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永住権当選で渡米6年、60歳無職です。65歳からメディケアを利用できますか?

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永住権当選で渡米6年、60歳無職です。65歳からメディケアを利用できますか?

< 回答者|アジアン・カウンセリング&リファラル・サービス 三木綾子さん >

メディケアは、65歳以上の高齢者、または64歳以下で政府から障害があると認められた人々が加入できる国の医療保険制度です。

メディケアにはパートA、パートB、そして2006年1月より導入された処方薬保険パートDがあります。

パートAは入院時、パートBは通院時にそれぞれ掛かる医療費の約80%が支払われます。2006年度のパートAの保険料は月$393、パートBの保険料は月約$88ですが、メディケア加入者またはその配偶者が、アメリカで働きながらメディケア税を10年間納めていた場合には、パートAの保険料が免除されます。

パートBの保険料は低所得者でない限り、皆支払うことになっており、毎月ソーシャル・セキュリティーの退職給付金から差し引かれるのが一般的です。

退職後、日本からアメリカに移住して間もない方々が最も困られているのが、医療保険の問題です。例えば、65歳以上で5年以上永住権を保持している方には、メディケアの加入資格が与えられますが、メディケア税を10年間支払っていないため、パートAとB両方に加入した場合、毎月約$480の保険料を支払わなければならなくなります。

メディケアの代わりに、個人医療保険に加入することも可能ですが、この場合も高額な保険料を毎月支払うことになります。保険料が比較的安いワシントン州の医療保険、ベーシック・ヘルスもありますが、メディケア加入資格のある方は入ることができません。

もし、永住権を5年以上保持し、さらに収入と財産が政府で定められた低所得者の基準に当てはまる場合は、政府の医療費援助プログラム、メディケイドの補助を受けることができます。また、医療保険を持たない患者のために、収入に合わせて医療費を設定するスライド方式を取り入れているクリニックがワシントン州各地域にあります。

高額の入院費が支払えない場合、病院によってはチャリティー・ケアやファイナンシャル・アシスタンスといった援助プログラムを設けているところもあるので、請求書を受け取った際に病院に問い合わせてみるのもひとつの方法です。

(2006年10月)

アジアン・カウンセリング&リファラル・サービス 三木綾子さん


アジアン・カウンセリング&リファラル・サービス(ACRS)で日本人高齢者向けサービスを提供するケース・マネージャーとして働いた後、現在は同団体でスーパーバイザーを務める。シアトル日本人コミュニティーに福祉サービスを紹介し、活用してもらうことを目標としている。

Asian Counseling & Referral Service
TEL:206-695-7611 ウェブサイト:www.acrs.org