シアトルの生活情報&おすすめ観光情報

車を運転する時に、大きな橋があると心臓がドキドキし、手足が震えます。

さまざまな分野の専門家が読者の皆さんの質問にお答えします。

車を運転する時に、大きな橋があると心臓がドキドキし、手足が震えます。

< 回答者|ワシントン州認定メンタル・ヘルス・カウンセラー ヒューイ陽子先生>

橋の上で車が故障する可能性は、実際には非常に少ないことだと頭ではわかっているのに、体や気持ちの上では今にもそれが起きそうで、怖くて運転ができなくなっていらっしゃるのですね。この方は、どこに橋があるかわからないため知らない土地に行けず、普段でも橋を避けるために遠回りをされているとのことですが、似たようなケースとして飛行機に乗るのが怖い、エレベーターに乗れない、人前で話すのが怖いなどという方もいらっしゃいます。特に理由がないのに特定の場所や物や行為を恐れるのを恐怖症といいます。恐怖症のために仕事や日常生活に支障が出てきた場合は、カウンセリングを受けることをお勧めします。

恐怖症は過去にトラウマとなった体験がある場合もあれば、本人には思い当たる原因がない場合もあります。どちらにしても、体の症状として体験され、理性ではコントロールできないという特徴があります。だから理屈で自分に言い聞かせようとしても恐怖心を消すことはできません。

トラウマや恐怖症の治療には、体と心の両面から働きかける必要があります。中国医学の鍼の原理を心理学に応用したタッピング・セラピー(Emotional Freedom Techniques)、目の動きと脳機能との関係を利用したEMDR (Eye Movement Desensitizatio & Reprocessing)、潜在意識レベルで体の反応を変える催眠療法などが効果があります。

タッピング・セラピーやEMDRでは、橋を運転する時に心に浮かぶ恐怖のイメージや考えから、体の反応を切り離します。そうすると、反射的な体の反応がなくなり、理性的に考えられるようになります。さらに、自己催眠や呼吸法などのリラクゼーション法を学ぶことによって、恐怖心が起こり始めた時に、すぐに自分の心を平静に持って行くことができるようになります。恐怖症から解放されて、自由にのびのびと人生を歩まれることを願っています。

(2007年10月)

ワシントン州認定メンタル・ヘルス・カウンセラー ヒューイ陽子先生


福岡市生まれ。津田塾大学卒業。ジョージタウン大学修士号取得。アメリカ人と結婚、離婚、再婚。子育てをしながら、翻訳家として活躍。催眠療法の本を翻訳したのがきっかけで、催眠療法士に。その後、バスティア大学応用行動科学科カウンセリング・コースの修士課程を修了し、カウンセラーとなる。潜在意識や体の声を聞く心理療法を実践中。

Yoko Huey, MA, LMHC
TEL: 206-799-6369 ウェブサイト:www.yokohuey.com