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【私の転機】げんき酢 創設者・共同オーナー 新城貴子さん

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シアトルやポートランドで活躍する方々に人生の転機についてインタビュー

ポートランド発の飲むお酢「GENKI-SU(げんき酢)」。しそやゆずの絵の描かれたおしゃれなボトルを目にしたことがある方も多いのでは?仕掛人は新城貴子さん。転機をうかがった。 (2014年2月)

げんき酢 創設者・共同オーナー 新城貴子さん
新城貴子(しんじょう・たかこ)
1972年、沖縄県生まれ。愛知県育ち。日本の大学を卒業後、語学留学でポートランドへ。その後、日本やカリフォルニア州などで働き、08年よりポートランド在住。12年にげんき酢を創設。事業の傍ら、ヨガインストラクターとして指導もし、衣食住から見るトータルな健康ライフサポートを目指す。げんき酢(www.genkisu.com

私のパートナーは起業家として成功することが夢で、今まで共に10種類くらいのビジネスを立ち上げてきました。ファーマーズマーケットでジェラートを売ったり、オンラインで商品を売ったり。ネブラスカで映画を見ながらお酒や食事を楽しめるシアターパブを経営したこともありました。でも、どれも安定した結果は得られず、ビジネスの厳しさを身を持って体験してきました。
 
お酢は、子どもの頃から飲んでいました。母が、梅やいちご、しそなど旬のものでお酢を作っていたんです。アメリカに来てからも、日本から輸入しているお酢ドリンクを飲んでいたのですが、市販のものには添加物などが入っていることに気がつき、自分で作り始めました。最初は自分だけで飲んでたんです。
 
約3年前からヨガの講師もしています。ヨガの後、生徒さんとお茶をしているときにお酢を出したんです。すごく好評で、これを売ったら?という話になったのが、げんき酢を始めたきっかけです。

– サポートから 自分のビジネスへ変化
12年5月に初めてストリート・フェアに参加。ファーマーズマーケットやイベントで、げんき酢の販売を始めました。
 
ブースに来た人に「飲むお酢」を説明すると、必ずなんでそんなもの飲むんだ?って言われました。気持ち悪いって言われたこともあります。
 
でも、まず味見をしていただければおいしいことはわかっていただけたし、健康に良いことを説明すると、気に入っていただけました。
 
また、一部のアメリカ人は、健康のためにアップルサイダービネガーを飲むそうです。彼らがげんき酢を「おいしい」と買ってくれたことで、アメリカにもマーケットはあると思いましたね。夏のイベントを通し、げんき酢の可能性がわかってきました。
 
げんき酢は、今までのビジネスとは違い、手応えがありましたね。自分の好きなことなので、やっていて楽しいんですよ。今まではパートナーのサポートという態度でビジネスをしてきましたが、「自分のビジネス」という考えに変わりました。
 
そこへ、自然食品のピープルズ・フード・コープと、ビーバートンの宇和島屋からげんき酢を置く話が来たんです。

でも、資金が足りず生産が間に合わない。生産体制を整えるために「キックスターター」というウェブで新規ビジネスへの出資者を募るサービスを利用しました。
 
キックスターターで資金を調達した後は、地元の出資者がイベントへ足を運んでくれるようになりました。また、州外の出資者のために、オンライン販売も開始しました。顧客にはカリフォルニア、テキサス、NYなどオレゴン州外の方も多いです。

– 徐々に広がる取り扱い 新商品も誕生
昨年12月から宇和島屋シアトル店でも取り扱いを開始し、今後は販売地域を広げていく予定です。幸い、卸業者さんが見つかり、私自身には少し時間ができそうなので、新フレーバーの開発などをしたいです。今までのげんき酢は自分で薄める濃縮タイプのみでしたが、炭酸で薄めた、すぐ飲めるドリンクタイプのげんき酢を準備しています。他にも健康的な生活のプロデュースなど、新プロジェクトも始めたいですね。

げんき酢 創設者・共同オーナー 新城貴子さん
▲ ウイリアムソノマでげんき酢のプロモーション。こうした地道な宣伝活動が実を結んだ
 
*情報は2014年2月現在のものです