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シアトルの基本情報

シアトルの特色 □シアトルの歴史 □シアトルの人口と住環境  
シアトルの地形・気候 □シアトルの治安 □シアトルの経済 □日本との関係


シアトルの特色
水と緑と山に囲まれたシアトルは、“エメラルド・シティー”の愛称で知られている、ワシントン州最大の都市。景色の美しさやアウトドア・レクリエーションの機会の豊富さにも定評がある。一流の文化やスポーツ活動も盛んで、その住環境や交通の便、エンターテインメント性などが評価されている。近年はIT先進都市として注目を集めており、無線インターネット接続環境も充実。市内の多くのカフェやいくつかの公園などでは、無料でインターネットにアクセスでき、無線インターネット設備の充実度は全米でもトップクラスと言われている 。

環境問題に対する意識も高く、地球温暖化防止のための取り組みにも積極的。シアトルを管轄するキング郡では数年前から公用車としてハイブリッド・カーを採用しているが、シアトル市でも日産自動車の電気自動車「Leaf」を2011年に導入した。また今後、電気自動車が普及していくことを受け、高速充電施設の設置も進んでいる。


シアトルの歴史
シアトルの名は、開拓者のひとりデビッド・ドック・メイナードが親交を深めた、スコーミッシュ族の酋長“シアルス(Sealth)”の名がなまって付けられたもの。タコマ、スポケン、ヤキマなど、ワシントン州にある都市の名は、1775年にスペインの探検家が上陸するまで先住していた約50種族のネイティブ・アメリカンらの言葉に由来しているものが多い。

シアトルの発祥は、1851年イリノイ州出身のアーサー・デニー率いる開拓者達が、ポートランド経由でアルカイ・ポイントに上陸したことに始まる。翌年、彼らは現在のパイオニア・スクエアに移り住み、その場所は今でもシアトル発祥の地として知られる。シアトルは次第に木材の集散地として発達。19世紀末には、カナダのクロンダイク川での金発掘を目指し、アラスカ経由で現地へ向かう人々の中継ぎ港となった。そして製材場、農業地、漁業基地、さらにはアラスカと極東につながる貿易港として発展を遂げる。

20世紀に入ると、2度の世界大戦によって、ボーイング社を中心とする軍需産業が発展。大恐慌後は、現在でもコンクリート製としては米国最大であるグランド・クーリー・ダムを始め、数多くのダムがコロンビア川沿いに建設され、州東部におけるかんがい農業が盛んに。そして、多量の電力を利用するアルミ精錬工業も発達した。

1962年には「センチュリー21」のテーマで万国博が開催され、来場者約1,000万人を数える大成功を収めた。その跡地は、現在スペース・ニードルを始めとする文化施設「シアトル・センター」として利用されている。


シアトルの人口と住環境
2010年に行われた国勢調査によると、シアトルの人口は約56万3,374人。人種別構成としては、ヨーロッパ系が大多数で70.1%。ワシントン州では84.5%を占める。有色人種は主に都市部に集中するため、ワシントン州内で3.6%のアフリカ系もシアトルでは8.4%、同様に州で7.1%のアジア系もシアトルでは13.6%を占める。

ワシントン州の人口は約658万7,600人、シアトルのあるキング郡は約188万4,200人。ワシントン州内の日系人は約4万人(シアトル市内約1万人)となっている。

国際的視野の広さ、生活レベルの高さから、シアトルの住みやすさには定評がある。1戸建て住宅平均価格は2010年の調査で$295,700と、昨年より0.96倍減少した。ワシントン州の1世帯あたりの年間平均所得は$58,821で、全米8位の水準となっている。



平均家賃


シアトルの地形・気候
シアトルの面積は、水面を含め約235平方キロメートル。そしてワシントン州全体の面積は約17万6,600平方キロメートルで、日本の国土のおよそ半分弱となる。西のオリンピック半島と東のカスケード山脈に挟まれたピュージェット・サウンド沿岸に位置し、カナダとの国境から113マイル(182キロメートル)南にある。北緯47度と北海道より北に位置するものの、温暖な気候に恵まれ、夏は平均最高気温摂氏24度(華氏75度)前後で湿気もほとんどない。また冬は、最も寒い1月の平均最低気温でも摂氏2度(華氏36度)程度。雪が降ることは珍しく、氷点下になることは年間わずか3週間足らずである。

シアトルと言えば「雨が降るところ」として知られているが、多いのは冬季の降雨日数であり、特に小雨が多いため、年間降水量は36.2インチ(92センチ)と、東京ほか日本の各地域より少ない。傘の売り上げは少なく、むしろ夏場に日の長いシアトルは、サングラスの売り上げが多いのが特色だ。

太平洋に面しているオリンピック山脈では降雨量も多く、国立公園西部には世界でもまれな針葉樹林による雨林が形成されている。一方で、州のほぼ中央にはカスケード山脈が南北に走り、標高4,392メートルの最高峰、レニア山を含む山並みがこの州を大きく東西に仕切っている。カスケード山脈以東は寒暖の差が激しい大陸性気候に分類され、緑に深く包まれる西部とは対照的に、赤茶けた山脈には低木が一面に広がり、降雪も多い。

シアトルの平均気温、降水量、積雪量


シアトルの治安
シアトル犯罪状況2010年のシアトルにおける重要犯罪発生総数は、3万6,703件で、過去10年で15%減少した。

シアトル市内で犯罪件数が多いのは、ダウンタウン、ビーコン・ヒル、ホワイト・センター、ユニバーシティー・ディストリクト、バラード、グリーンウッド、ノースゲートなど。逮捕歴のある性犯罪者のリストは、シアトル警察のウェブサイト(www.seattle.gov/police/crime/sexoffender_notice.htm)に記載。住所を入力すれば、その付近に住む犯罪者を調べることが可能だ。シアトル総領事館のウェブサイト(www.seattle.us.emb-japan.go.jp)では、治安・安全情報を掲載し、防犯に役立つ情報なども紹介。有事の際の邦人援護を迅速に行えるよう、3カ月以上滞在する人には、「在留届」の提出を呼び掛けている(P43)。


シアトルの経済

シアトル港湾局によって管理されるシアトル・タコマ国際空港(通称シータック空港)での2010年におけるコンテナ貨物量は、約1,194万トン。またシアトル港とタコマ港は近年、北米の玄関であるロサンゼルス港と近郊のロングビーチ港に代わる北米航路として注目されている。陸上においては、ユニオン・パシフィック鉄道とバーリントン・ノーザン・サンタフェ鉄道が施設されており、インターステイト・ハイウェイであるI-5がカナダからメキシコまで南北を貫き、I-90が東海岸のボストンを結ぶ。

ワシントン州 輸出相手国トップ10 基幹産業は、貿易、航空産業、 林業、農業、水産業、ハイテク産業(コンピューターソフト、医療機器、計測機器)など。テクノロジーの開発や生産、市場化が可能な場所としても高く評価されており、民族構成が多種多様で労働人口が多彩な点も、経済的に成功しているひとつのカギだと言われている。

企業としては、世界有数の航空・宇宙関連製造会社であるボーイング社が、2001年に本社機能をシカゴに移転したものの、依然としてワシントン州を代表する企業。2011年9月には最新中型旅客機「787」1号機を全日空に納入した。インターネット産業ではアマゾン・ドット・コム社、ソフトウェア産業ではマイクロソフト社、アドビ社が代表的で、インターネット検索大手のグーグル社やヤフー・ドット・コム社のほか、2010年7月には、世界最大のソーシャル・ネットワーキング・サービス「フェイスブック」を運営するフェイスブック社も、シアトルにオフィスを増設した。
マイクロソフト社の創始者で、経済誌『フォーブス』による2011年長者番付で18年連続1位を記録したビル・ゲイツによる世界最大の慈善団体、ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団は、シアトルの医療やバイオテクノロジー部門の財政支援などを行っている。

日本からは、家庭用レジャー機器の製造・販売を行う任天堂の米国法人の本社がある。また、昨今の日本企業、ワシントン州進出に関しては、サンフランシスコに本店を置く三菱UFJフィナンシャル・グループ傘下のユニオンバンクが、2010年4月に破綻したフロンティア銀行と合併。日本語対応によるカスタマーサービス(TEL : 1-877-286-3086)も実施している。

世界各地に続々と進出した“シアトル系コーヒー”群も健在。そのパイオニアであるスターバックス社は、2011年にロゴ・マークを一新。また近年は、インスタント・コーヒー「VIA」の発売を世界的に開始したり、店舗経営においては、コーヒーだけでなく夕刻からはアルコールを提供する店舗を出店したりするなど、進化を遂げ続けている。

そして、大自然とアウトドア・ライフを背景に、REI社、エディー・バウアー社などのカジュアル・ファッション産業も盛ん。顧客サービスの規範を確立したと言われる高級デパート、ノードストロームもシアトルを基盤にアメリカ各地に進出を続けている。また、会員制卸売販売業コストコ・ホールセール社は、州最大の企業。米国のほか、日本、カナダ、イギリス、メキシコ、韓国、中国などに進出し、その躍進は目覚ましい。

開拓時代にワシントン州の最初の産業であった林業も現在に引き継がれ、製材、合板、紙、パルプの生産も地元経済に大きく貢献。中でもウエアーハウザー社は今日でも州で指折りの企業となっている。同様に、水産業も依然主要産業のひとつであり、シアトルは北洋漁業の基地として重要な位置を占め、日本の大手水産会社が多数進出している。

農業においては、カスケード山脈より東の地域では、小麦、ジャガイモ、ホップなどの大規模農業が盛ん。全米で1位の生産量を誇るリンゴ、チェリーなどの果実の生産は世界的に知られるところだ。ワシントン州産ワインは、カリフォルニア州に次ぐ全米2位の生産量で、その品質は高く評価されている。

主要大企業



日本との関係

シアトルと日本との関係は、1896年に日本郵船「三池丸」がシアトルに入港したことに始まる。1951年に行われた国際見本市では、海外市場調査会(現・日本貿易振興機構JETRO)が現地で花火を打ち上げ、これが世界に日本の花火が広まるきっかけになったとされる。兵庫県の神戸市は1957年以来、姉妹都市として交流を続けており、シアトルには神戸市貿易事務所を置いている。シアトルのワシントン大学は、全米の3大日本研究センターのひとつとされ、一般の公立高校においても日本語学習が盛ん。また、ワシントン州日米協会による「ジャパン・イン・ザ・スクール」では、ボランティアが州内各地の小、中、高校に出向き、日本語、そして日本文化を紹介するプログラムも実施している。

日本は輸出・輸入共にワシントン州にとって中国、カナダに次ぐ第3位(2010年)の貿易相手国。シアトル日本商工会(春秋会)に所属する日本企業・団体は、約90ある。また同会は、日本のカリキュラムによる授業を実施するシアトル日本語補習学校の運営も行っており、幼稚園部、小学部、中学部、高等部合わせて630人の生徒が在籍する(2011年9月現在)。そのほか、兵庫県ワシントン州事務所、日系人会など各種団体がある(本誌「団体」のリストを参照)。情報誌『ゆうマガ』や観光誌『シアトルガイド』、ウェブサイト「YOUMAGA.COM」など(巻頭)の日本語メディアでは、地元情報が入手可能だ(本誌「日本語メディア」のリストを参照)。

日本においてシアトルの名が一躍有名になったのは、シアトル・マリナーズへイチロー選手が2001年に入団したことが大きい。そのマリナーズは、任天堂の米国法人が所有権を持つ。

その他、2010年11月に日本でTV放送されたTBS開局60周年・終戦65年記念ドラマ「99年の愛〜Japanese Americans〜」は、19世紀末より始まった日系移民の歴史を綴った物語だが、この話はシアトルが舞台となっておりパイオニア・スクエアなどでロケが行われた。

ワシントン州の姉妹都市


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