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子供の乳歯が虫歯になり始めました。正しい予防法と治療法を教えてください。

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子供の乳歯が虫歯になり始めました。正しい予防法と治療法を教えてください。

< 回答者|小児歯科医 粟村恭子先生>

乳歯は、生後6カ月から3歳くらいの間に20本生え揃います。6歳を過ぎた辺りで抜け始め、最後の1本が抜けるのは11歳ごろ。虫歯の予防法と治療法は、子供の年齢によって異なってきます。
虫歯の予防は、食生活の改善が大切です。1歳になったら哺乳瓶の使用をやめましょう。母乳も、添い寝しながら飲ませたり、夜中に飲ませたりするのはよくありません。ジュースは1日1回まで、哺乳瓶ではなくコップで飲ませること。甘い物を与える場合は、クッキーではなくフルーツを。自分で買える年齢になったら、食べる頻度を親が監視する必要があります。

朝と寝る前の1日2回、子供に歯を磨かせ、寝る前は大人が仕上げとフロスをしてやります。2歳になったら、フッ素の入った歯磨き粉を使わせてください。歯磨きは6歳ごろから、フロスは8歳ごろから、ひとりでさせても構いません。10歳ごろまでは、きちんと磨けているか親が時々チェックする必要があります。6歳を過ぎたら、フッ素の入ったマウス・リンス(洗口液)を使わせることができます。歯と歯の間に虫歯ができやすい子供には、これを使わせましょう。

虫歯に気が付いたら、3歳未満までの子供は、一般歯科ではなく小児歯科に連れて行くといいでしょう。治療は難しいため、虫歯が小さい場合は、2、3カ月おきに、歯科医にフッ素治療をしてもらい、虫歯を大きくさせない措置が可能です。穴が見える大きさの虫歯は、テンポラリー(仮の詰め物)で埋め、正式な詰め物ができるようになる年齢まで時間を稼ぎます。虫歯があまりにひどく、テンポラリーで間に合わない場合は、全身麻酔を使って治療することもあります。

3歳以上の子供の場合、臼歯間の溝にできた小さな虫歯は、シーラント(予防填塞)というプラスチックを溝に流して詰めてしまうことも。大きな虫歯は、プラスチックの詰め物をしたり、乳歯冠というステンレス製のクラウンを被せたりします。1年ほどで抜ける歯が虫歯の場合は、歯を抜くこともあります。

(2006年4月)

小児歯科医 粟村恭子先生


ワシントン大学歯学部・小児歯科大学院卒。「American Board of Pediatric Dentistry」のDiplomate(免状所持者)。“エクセレンス”をモットーに幼児~思春期の子供を専門に診察。火曜日は矯正歯科専門。ちなみに粟村先生自身も8歳の男の子の母親。

Kyoko Awamura, DDS. MDS. PLLC.