シアトル港湾局によって管理されるシアトル・タコマ国際空港(通称シータック空港)でのコンテナ貨物量は、約1,000万トン。またシアトル港とタコマ港は近年、北米の玄関であるロサンゼルス港と近郊のロングビーチ港に代わる北米航路として注目されている。陸上においては、ユニオン・パシフィック鉄道とバーリントン・ノーザン・サンタフェ鉄道が施設されており、インターステイト・ハイウェイであるI-5がカナダからメキシコまで南北を貫き、I-90が東海岸のボストンを結ぶ。 基幹産業は、貿易、航空産業、 林業、農業、水産業、ハイテク産業(コンピューターソフト、医療機器、計測機器)など。テクノロジーの開発や生産、市場化が可能な場所としても高く評価されており、民族構成が多種多様で労働人口が多彩な点も、経済的に成功しているひとつのカギだと言われている。 企業としては、世界有数の航空・宇宙関連製造会社であるボーイング社が、2001年に本社機能をシカゴに移転したものの、依然としてワシントン州を代表する企業。最新中型旅客機「787」は、全日空のシアトル−成田間のフライトにも用いられている。インターネット産業ではアマゾン・ドット・コム社、ソフトウェア産業ではマイクロソフト社、アドビ社が代表的で、インターネット検索大手のグーグル社やヤフー・ドット・コム社のほか、2010年7月には、世界最大のソーシャル・ネットワーキング・サービス「フェイスブック」を運営するフェイスブック社も、シアトルにオフィスが ある。 マイクロソフト社の創始者で、経済誌『フォーブス』による2012年長者番付2位の、ビル・ゲイツによる世界最大の慈善団体、ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団は、シアトルの医療やバイオテクノロジー部門の財政支援などを行って いる。またマイクロソフト社は、過去30年に及ぶ慈善事業への寄付額が$10億に到達したことを2012年10月に発表した。 日本からは、家庭用レジャー機器の製造・販売を行う任天堂の米国法人の本社がある。また、昨今の日本企業、ワシントン州進出に関しては、サンフランシスコに本店を置く三菱UFJフィナンシャル・グループ傘下のユニオンバンクが、2010年4月に破綻したフロンティア銀行と合併。日本語対応によるカスタマーサービス(TEL : 1-877-286-3086)も実施している。 世界各地に続々と進出した「シアトル系コーヒー」群も健在。そのパイオニアであるスターバックス社は、2011年にロゴ・マークを一新。店舗経営においては、コーヒーだけでなく夕刻からはアルコールを提供する店舗を出店したりするなど、進化を遂げ続けている。 そして、大自然とアウトドア・ライフを背景に、REI社、エディー・バウアー社などのカジュアル・ファッション産業も盛ん。顧客サービスの規範を確立したと言われる高級デパート、ノードストロームもシアトルを基盤にアメリカ各地に進出を続けている。また、会員制卸売販売業コストコ・ホールセール社は、州最大の企業。米国のほか、日本、カナダ、イギリス、メキシコ、韓国、中国などに進出し、その躍進は目覚ましい。 開拓時代にワシントン州の最初の産業であった林業も現在に引き継がれ、製材、合板、紙、パルプの生産も地元経済に大きく貢献。中でもウエアーハウザー社は今日でも州で指折りの企業となっている。同様に、水産業も依然主要産業のひとつであり、シアトルは北洋漁業の基地として重要な位置を占め、日本の大手水産会社が多数進出している。 農業においては、カスケード山脈より東の地域では、小麦、ジャガイモ、ホップなどの大規模農業が盛ん。全米で1位の生産量を誇るリンゴ、チェリーなどの果実の生産は世界的に知られるところだ。ワシントン州産ワインは、カリフォルニア州に次ぐ全米2位の生産量で、その品質は高く評価されている。
シアトルと日本との関係は、1896年に日本郵船「三池丸」がシアトルに入港したことに始まる。1951年に行われた国際見本市では、海外市場調査会(現・日本貿易振興機構JETRO)が現地で花火を打ち上げ、これが世界に日本の花火が広まるきっかけになったとされる。兵庫県の神戸市は1957年以来、姉妹都市として交流を続けており、シアトルには神戸市貿易事務所を置いている。シアトルのワシントン大学は、全米の3大日本研究センターのひとつとされ、一般の公立高校においても日本語学習が盛ん。また、ワシントン州日米協会による「ジャパン・イン・ザ・スクール」では、ボランティアが州内各地の小、中、高校に出向き、日本語、そして日本文化を紹介するプログラムも実施している。 日本は輸出・輸入共にワシントン州にとって中国、カナダに次ぐ第3位(2011年)の貿易相手国。シアトル日本商工会(春秋会)に所属する日本企業・団体は、約100ある。また同会は、日本のカリキュラムによる授業を実施するシアトル日本語補習学校の運営も行っており、幼稚園部、小学部、中学部、高等部合わせて657人の生徒が在籍(2012年9月現在)。そのほか、兵庫県ワシントン州事務所、日系人会など各種団体がある。情報誌『ゆうマガ』や観光誌『シアトルガイド』、ウェブサイト「YOUMAGA.COM」などの日本語メディアでは、地元情報が入手可能だ。 日本においてシアトルの名が一躍有名になったのは、2001年、シアトル・マリナーズへイチロー選手が入団したことが大きい。そして、2012年は岩隈久志投手、川崎宗則選手も在籍。イチロー選手はシーズン途中にニューヨーク・ヤンキースに移籍し、川崎選手はシーズン終了後に退団した。 2012年9月現在、シアトル-日本間で飛行機の直行便を運航しているのは、デルタ航空(東京・大阪行)、ユナイテッド航空(東京行)、そして7月からは全日空(東京行)も加わった。
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