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アメリカの労働市場や雇用システムの中で求められる人材とは?

さまざまな分野の専門家が読者の皆さんの質問にお答えします。

アメリカの労働市場や雇用システムの中で求められる人材とは?

< 回答者|インテレッセ・インターナショナル 菊池正博さん>

2008年9月にリーマン・ブラザーズが破綻してバブル崩壊、その後一気にアメリカ及び世界経済が冷え込んだのはまだ記憶に新しいと思います。しかし、2011年にはアメリカ経済も底を脱して、非常に穏やかにではありますが着実に景気回復の方向に向かっているようです。それに伴い企業の採用意欲も慎重ではあるものの、徐々に戻ってきており、求人件数も増加傾向にあります。しかしアメリカの景気が戻ってきていると言っても、ヨーロッパの経済危機などの不安材料も残っており、順風万帆とは行かず今年1年は緩やかな回復になると思われます。

アメリカには日本のような定期採用という雇用システムはないので、企業のニーズに合わせて順次採用ポジションが出てきます。もちろん、学校を卒業する学生を獲得するために、企業がキャンパスに出てジョブ・フェアーを行うことも頻繁にやっていますが、基本的にアメリカの雇用に関しては、日本のように定年まで働く定年制度や終身雇用という概念はありません。雇用される側は、常に会社側がその人を必要と思うような経験や実績を積むことが必要になる一方、会社側も常に優秀な人材を確保してその社員に働き続けてもらうように、給与や会社のベネフィットを見直していくことが必要になります。

近年はビザ取得が難しいと言われていますが、それを除いては景気の良し悪しにかかわらず、企業から求められている人物像というのはいつも共通しています。経験者であれば専門知識を持ち、実務をこなし結果を出せる即戦力のある人物。学校を卒業して社会経験がない、もしくは短いのであれば、どんな業務に対しても自らが積極的にかかわる心構えを持ち、新しいことにチャレンジする人物。そのほか、前者にも後者にも共通しているのは、会社組織の中で協調性があり、ほかの社員とうまくやれるコミュニケーション能力を持っていること。上記のポイントが企業から常に求められている人物像です。人材サービス会社などに登録して、最新の情報を集めたりアドバイスをもらうことも良いでしょう。

(2012年3月)

インテレッセ・インターナショナル 菊池正博さん


日系の人材総合サービスとして全米で最大のネットワークを持つインテレッセ・インターナショナル社、副社長。同社は人材サービスを始め、アウトソーシング・サービス、出版サービス、結婚情報提供サービスなど、幅広いサービスを提供。昨年、人材サービス部門の呼称をアイアイアイキャリア(iiicareeer)と改名。

Interesse International Inc.  
TEL : 206-357-8486  www.iiicareer.com