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シアトルで出合ったお洒落な住まい

インテリア

 
2005年2月・3月のテーマ 
シアトルで出合ったお洒落な住まい
 

シャンデリアのある暮らし

新しくコンドミニアムに引っ越されたK邸。インテリアはフレンチ・カントリー・スタイルで、白を基調としたドア、窓のフレーム、棚と淡いレモン色の壁に合わせたカーテンとブラインドが素敵。家具、照明器具や小物などに統一感のあるエレガントな空間に完成いたしました。その上、快適でコージーな部屋の雰囲気は、訪れる人達をも気持ち良くさせます。目には見えない細かい配慮と工夫、そしてこだわり、住まうことと生活を楽しむことを一体化させ、生活の質をとても大切にしています。

居間に入った時にまず目に入るのが窓から見える見事なビュー、そしてダイニング・テーブルの上の白いシャンデリア。日本ではシャンデリアは高いというイメージがあるようですが、アメリカでは照明器具を売っている店に行くと200ドルくらいからあります。取り付けだけは、自分でやるか知り合いや電気屋さんにやってもらうか、ですが……。照明器具だけを変えても、お部屋の雰囲気は変わります。これから春に向かってお部屋の中の模様替えはいかがでしょうか?

 
 

ミラーを使ったエントランスの演出

アメリカでは、ミラーをデコレーションのひとつとして、エントランスや部屋に飾ることがポピュラーです。玄関やリビング、その他の部屋に違った雰囲気のデザインのミラーを、絵と同様に壁に飾ることにより、その場のアクセントとなります。大きさや形、デザインも豊富にあり、日本の住宅では少々派手な大きめのデザインが多いかもしれませんが、アメリカの住居であればスペースは十分取れます。インテリア・ショップでは100ドル前後と気軽に買える値段のミラーが揃っており、取り付け用金具もハードウエア・ショップで手に入ります。重さにもよりますが、自分で取り付け可能です。ただし、取り付ける場合はなるべく壁の柱部分がいいでしょう。ミラーは部屋を広く見せる効果もあり、工夫次第でいろいろな用途として使えます。

余談ですが、美しい女性の家にはミラーが多いと言われています。良いホテルほどたくさんミラーが飾られていて、女性が美しく見える工夫をしてあるとも。実際、私のホテル・プロジェクトの時にも同じことを言われました。

 
 

小物を利かせる部屋の模様替え

今回は、部屋全体に小物を生かしたM邸の見事なデコレーションを紹介します。家具はなかなか替えられなくても、あまりお金を掛けずに取り入れられるのが小物の魅力。この写真は、クッション、ランプ、絵、カーペット、さらに布地、絵のフレームなどの素材に至るまで小物にこだわることで、家具の持ち味を変化させ、部屋全体の雰囲気を変えています。寒色系、暖色系、パステル、モノトーンなどの色、またさまざまな形のデザインによってイメージを変化させる工夫は、春夏秋冬のファッションとも似ていますね。スカーフやベルト、アクセサリーなど小さな物で服装の雰囲気が変わるように、お部屋も置き物やフラワーアレンジメントなど小さなアクセントでかなり見た目が変わります。ターゲットやIKEAなどで売っている安い小物でも充分。ソファーなどはスリップ・カバーを利用して変化をつけるのも良いですね。そこへクッションを置くだけで印象が変わります。この春はピンク、グリーン、ブルーなど、新鮮な色をお部屋の中に取り入れてみてはいかがでしょう?

 
 

カーテン

部屋のイメージは前回でお伝えした通り、クッション、絵、ランプ、ラグマットやその他いろいろな小物などでポイントをつけることで変わります。今回は、カーテンについてのお話。カーテンといえば、保温性、遮断効果、プライバシーの保護、日光を防ぐ効果など、日常の生活に密着した実用面で必要性を皆さんは考えられるのではないでしょうか。特に隣近所との距離も近い都市生活者は、目隠しのように使われているのでは?

私が学生としてアメリカで寮生活を送っていた時のこと。隣の部屋へ遊びに行くと、ベット・カバーとカーテンをマッチさせるなど、とても学生の部屋とは思えない素敵な工夫がいっぱいでした。Tシャツにジーパンのボーイッシュな女の子の部屋へ行った時など、彼女の外見からはとても想像できない、お姫様が住んでいるような空間へ通され、感激した記憶があります。聞いてみると、カーテンはベット・シーツを利用して自分で作り、それと同じ柄のピロー・ケース、コンフォーター・カバーなどと合わせて全体を統一しているのだとか。ぬいぐるみやフットボール・チームの写真などがとてもセンス良く飾られており、しかもお金を掛けずにやっているところは、本当に感心。この感覚は、育った環境からの影響も大きいのでしょうね。

いろいろな材料が豊富で安く手に入るアメリカでは、マーサ・スチュワートの世界を、一般家庭のあちこちで見掛けます。何でも自分で工夫して作ってみる……これは、アメリカ、ヨーロッパではとても盛んなこと。洋服作りから家の改装まで、プロ並みにやってしまうこの感覚の素晴らしさに、私は日々感銘を受けています。

それとは違い、特注は、お金を掛けて自分の思い通りのカーテンを作る、ということ。お気にいりの布地で、家具のデザインに合わせて作ることができますし、縫製度も高く品質の良さを求めるなら、やはりプロに依頼するのがベスト。写真のカーテンは、あるお客様からの要望で、装飾性と実用性の両方を兼ねた特注でオリジナル・デザインしたものです。

あなたは、自分でコストを掛けずに作る派? プロに依頼して作るこだわり派? どちらにしても、自分の生活スタイルを表現するひとつではないでしょうか。

赤池公江:
アメリカ・インテリア・デザイナーズ協会会員。ホテル・ニューオータニ(日本)、モデル・ルーム、駐在員宅、一般住宅などを手掛けて好評を得る。『モダン・リビング』『グラッツィア』など、数々の雑誌で紹介され、シアトルの住宅事情についてエッセイも執筆。ウェブサイト:www.afengshuiinteriordesign.com