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食料品を購入する際、“賞味期限”と“消費期限”はどのように区別されますか

さまざまな分野の専門家が読者の皆さんの質問にお答えします。

食料品を購入する際、“賞味期限”と“消費期限”はどのように区別されますか

< 回答者|宇和島屋 総合バイヤー 渡部みさおさん>

FDA(米国食品医薬局)で定められた食品の日付表示はExpiration Date(消費期限=その日までに消費)、Best If Used Before(賞味期限=その日付までに消費すれば味や質はベスト。それ以降も食べられるが味や質は劣化し始める)、Sell-ByまたはPull-By(販売妥当期限=商品を店頭で販売できる最終日)の3種類に分かれています。日本では“賞味”と“消費”の期限が混同されやすく、「期限切れ=腐敗、食べてはいけないもの、または売ってはいけないもの」と判断される傾向があるようです。

アメリカでは、最終的にその商品が安全かどうかの判断は、実際にそれを食べる人が決定するとされており(においや味で判断)、“賞味期限”の切れた商品の販売は禁止されておらず、州によって諸々の条件を付けて販売することが認められています。
日本の食料品は他国に比べると“賞味期限”が短く、棚に並べられると同時に“賞味期限”が切れてしまうため、海外ではその取り扱いが非常に困難になってきています。日本からの輸入品がアメリカの消費者の手に届くまでには、製造業者→輸出業者(貿易業者)→アメリカ(港)・通関・FDA検査・輸入業者・卸売り(貿易業)→小売店→消費者と、多くのクッションが必要で、最短でも2カ月は掛かってしまいます。

小売店としては、環境問題にも関連する貴重な材料の無駄や廃棄物を出さないためにも、“賞味期限”の切れた商品の特別価格での販売を検討しています。

※東日本大震災で発生した原発事故の放射能汚染の影響で、アメリカ政府機関のFDAが、福島を含む4県(栃木、茨城、群馬)からの食品に関して、輸入を禁止する方向になってきています。メーカーの所在地が該当県ではない商品でも、メーカーの製造工場が震災で破損し今後の生産の目途が立っていないケースや、日本からの発送に大幅な遅延や、通関の遅れなどが起こりやすく、今後も原発の影響により随時状況の変化が生じてくる可能性があります。当社では、遅延や出荷の見込みの立たない商品に関しての問い合わせは、Eメール(questions@uwajimaya.com)で受け付けています。

(2011年5月)

宇和島屋 総合バイヤー 渡部みさおさん


1954年生まれ、群馬県出身。日本の大学を卒業後に留学、1984年に宇和島屋に入社。食品部長として農林水産省や商工会議所、都道府県、製造業者などの協力を得て、数々の物産展を手掛ける。2007年に総合バイヤーに転任し、イベントや特売の企画、新商品の買い付け、価格設定など、商品にかかわる諸々の業務に携わる。

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