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卵子ドナーになることを考えているのですが、不安です。

さまざまな分野の専門家が読者の皆さんの質問にお答えします。

卵子ドナーになることを考えているのですが、不安です。

< 回答者|卵子提供エージェンシー代表 カタリーナ・ダマトさん>

子供を望む不妊カップルに健康な卵子を提供する卵子ドナーの存在は、アメリカではポピュラーです。これは、卵子ドナーの卵巣自体を取り出すのではなく、卵巣からごく微小な卵子だけを採取することを意味します。それにより、自分の卵子の数が減ってしまうのでは、と思う方もいらっしゃるようですが、女性の卵巣からは毎月たくさんの卵子が自然消滅しているので、卵子を提供したことによって、元々の数が減るということはありません。

アメリカ不妊学会では、ひとりの女性から卵子を提供してもらう回数は10回以内までが妥当としていますが、その最終判断は担当医師によります。卵子ドナーへの謝礼金は$6,500くらいからとなっており、すべての医療費や旅費等は、卵子提供を受けるカップルから支払われます。

ドナーになる資格は、21~29歳までの女性で、学歴、容姿よりもまず健康であることと責任感が重要視されます。検査から採卵までの期間は約2週間です。当社の場合は5~7日間、クリニック近くのホテルに滞在していただき、その間に施術を行います。検査後、ホルモン剤(排卵誘発剤)の投与を開始し、卵子が成熟してから採卵日を決定(卵子の成熟の早さは人によって異なります)。採卵の施術は、非常に細い針を超音波のガイドによって膣内に通して行いますが、軽い全身麻酔をかけるので、採卵中の痛みは感じません。採卵自体にかかる所用時間は20分程度です。ホルモン剤によりお腹が張ったり、採卵後に多少の痛みがあることもありますが、通常、ドナーが卵子提供するプロセスで、副作用などの問題はほとんど見られず、そのことを裏付けるように多くのドナーから複数回の卵子提供にご協力いただいています(当社比)。

最近は募集広告が多く、どのエージェンシーを選ぶか迷う方もいると思いますが、ホルモン剤の処方や、実際に採卵を行うのは医師なので、大切なのは、そのエージェンシーがどのような医師と提携しているかだと思います。不安な点や疑問はなんでも相談して、ご自身が安心してまかせられるエージェンシーを選択しましょう。そして不妊症で悩むご夫婦に人生最大のプレゼントを贈ってあげてください。

(2009年5月)

卵子提供エージェンシー代表 カタリーナ・ダマトさん


卵子提供が一般化した直後の93年にアメリカ初の日本人・東洋人専門のエージェンシーを設立。不妊科医としては初めて大統領と45分にわたる個人会談をした経験がある世界的権威、フォーク医師と提携し、自身も卵子提供者という経験を元にネバダ州にて日本人不妊患者の方々のケアに携わる。