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日本の学校に戻って子供が困らないように今からやっておきたいことを教えてください。

さまざまな分野の専門家が読者の皆さんの質問にお答えします。

日本の学校に戻って子供が困らないように今からやっておきたいことを教えてください。

< 回答者|個別指導塾ベストゼミナール 塾長 大熊涼子さん>

まず第1に言えるのは「現地でしか体験できないことにどっぷり浸かってください」ということです。これは帰国生の受け入れを行っている多くの私立中学、高校の先生方から聞かれる言葉です。近年帰国生を受け入れる中学、高校が増えてきていますが、現場の先生方は口をそろえて、「帰国生の方にぜひ入学して欲しい」とおっしゃいます。海外で身に付けた独自の価値観を持ち、自分に自信を持っている子供は、一般の生徒にも必ず良い刺激になる、と学校側は帰国生に期待しているのです。教室の中に、海外生活の経験を持つクラスメートがいるということは、子供達の外国との距離感も縮まり、自然な形で国際センスが育成されます。これらのことは、教わってできるものではなく、自ら体験して得られる貴重な人生の宝物です。そして多くの有名私学でも、それらの価値観を大切なものとして重要視しています。

学習面では、一般的に帰国生の傾向として、1.理数系が弱い2.読解力がある子供はなんとかなる3.優秀な子供は帰国後3、4年で一般生を追い抜く、ということが挙げられます。1.のためには、できるだけ多くの計算をこなしましょう。ドリル学習で1日何問と決めて、問題を解く訓練が効果的です。2.については、国語に限らず、理科、社会でも必要です。教科書で使われている言葉は日常会話で使われている言葉だけではありません。日常会話は忘れていないという程度では、中学以降の理科、社会の勉強についていけなくなります。効果的な方法は、なるべく小説などの本を読むこと。読解力がある子供は1、2年でなんとか追い付けるようになります。3.については、帰国枠で入学すると後で授業についていけなくなるのではと心配される方も多いと思います。それについては「1、2年は追いつくために苦労をしますが、3、4年たつと、帰国生のほうが優秀な場合が多いです」と、某有名私学の先生はおっしゃっています。そのひとつの理由は学習習慣です。現地校で日本語以外での授業についていき、課題をこなすためには、相当な自宅での学習時間が必要なはずです。そのような学習習慣を小学生の時から身に付けていくことで、自然と能力が養われるのです。

最後に、帰国後に受験される方は受験対策が必要です。中学受験であれば、国語、算数は必須の学校が多いので、しっかりした受験対策をすることをお勧めします。

(2007年8月)

個別指導塾ベストゼミナール 塾長 大熊涼子さん


大学卒業後、個別指導塾の教室長として数百人の子供達の学習指導、進路指導を経験。より子供達に合った指導を行うため、NLPマスター・プラクティショナーの資格を取得。現在は、帰国子女向けの個別指導塾「ベストゼミナール」にて学習指導、受験指導を行っている。

ベストゼミナール TEL:206-201-2156 ウェブサイト:www.best-semi.com