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妊娠初期に行うテストには、何が含まれるのでしょうか

さまざまな分野の専門家が読者の皆さんの質問にお答えします。

妊娠初期に行うテストには、何が含まれるのでしょうか

< 回答者|産婦人科医師 倉地晶子さん>

初めての妊娠には、いろいろな期待や心配事があると思います。まずは、産婦人科医や助産師に相談すると共に、健康診断と妊娠専用のテストを受けることをお勧めします。いちばん良い時期は、妊娠初期の3カ月の間。テストは産婦人科の外来で受けることができます。

妊娠初期に行うテストは、健康状態を判断するためのものです。そこでやることのひとつに、子宮頚がんを見つけるPap Smearテストがあります。これは、とても大切で安全なテストなので、アメリカでは妊娠していなくても毎年受ける習慣になっています。次に、血液検査。血液型、貧血のレベル、感染リスクなど、あらゆることをチェックします。妊娠に影響するのはB型肝炎、梅毒やHIVです。もし感染していた場合は、胎児に感染しないよう直ちに治療を始めることが重要です。また、性的感染による淋病とクラミジア感染症などもテストに入っており、これらも簡単に治療ができます。最近多くなってきたヘルペス・ウイルス感染をチェックするテストも開発されました。

妊娠中にはしか(Measles)に感染した場合は、流産したり胎児の心臓、耳、目などに障害を引き起こすなど、ひどい影響を及ぼす場合もあるため、はしかの免疫があるかどうかのテストも行います。はしかに治療法はないので、免疫がない場合は、ワクチンを注射して免疫を作るのがいちばん良い方法です。はしかのワクチンはMMR (Measles/Mumps/Rubella) の中に入っており、ほとんどの人は子供の頃にこのワクチン注射を受けているはずですが、妊娠中はこのワクチンを注射できないので、妊娠を考えている人は前もって免疫を確認し、ない場合は妊娠前に注射を受けましょう。もし妊娠してから免疫がないとわかった場合は十分用心して、熱や発疹のある子供や大人に会ったり、触ったりしないように注意をします。そして、出産後にMMRワクチンを受けるのが、次の妊娠に備えて大切です。

その他、尿のテストでは膀胱炎の可能性を調べることができます。最近は胎児のダウン症、二分脊椎やほかの遺伝的リスクを見つけるテストも発達してきました。このようなテストを始めとして、不安や疑問は産婦人科医や助産師にぜひ相談して、健康な妊娠を目指しましょう。

(2009年1月)

産婦人科医師 倉地晶子さん


シアトル生まれ。日本人の両親の下、日本語補習学校で日本語を学ぶ。マサチューセッツ工科大学卒業後、ミシガン大学医学部を経て、4年間ワシントン大学で産婦人科の専門医の研修を受ける。現在は、ノース・シアトル・ウイメンズ・スペシャリストにて勤務。

Kurachi, Akiko, MD / Poly Clinic 
TEL: 206-860-4541 ウェブサイト:www.polyclinic.com