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ロバート・グートロン:The Bonsai Society of Portland

 
ノースウエストで活動するグループや活躍している人にフォーカスしてお届けするこのコーナー。
今回は『盆栽ソサエティー・オブ・ポートランド』のロバート・グートロンさんをご紹介します。
盆栽は先を考えて作り上げる芸術

▲今秋に『日本庭園』で行われた展覧会の様子

日本美を楽しめる会
『盆栽ソサエティー・オブ・ポートランド(The Bonsai Society of Portland)』は盆栽について学んだり、展覧会を通じて盆栽の良さを広く知ってもらうために設立されました。会員数は200名で、その多くが盆栽や日本の美しい文化・芸術に興味を持つアメリカ人ですが、もちろん日本人のメンバーもいますし、日本との結び付きはとても強いです。

例えば、あるベテラン・メンバーは第二次世界大戦中、日本人キャンプで日本人を助けていたそうですが、その日本人のひとりに盆栽の先生がいて、助けてもらったお礼に彼に盆栽を教えてくれたそうです。その思い出がきっかけで彼は入会したということです。

勉強会は毎月第4火曜の7:00 p.m.~9:00 p.m.にポートランドのSEにある『Mount Hood Masonic Lodge』で開いています。枝の切り方、根の整え方、ワイヤーの巻き付け方などの技術的なことや、季節にちなんだトピックについて話し合うほか、ベテランのメンバーが剪定などのデモンストレーションを行う時もあります。見学は自由ですので、一度気軽にいらしてください。

盆栽は私のライフ・ワーク
私はプロ・ダンサーですが、25年前にダンス・ツアーで来日した際、街で『盆栽ショー』の看板を偶然目にしました。盆栽が何なのか、食べ物なのか家具なのかも見当がつかなかったけれど、とにかく入場してみました。それが盆栽との初めての出合いです。そこであまりの美しさにショックにも似た感銘を受け、すぐさま本屋に行って盆栽に関する本を買い、片っ端から読みました。以来独学で盆栽を学び、趣味が高じて盆栽店を開くまでになりました。

盆栽は、ダンスにすごく似ているんですよ。木は成長するにつれて枝を動かし、さまざまな形に姿を変えます。だから常にこの木にどういうポーズを取らせたいのかを考え、数年先を見据えながら枝を切ったりワイヤーを巻いたりするんです。それがすごく楽しい。今日やったら明日その結果が出るというものではないから、盆栽を始めると自然と忍耐力が身に付きます。盆栽はそうやって何百年も受け継がれていくものなのだと思います。

日本人はなぜか「盆栽は老人のやること」と言いますが、今回の紹介で若い人が興味を持ってくれたらうれしいですね。
(取材・文/純子バイス)

Robert Guitronさん
盆栽ソサエティー・オブ・ポートランド会長 Robert Guitronさん
ニューオリンズ出身。プロ・ダンサー、盆栽店オーナー、盆栽ソサエティー・オブ・ポートランド会長の3つの顔を持つ。盆栽ソサエティーには7年前に入会、2年前に会員投票で会長に選ばれる。

【 The Bonsai Society of Portland 】
1966年設立。展覧会の開催や講師を招いての講習会を行う。年会費$25。定例の勉強会は『Mount Hood Masonic Lodge(527 SE 43rd Ave., Portland)』にて開催(来年からポートランド動物園近くのForestry Centerになる予定)。
電話: 503-972-7799、503-481-0101
ウェブサイト:www.portlandbonsai.org