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やっぱり桜

生活にもっと緑を! 庭やベランダが綺麗で気持ちよくなるコツを、ノースウエスト園芸部長こと小杉晶子さんに教えてもらいます。小杉さんについて » 

やっぱり桜

(2022年4月)

ノースウエストの皆さん、4月ですよ!桜、咲く季節ですよ! 長ーい暗ーい冬ももう終わりです。私は、毎年飽きずにワシントン大学のキャンパスの桜を見に行ってしまいます。日本人、桜を見ると元気になってくるんですよね。

桜は、昔、農作業の目安として田んぼの近くに植えられました。「田植え桜」とか「麻まき桜」と言い、下に祠を作って祀る地域もあります。日本語の「サ」は神という意味、「クラ」は家ですね。神さまが宿っている木として日本全国で大切にされてきました。一気にわぁっと咲いて、華やかで、また一気に散るのが日本人の心を捉えるのでしょうか。

桜といえばソメイヨシノが有名ですが、あれは江戸時代に染井村で作られた交配種で、ずっと接ぎ木で作られています。種からは育ちません。山や自然の中で咲いているのは、山桜、大島さくら、彼岸桜などです。

ここノースウエストでも人気の日本の桜ですが、あぁ…、なかなか難しい。ここの春は雨も多く、カビなどの病気(Brown Rot)になりやすいので、日本のように育てるのが少し難しい環境です。さらに、桜はよく伸びるので毎年せん定しないと大きな木になってしまうのも大変です。桜が有名な場所では薬をスプレーしてせん定を頻繁にして管理しているかと思います。しかし、私は毎年春には桜を見上げ「今年こそ、桜植えるぞ」と思う次第であります。


オレゴングレープMahonia aquifolium
▲UWキャンパス内のソメイヨシノ。
オレゴングレープ
▲ 「Akebono」はソメイヨシノの後継種。病気に強く花も大きく華やかです。UW植物園に植えられています。
 オレゴングレープ Dwarf Oregon Grage(Mahonia nervosa
▲Whitcomb」は早咲きの桜。暗いノースウエストでも1月頃から咲くのでお勧めです。
オレゴングレープの実
▲ 「Oshokun」は八重の小さめの花。色が少し濃いめのピンクでかわいい。
ベルベリンという生薬の主成分
▲「Shirotae」は、柔らかな感じの花で白い色がとてもきれいです。


ノースウエストにも自生する桜があります。3〜4月にかけて、雑木にひっそり咲いている桜を見たことはありますか? 「Bitt erCherry(学名Prunus emarginata)」と呼ばれ、白い小さい花で赤い実を付けます。野生動物には大切な食料源です。

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●文・小杉晶子

サウスシアトル・コミュニティー・カレッジで園芸学の学位を取得。現在は、剪定家として庭園や個人の庭の手入れを行う。趣味はバードウォッチング。

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