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Maureen Yandleさん:オレゴン日本庭園協会

 
ノースウエストで活動するグループや活躍している人にフォーカスしてお届けするこのコーナー。
今回は『オレゴン日本庭園協会』のモリーン・ヤンドルさんをご紹介します。
▲来園者の表情が変わるその瞬間に幸せを感じる

謎の存在だった日本庭園
ポートランドが札幌と姉妹都市提携を結んだ際、その友情の印として庭園建設のプロジェクトが発足し、1963年に『オレゴン日本庭園』の造園が始められました。東京農業大学教授の戸野琢磨氏が設計に携わり、のべ7年掛けて作られた本当に美しい庭園ですが、あまりにも長い間工事をしていたので市民の間では「ここには一体何ができるんだ?」と噂になりました。その噂がどんどん大きくなってきたため、1967年の母の日に一度だけプレビューとして庭園の一部を開放せざるを得なくなったほどです。その時は何百人もの人が訪れてくださって、とても賑わったそうですよ。
現在、日本庭園は5つの庭に分かれ、平庭、茶庭、地泉回遊式庭園、自然庭園、石庭という構成になっています。また、ここから眺めるポートランドの街並みは絶景です! ぜひ皆さんに訪れていただきたいですね。。

風情あるイベント
ひとりでも多くの方に日本文化を知っていただきたい、肌で触れて欲しい、という思いでイベントを開催しており、1年を通して75ものイベントやワークショップを用意しています。中でも子供の日、七夕、お盆、お月見に行われる『ジャパニーズ・フェスティバル』は好評を博しています。このフェスティバルでは折り紙をしたり、お茶会が行われるほか、子供の日にはプールに鯉を放したり、七夕には短冊に願い事を書いて笹に吊したり……。また、私のお気に入りのひとつでもあるお月見は、薄暗いキャンドルと静寂の中、尺八の音色が響き渡り、澄んだ月を眺めながらその風情を楽しむという、シンプルだけれど、とてもロマンチックなイベントです。また、『日本庭園』では随時会員を募集していて、会員専用のイベントも企画しています。

心が洗われていく瞬間を感じて欲しい
『日本庭園』に携わる仕事をしていてやりがいを感じるのは、来園者の表情の変化を目の当たりにする時。入園直後は皆さん時間を気にされていたり、ちょっと早足で園内を回ったりと、心からリラックスされていない。でもひと通り庭園を見られて出て行かれる頃には、かなりリラックスしていて表情がとてもピースフルなの(笑)。心が洗われていったと言うか、自然のヒーリング効果なのでしょう。ここで働きだして以来、私は一歩部屋から出れば素晴らしい景色と自然の息吹を感じられる環境にいるので、もうダウンタウンでは仕事ができないくらい、良い意味でスポイルされています。
プライベートでもクロスカントリーやゴルフ、犬のお散歩やビーチでくつろぐなど、常に自然と触れているのが大好きです。またこの1月に姪が誕生したり、昨年秋に私自身が婚約をしたり、今、仕事も私生活もとっても充実しています。(取材・文/純子バイス)

ミチコ Kornhauser
オレゴン日本庭園協会 Maureen Yandleさん
ポートランド出身。1987年以来『オレゴン日本庭園協会(ジャパニースガーデン・ソサエティオレゴン)』での活動に携わり、現在は団体の代表を務める。日本には12回以上訪れているという、自他共に認める日本好き。

【 オレゴン日本庭園協会(The Japanese Garden Society of Oregon) 】
ポートランドの観光名所のひとつ『オレゴン日本庭園』を運営する非営利団体。1年を通してさまざまなイベントや講習会が開かれる。The Japanese Garden Society of Oregon / 611 SW Kingston Ave., Portland, OR
503-223-4070 ウェブサイト: www.japanesegarden.com