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マユミ・スミスさん:NBI日本ビジネス・インスティチュート

 
ノースウエストで活動するグループや活躍している人にフォーカスしてお届けするこのコーナー。
今回は『日本ビジネスインスティテュート』ディレクターのマユミ・スミスさんをご紹介します。
日米の相互理解を深め地域社会に貢献

▲茶室でお茶会のプログラムも開いている
(最前列右から3人目)

アメリカ生活に役立つ情報を提供
日本ビジネスインスティテュート(Nippon Business Institute。通称NBI)』は、エベレット・コミュニティー・カレッジのアメリカ人向け総合日本研究プログラムとして1987年に発足しました。このプログラムは、日本語を教えるだけの従来のプログラムと違い、日本の歴史や文化、政治経済、地理、コミュニケーションの取り方やビジネス習慣など、いろいろな角度から日本について幅広く学びます。日本人とのコミュニケーションを円滑に進めてビジネスを成功させ、日米両国の繁栄に役立つような教育の提供を目指しています。

このプログラムには、インターンシップ、日本からの留学生の受け入れ、社会人向けの文化交流といった取り組みがありますが、1998年には、地域の日本人と日本に関心を持つアメリカ人のための『コミュニティー・ネットワーク』活動も始めました。約200名の会員が月1回の例会を通して、アメリカ生活を快適にするコツなどの情報を交換しています。また、新年会、ピクニックなどの行事や教育、老後の生活などの身近な問題をテーマにした講演会も開いています。

日本とアメリカの架け橋に
広島出身の私は大学時代、被爆者やその家族から被爆体験を聞く『被爆者調査』に参加していました。その際、それまで資料でしか知らなかった惨劇の真実を知ってショックを受け、「このような歴史上の事実を後世に伝えるべきだ」と実感したのです。

渡米後、日本語講師として教鞭を執っていた高校で、原爆記念日すら知らない生徒達を目の当たりにし「彼らに日本を知ってもらいたい。私に何ができるだろうか」と考えるようになりました。これが『NBIセンター』発足のきっかけで、私のライフワークの始まりでもあります。

日本に興味があっても学ぶ機会がないのはとても残念なこと。『NBIセンター』では図書室やお茶室などが揃う文化資料館、日本の四季が体験できる日本庭園があります。10月には“ミニ錦帯橋”が完成しましたが、これは姉妹都市の山口県岩国市から贈呈された、世界五大木造橋のひとつ『錦帯橋』の木材で作られています。このミニ錦帯橋が、文字通り日米の文化交流の架け橋となってくれることを願いつつ、今後も文化の相互理解に貢献していくつもりです。(取材・文/編集部)

北岡孝統さん
NBI日本ビジネス・インスティチュート ディレクター マユミ・スミスさん
広島県出身。1977年の結婚を機に渡米。1983年よりエベレット・コミュニティー・カレッジに勤務。
現在『NBI』日本プログラムの責任者。

【 EVCC 日本ビジネスインスティテュート(NBI) 】
’87年発足。ワシントン州エベレット・コミュニティー・カレッジのプログラムで、アメリカ人と日本人を対象にさまざまなクラスを開講。日本文化・伝統の紹介と継承を目的とした文化資料館や日本庭園などもある。
2000 Tower St., Everett, WA
425-388-9380
ウェブサイト:www.evcc.ctc.edu