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【私の転機】Takohachi エグゼクティブディレクター 鳥丸ゆみさん

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シアトルやポートランドで活躍する方々に人生の転機についてインタビュー

ポートランドを中心に、和太鼓、三味線、篠笛のパフォーマンスを行うTakohachi。パワフルかつユーモアのあるステージを繰り広げるTakohachiの創設者である鳥丸ゆみさんに、これまでの転機を伺いました。(2026年5月)

Takohachi エグゼクティブディレクター 鳥丸ゆみさん
鳥丸ゆみ(とりまる・ゆみ)

兵庫県生まれ、奈良県育ち。大学時代にポートランドに移住し、Portland State Universityを卒業。OHSUなどで働きながら太鼓を学び、2006年にTakohachi(太鼓八)を設立する。篠笛フェスタ2018で特別賞受賞、2019年にはTakohachiとして優勝。2019年、津軽三味線小山会の名取を授与される。雅号は小山浩鳥。好きな食べ物は手作り納豆。
https://www.takohachi.org/

– どんな子ども時代でしたか?
子どもの頃、点と点をつなぐと絵が出来上がる「点つなぎ」で遊びませんでしたか? 私はよく、人生を点つなぎの絵に例えるんです。経験とか出会いの全てが点で、自分で作る点もあれば、例えば家族のように気付かないうちにあった点もある。点と点が線でつながるのは、あることに向かって行動して形や実績になった瞬間で、その線をつなぐ原動力は仲間や先生からもらったパワーや自分が継続した努力だと思います。自分にとっての点の一つは、クラシック音楽好きの両親がいたこと。父はバイオリン、母はチェロをやっていて、私の「ゆみ」という名前は弦楽器の弓が由来です。ピアノもバイオリンも習わされたけど、私はそれが嫌で仕方なくて、体を動かすことの方が大好きな子どもでした。中高時代はテニスに夢中。動物も大好きで大学では生物学を専攻しました。1番最初の転機は大学生だった22歳のときに渡米したことです。父がポートランドに転勤になり、留学生として付いていきました。英語が大嫌いだったけど、将来大学院に進むなら必要になると思い、仕方なく付いてきたんです。

– 初めてのアメリカ生活はいかがでしたか?
日本語という言葉を失ったことがショックで…。英語が話せないイコール「こいつ意見ない」「シャイ」と思われ、なんだか自分がいなくなったように感じました。でもそのショックから火が付き、一生懸命英語でサバイバルしていくうちにいろんな出来事があり、バーッと人生の点が飛び散るように増えていったんです。家族は帰国しましたが、私はグリーンカードが取れたので残り、こちらの大学を出ました。修了後はオレゴン健康科学大学(OHSU)でリサーチ職に就いたものの、安月給だったので仕事を三つくらい掛け持ち。ある日、日本食料理店のバイト中にお客さんが「和太鼓のワークショップに行く」と言うんです。私も興味を持ち、和太鼓のグループに参加するようになりました。

– 初めての和太鼓の感想は?
体験クラスでドンッと叩いた時に「これだ!」と思いました。年齢を重ねて自分のルーツを考えるようになっていた頃だったし、ずっと言葉で苦労していたから楽器で言葉を介さずに自分を表現できることにも感動したんです。しかも体を動かすことも好きだから「これをやらなければ」とすっかりハマりました。親は弓を持たせたかったのに、バチを持つようになった罰当たり娘です(笑)。

– なぜ、独立してTakohachiを作ったのですか?
自分のやりたいことを自分で表現したくて設立しました。これが第二の転機です。Takohachiの基本理念は温故知新。日本の古い伝統芸能や文化を土台に、ポートランドで新しいものを作っていきます。

– どのようにTakohachiを大きくしていったのですか?
「私もやりたい」って太鼓好きが自然に集まってきたんです。篠笛は独学で練習。ちょうど篠笛を吹ける友達が近くに引っ越してきたので教えてもらいました。また、2016年からは津軽三味線を小山流総師範小山竜浩師匠の元で学び始めました。OHSUでは念願の臨床職に就けたのですが、Takohachiの活動が忙しくなったので、少しずつOHSUの仕事を減らしながら和太鼓奏者として独立する準備をしました。でも、プロって大変なんですよね。それをよく理解しないまま2020年に仕事を辞めたのですが、ちょうどコロナ禍になり、NPOの経営や助成金の申請方法、動画作成などを学ぶことができました。大変だったけどラッキーだったんです。2022年から自分をTakohachiの従業員にすることができたので、これも私の転機です。また、コロナ禍中には世界的に有名な篠笛奏者、狩野泰一さんからオンラインで指導を受けることができました。

– 現在の主な活動は?
Takohachiでは週に1回練習をしますが、それまでに家で練習、勉強しないと曲を覚えられないので、努力できる同じ志のメンバーばかり9〜59歳がそろっています。他に、元気な熟女の熟練メンバーだけで構成されたTako Q、三味線や篠笛のデュオTakohachi Xというグループがあります。和太鼓のクラスはありませんが、津軽三味線の名取になって以来、三味線クラス「浩鳥会三味線」を開いています。また、2022年からはピアニストの今出望さんとMaido Mindというデュオを組み、月に1回、ポートランド日本庭園でピアノと歌、篠笛と三味線の演奏をしています。おかげさまで引っ張りダコなんですよ。大小合わせて年間50回くらい演奏させてもらっています。散らばった点が線で結ばれてタコの絵になったというオチ。足がすごく広がっています。タコって心臓が三つあるんです。私の心臓は太鼓、篠笛、津軽三味線。この三つで8本の足をもっと動かしていきたいと思っています。

Takohachi エグゼクティブディレクター 鳥丸ゆみさん
▲ポートランドを中心にさまざまなイベントに出演予定。今秋には、Takohachiとして、ゲストも招いての大きなコンサートと、紙芝居とのコラボイベントも予定されています。詳細はウェブサイトで確認を。
 
*情報は2026年5月現在のものです

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(ライトハウス編集部)