても静か。ゆったりとした時間を過ごせます。

ワンダーレイクでのんびりコース|デナリ国立公園

推奨時期: 夏

デナリ国立公園の奥にあるワンダーレイク。アラスカの自然を堪能するなら、数日滞在するのが良さそうです。「夏のデナリは曇りが多く、山が見られる日が少ないですが、宿泊すれば見るチャンスはあるでしょう。周辺は旅行会社による日帰りツアーもありますが、国立公園主催のバスの方がほぼ同じルートな上、金額はお得。道中で野生動物にわんさか出会えます」(小杉隊長)。ワンダーレイクでの宿泊が難しい場合、デナリの登山基地となるタルキートナに滞在するのもオススメ。景色が美しく、歩いて回れる規模の街なので、長期滞在に向いています。

ワンダーレイク
© State of Alaska/Jocelyn Pride

滞在中は湖で過ごすも良し。大小さまざまなトレイルのハイキングも良し。天気が変わりやすいので注意しましょう。

ワンダーレイク ロッジ
© State of Alaska/Jocelyn Pride

ワンダーレイク周辺には、キャンプ場やロッジが数件ありますが、人気があり、なかなか予約がとれません。

フェアバンクスで温泉ざんまいコース|フェアバンクス

推奨時期:いつでも
ウェブサイト: www.alaska.org/guide/alaska-hot-springs-directory

アラスカで温泉と言えば、チェナ温泉が有名ですが、フェアバンクスの周辺には、有名無名、大小含めて他に5カ所ほど温泉があります。ちゃんと温泉として入れるように整備してあるところもあれば、ほとんど設備もなく、ただ熱湯が湧いているだけのような場所もあります。フェアバンクスに宿をとって拠点にし、そういったところを順にめぐるのもいいでしょう。荒れた道を走るので、車の装備はぬかりなく。上記のサイトに、各温泉の名称、場所が紹介されています。

チェナ温泉
Chena Hot Springs Resort

圧倒的に有名な温泉はチェナ温泉(写真)。周辺にいくつかのキャンプグラウンドがあるCircle Hot Springs、トレイルか飛行機でしか行けないTolovana Hot Springs、小さな街の中にあるManley Hot Springsなどが、比較的施設が充実しています。

アラスカ観光のエキスパート・レベル・コース

ノース・スロープで紅葉コース|ノース・スロープ

推奨時期:8月下旬~9月中旬(その年の気象によって異なる)

ブルックス山脈を越えた先にある、アラスカ北西部ノース・スロープ。寒過ぎて木の生えないこの土地で、灌木と地衣類の紅葉が見られるのは1年で1週間ほどで、そのうちピークは3日程度。1年中降雪もあるので、オーロラを見るより、ノース・スロープの紅葉を見る方が、遥かに難しいのです。木がないので遠くまで見渡せ、山肌に沿って、まるで大地が赤く染まっているように見えます。もし見えたら、その美しさに呼吸を忘れてしまうこと間違いなし。ダルトンハイウェイ添いの小さな村、コールドフットに滞在して通えば、少しは見られる確率が上がるかもしれません。

アラスカ ノーススロープ

この紅葉が、自分の目で一生に一度でも見れたらラッキー。「できるもんならやってみろ(笑)」と隊長。

星野道夫をたどるコース|フェアバンクス、シトカ ほか

没後20年以上経っても、今なお人気の衰えない写真家で作家の星野道夫。フェアバンクス、タルキートナ、ワンダーレイクなど、彼のエッセーの舞台を辿るのも楽しみ方の一つです。「グレイシャーベイ国立公園は星野のエッセーに全然出てこないけど、実は彼の大好きな公園だったとボブサムから聞いています」と隊長。古本屋巡りが大好きだった星野道夫。余談ですが、シアトルのTheElliott Bay Book CompanyとポートランドのPowell’s Booksもお気に入りだったとか。なお、『旅をする木』の「海流」に登場するジュノーの古本屋Observatory Booksは、2016年に閉店しました。

シトカのOld Harbor Books

星野道夫が通っていた書店、シトカのOld Harbor Books。

シトカの墓守ことボブサム

1000年以上の歴史ある墓地を歩くシトカの墓守ことボブサム。『ノーザンライツ』「クリンギット族の寡黙な墓守」に登場します。

シトカのハリバットポイント州立公園にある星野道夫をオマージュしたトーテムポール(写真右端)。日本の方角を向き、手にしているのはカメラという設定。

アラスカ旅行の持ち物リスト

小杉隊長にアラスカ旅で気を付けるべき持ち物について教えてもらいました。

・アラスカに関する文庫

『旅をする木』『イニュック』『ノーザンライツ』(いずれも星野道夫)、『アラスカ物語』(新田次郎)がおすすめ。特に星野道夫のエッセーは1節がそれぞれ短くて読みやすく、出かけた先で、その場所に関する章を読むという、最高に贅沢な読書ができます。

アラスカに関する本

・双眼鏡
動物や景色を見るなら必須。最近の双眼鏡はコンパクトで性能がいいので、星や月も意外とキレイに見えます。

・レギュラータイヤ×2本

アラスカの道は荒いので、スペアタイヤではなく、レギュラータイヤを持って行くこと。1本パンクすると精神的に追い込まれるので、2本あると安心。いざというときのブースターケーブル、牽引ロープも忘れずに。

小杉隊長 アラスカにて

案内人:エコ・キャラバン主催 小杉礼一郎 さん

小杉礼一郎

1954年、富山県生まれ。学生時代から世界中の山に登り、1977年には日本山岳協会K2登山隊に参加。商社勤務を経て1988年よりオレゴン州在住。アメリカ北西部の自然を紹介する「エコ・キャラバン」を主宰。北米の国立公園や自然公園を中心とするエコ・ツアーや、トレイル・ウォーク、キャンプを基本とするネイチャー・ツアーを提唱している。アラスカの現地ガイドの経験も豊富で、アラスカの道は全て走破。通称、隊長。

「世界各国いろいろ出かけたけど、景色、スケール感、動物、何においてもアラスカを上回るところはそうそうありません。真の旅好きならアラスカは最後に行くべきでしょう」。

E-mail: ecocaravan@msn.com

小杉さんの連載コラム「ノースウエスト自然探訪」(2014年12月終了)»

アラスカ観光特集:アラスカ観光初心者向け旅のプラン(1ページ目) »

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※ライトハウス特集記事「まだ見ぬ絶景を求めて アラスカ 大自然に包まれる旅」より(情報は2018年9月時点)


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